僕が唯一敵わないと感じた和太鼓奏者

僕です。



僕は和太鼓を16年くらいやってます。

もちろんまだまだ上手になるし、これから色んな技術や表現を身に付けていくんだろうなあ〜もひもひ〜と思ってるんですが、そんな僕が今までで唯一「この人には到底敵わない」と感じた和太鼓奏者がいます。


あ、勿論俺より上手い人なんか死ぬほどいるだろうし、勿論そういう人たちを尊敬しているし、大好きだという前提ね。




その人は御諏訪太鼓保存会という、和太鼓におけるステージ演奏の大本になっている「御諏訪太鼓」を現代に伝え続ける団体にいます。(解釈間違ってたらごめんなさいm(__)m)

第4回大学太鼓フェスティバルという、大学生の方々が中心となって太鼓の演奏を披露する会のゲストとして演奏をしていました。

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LYNXのやまねこさんと見に行った。タピタピ。



持ち時間は10-15分くらいかな?色んな学生さんが格好良い演奏を披露していました。

僕なんかは田舎のおじさんみたいに「みんな頑張ってるなあ〜元気いっぱいだなあ〜」と見ていました。


そんな中、御諏訪太鼓保存会の方々の出番。

僕はその演奏を見た時、真ん中で打ってらっしゃった、見たところかなりお年を召した方の演奏から目が離せなくなりました。


学生さんたちみたいな元気あふれる演奏でもない、他のプロ奏者の方のような、圧倒的な速さや動きでもない。


でもその人から目が離せない。


なんだこれ。


16年和太鼓続けてきて初めての感覚でした。



淡々と太鼓を打つその姿を見てて、思ったんです。


「この人、多分どんな場所でもこの演奏ができる」と。



会場は文京シビックホールの大ホールでした。1800人入ります。

僕からしたらかなりの大きさのステージです。


いやきっと、あの日出てた人たちみんなにとって大きいステージだったと思うし、周りはみんな和太鼓好きが集まる、いわば気合の入る会場、空気だったと思います。


それでも、あの人は、淡々と太鼓を打つ。

恐らく、町内会のお祭りでも、東京ドームでも、淡々と。


それは今まで積み重ねてきた経験、それも太鼓のみならず人生全てを物語っているような印象でした。


初めて、「これは明確に自分に出来ないことをやっている」と感じました。

今まで「どうやれば速く打てるのか」とか「格好良く見せられるのか」を考えてきた自分にない、新しい境地でした。




僕の和太鼓奏者としての夢にすらなりつつあります。

どんな場所でも、普段と何も変わらない演奏をすること。



そうなれるかな。ならなくちゃ。絶対なってやる。


おしまい。

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