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いつかかえるばしょ…

年末になると普通に話題にする帰省やお正月の過ごし方。今迄はそんな話がちょっと苦手だった。
祖父母も母も早くに亡くなり実家の家屋すら既にないので。
"えっ…そうなんだ…?"

と会話が止まり気まずい間が出来て以来、話さなくなった。
(素直に答える事が良いとは限らない、あれこれ聞かれた事もあるので)
今年は567禍があるので帰省を控えたり家でのんびり過ごす方も多いと思う。
そして5年少し前にワンコがウチに来てからは

"ワンコがいるのでのんびり過ごします"

と答えられる様になって本当にありがたい♡
それに実際、何処にも行かずに地元の小さな町でワンコと彼とまったり短い休みを過ごすだけだ。

思うに希望とは、もともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えない。
もともと地上に道はない。
歩く人が多くなればそれが道になるのだ。

魯迅の『故郷』のラストをふと思い出す。
シャッターが下りて殆ど人のいない商店街はグレーのベールに覆われた様に無機質で、もの悲しくぽつんとひとり取り残された感も。
けれどヤンチャワンコがいると幸いにも退屈する事は決してない(笑)
そして年末が近くなると必ずする事は、元旦から開いているカフェやカフェバーを見つける事。
毎年これはなかなか難しく今年は567があるので更に困難になりそう。
行きつけのお店のスタッフさんに聞いたりショップの張り紙を見たりネットでぐぐったりと。
人の声や少しざわざわした中に身を置きたくて。

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*新しく通い始めたスタンドカフェのテラス席

自分の部屋以外に"居心地の良い場所"があるのは本当に素敵でありがたいなと思う。
そこに行けば誰かしら温かい人がいて美味しいコーヒーやサングリアが飲めて笑顔の素敵なスタッフさんがいる。
元より人見知りで友人が少ない上に1年以上前から友人と会わない生活をしているので殊更に。

好きな物のみで緩やかに繋がるのが好き

本当に私はこれに尽きる。
地元の小さな町は優しい温かい人が多くて一度足りとも嫌な思いをした事がない。
ワンコ連れの方は必ずと言っていい程すれ違い様に挨拶を交わす。
時にはお話好きの女性に捕まって2、30分も話す事もある位にね?^ - ^

まどろみかけたわたしの目に海辺の広い緑の砂地が浮かんでくる。
その上の紺碧の空には、金色の丸い月がかかっている。           魯迅『故郷』から

この"金色の丸い月がかかっている"の表現が好きでぼんやり頭を空っぽにしているとその架空の映像が浮かんで来る。
幼い日に見た祖母の故郷の水平線に沈む夕陽。
私にとっての故郷ではないけれど瞼の裏に焼きついて離れない光景。

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こんなに美しい海だったのだろうか…?

東のベランダから濃紺の空に浮かぶ欠けている月を見て又いつか江ノ島の海を見たいと思った。

令和2年の終わりも良くない時も良い時も更に更に積んどく。

*皆さま、どうかご安全にお過ごしください
*読んでくださった方、いつもありがとうございます