しんぞうにいくつもささったちいさなとげをぬく…
ワンコとお散歩をしていると様々な人に声をかけられる。
多いのは"わあっ、ワンちゃんだぁ♪"と駆け寄って来る小さい子どもや"以前家にもいたのです"とワンコを亡くされ懐かしむ方、或いは今飼っていらっしゃる方。
一期一会
中でも忘れられない刹那の出会いが幾つかある。
コツコツとハイヒールの音、ブランド物の素敵な黒のスーツを着こなしたキャリアウーマン風のとても綺麗な女性。
何となく目が合ってどちらからともなく微笑んだ
"可愛いですね?触ってもいいですか?"
"はい、人が大好きなので喜びます"
ぎゅうっと…けれど優しい慣れた手つきで抱っこしてくれた。
(ワンコを飼っていらしたのかな?)と思ったけれど何故か言葉に出来ずにその人の仕草を眩しい思いで見ていた…
"ああ、すみません、つい可愛くて。仕事で嫌な事があったのですが今癒されました…"
と。真っ直ぐ私を見たその瞳はハッとなる程本当に綺麗で、だけど少し悲しげにも見えた。
"ねぇ、ワンコ君、良かったね?素敵なお姉さんに抱っこされて。ありがとうございます!"
と殊更明るく元気に言うと笑ってくださった。
こんな素敵な女性にも辛い事があってワンコを抱っこした事でそんな風に思ってくださるんだと、何だか胸がぎゅうんと締めつけられた。
*人が大好き♡ワンコは苦手のびびり男子
夏の終わりのお散歩の帰り道、22、3歳位の東南アジア系の外国人男性とやはり何となく目が合い
"こんばんは"とどちらからともなく挨拶をした。
日本に来て仕事をしているとの事だった。
一日の労働の跡が見える作業着で少し疲れた表情のその男性はぎこちない手つきで優しくワンコを触ってくれた。
"ありがとうございます。次に会ったらきっと覚えていますよ?"
と笑顔で言うと
"わぁ、そうなんだ?すごいな、又会えるといいなぁ…"
その人が帰る家には明かりがついていて迎えてくれる人がいるといいなと思った…
暗くなりかけた道をとぼとぼ歩きながら何故か胸が熱くなる。
とても孤独で友人も少ない私は淋しさを感じる人と敏感に共鳴するのかな…?
* * * * *
前にも一度書いた事があるけれど、こんな出会いもあった。
まだ567禍以前、行きつけのカフェバーのテラス席にいると明るい時間からベロンベロンいい感じに出来上がっている豪快な感じの女性がいて
"わぁ、ワンコくーん♡抱っこしていいかしら?"
とハイテンションで両手を広げた(笑)
"はい、どうぞ。人が大好きなので喜びます"
と。するとさっき迄のハイテンションから一転。壊れそうなガラス細工にそっと触れる様な優しい手つきでワンコを抱きしめてじいっと動かない…
"ねぇ、あのね、ワンコ君がこう言ってるの。大好きだよ、でももう少し放っておいても大丈夫、ぼくは平気だよって…"
アニマルコミュニケーター等動物に携わるお仕事を長年されていたとの事。
その当時プライベートで深刻な悩みがあったのでその言葉を聞いて初対面のその方の前ではらはら泣いた…
(ああ、無理してたんだな、私…)
こうも言われたんだ。
"あなたがまず幸せじゃないとワンコ君も幸せじゃないのよ"
時々"動物の気持ちが分かる"と言う人の記事を読んだり聞いたりした事があるが、それまでは少し懐疑的だったんだ。
それでもその時そう言われて本当に心底救われる気がした。
身寄りも帰る故郷もなく、大都会の片隅で病弱なワンコと細々と暮らしている。
"私が何としても頑張らないと"と繰り返し自分に言い聞かせていたんだなって。
*光芒(≒天使の梯子)一番好きな空の光景
どんな暗い嵐の夜も必ず朝が来て一条の光が差す…
良くない時も良い時も更に更に積んどく。
*皆さま、どうかご安全にお過ごしください
*読んでくださった方、いつもありがとうございます、暗くてすみません、元気です😊
*付記*
出会った3人の方はきっと私の中にも"孤独"の影を見ていたんだろうなって思う。
日々感謝、ありがとうございます。