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やまないあめにうたれて…

巷に雨が降るごとく 私の心に涙ふる

と詩を書いたのはフランスの詩人、ポール
 ヴェルレーヌだったと思う。
最後はこう終わっている…

わが心かくもかなし

心象風景はいつも雨。

2011年の春3月から今現在まで心の中に降り続けているは豪雨から時間と共にいつしかしとしと優しい雨に変わっていった…
けれど止むことはなく今もこれからも一生降り続けていくのだろうと思う。

 雨は好き…

一緒に旅行する程仲の良かった友人は2011年の震災の翌年春に東北の実家に帰った。
ぎりぎり迄迷いに迷った選択だったので、ただただ心の中でそっと彼女のこれからを応援するしかなかった。
その数ヶ月後の震災発生と同時刻の午後2時46分に母が亡くなった…
2時46分ぴったりに不思議と職場の柱時計を見た。

不思議な数字の符号…?

"ああ、もうこんな時間かぁ、仕事準備しなきゃ…"

と思ったのをはっきり覚えている。

"虫の知らせ"

って本当にあるんだね?
*       *      *      *      *
友人が東北へ引っ越して行く3月のある日。
淋しくて淋しくて新宿駅までくっついて行き見送った。
電車内ではお互いにひと言も話をしなかった。
チラリと見た彼女の横顔は綺麗で可愛いけれどどことなく憂いを帯びて見えた。

"じゃあ、ここで。本当にありがとう!"

と改札を出て、殊更笑顔で明るく言った彼女の心の内はどんな色だったのだろう…?

"うん、元気でね…"

と私も笑顔で答えた。

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彼女の華奢な後ろ姿を見えなくなるまで見送った。
いつもは振り返って手を振るのに、彼女はその日一度も振り返らなかった。
その事が彼女の強い決意と悲しみを物語っている様に思えた…
忘れられない光景だった。
そして今現在まで彼女には会っていない。
*      *      *      *      *
いくつかの冬と春を迎えて少しずつ少しずつ時間が過ぎていく。
私には大好きな仕事もあったし日常の慌ただしさが救いにもなった。
長い長い暗闇の中に一条の光が差したのはきっとワンコを家に迎えたからだと思う。
外ではお利口さんで家ではヤンチャ暴れん坊。
そして生まれつき胃腸が弱くしょっ中病院通い(涙)

ふと折り合いの良くないまま亡くなった母との共通点は"読書とワンコが好き"この2つだけだと言う事に気づいた。

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*フリー画像お借りしました

やまない雨はない…

未だに乗り越えられない悲しみや苦しみもあるけれど、きみがいるから明日も頑張れる。

私に出会ってくれて本当にありがとう♡

ねぇワンコ君、きみは今幸せですか?

*読んでくださった方、いつもありがとうございます