あめのひにまた"からまーぞふのきょうだい"をよみはじめる…
今回で4回目。
読破したのは3回、上巻で挫折したのは4、5回ある(笑)これは私には一気にいかないと駄目な本。
そして読む度に新しい発見がある。
読み始めるとやはり惹き込まれる面白さがある。
早く続きを読みたい読みたいと気持ちがはやる。
兎に角一気に上巻さえクリアすれば中巻からめちゃめちゃ更に面白い展開になる。
一族の壮大な物語にして未完の大傑作。
…の冒頭から始まる物語。
つまり三男アレクセイが主人公でありその生涯は既に閉じていて物語として書き起こすと宣言。
そして序文で続編の構想があるとドストエフスキーは述べている。
とある事件の犯人も"この人物だ"とはっきり解るし何回も読んだので内容も結末も解ってはいるが、未完成ではあるので謎はいくつか残る。
だが読み終えると"これで良い、これ以上のエンドはない"と妙に私は納得してしまう不思議な作品。
ちなみにハッピーエンドや勧善懲悪なラストは好きではない…暗〜い終わり方やこの先どうなるの…?とモヤる方が好きだ。
実際にあった凄惨な事件を元に書かれてあり、強烈な個性の持ち主の父親はドストエフスキー自身の父親をモデルにしたのであろう。
宗教と死、国家と個人、家族の確執、罪と罰、親殺し、冤罪、自死、いじめ問題、ネグレクトや貧困問題迄様々な要素を含みミステリーとしても読み応えがある。"現在の預言の書"と評した作家も。
神がいなければ全ては許される
理系インテリ無神論者イワンの言葉が胸に刺さる。理知的でクールな彼も深い悩み抱え葛藤している…
"神が存在するのなら無辜の民、まして赤ん坊が目の前で殺されるのを何故救わないのか?"とイワンが純真な修道僧である弟アレクセイに問う場面も。ふと遠藤周作の『沈黙』のあの場面を思い出した…
沈黙する神…か?
まだ上巻を読み始めたばかりだが、ああ、イワンがアレクセイに語る"大審問官"の章が読みたい!無神論者でクールな理系インテリイワンと純真で神の愛を信じているアリョーシャの対照的なふたり。
時は16世紀のセリビア、異端審問全盛の頃、突如キリストが現れて…(復活したんか〜い!)
ああ、今から待ち遠しいくらいだ。
大学がミッション系だった事もあり、キリスト教概論やキリスト教文学を学んだ。
その事が欧米文学の根本思想に流れているキリスト教やキリスト教哲学を理解するにあたり少なからず役に立っているかなと思う。
まだまだこれからが面白くなるところ、必ず一気に読了する。
再読の楽しみは、読む時々によって刺さる言葉や場面が新たになる事も。
読書の日も良くない時も良い時も更に更に積んどく
*皆さま、どうかご安全にお過ごしください
*付記*
欧米文学、クラシック音楽や絵画等がキリスト教思想と切り離す事が出来ない位に影響を受けていて、題材やモチーフになり素晴らしい芸術作品が誕生。…が一方争いや論争の種になる事も。
経典も厳しい戒律もなく自然と調和して慎ましく生きる神道って素晴らしいなぁ…と思う。
何だか急に神社参拝したくなった。