読むストロングゼロ「ポーション頼みで生き延びます」レビュー
はじめに
全く記憶に残らないどころか、ガツンと記憶が飛びそうになるすごいなろうを見つけたので紹介したいと思う。
1巻はなんと0円!タダ!無料で読める!
チート能力をねだる、その目的は「繁殖」
主人公は異世界転生のお約束として神様の手違いによって殺され、お詫びに異世界に転生することになる。そこであれこれチートスキルをねだるのだが、その目的は「繁殖」
うーん、繁殖が最終目的っていうなろうは初めてだ。「全くのクズだったから今度は英雄になりたい」「ブラック企業で過労死したから、スローライフをしたい」とかは見てきたけど、「繁殖したい」かあ。
チンギスハーン?
そして女神様にクレームをつけてもらったチート能力は「あらゆる効果を付与できるポーションと、あらゆる効果を付与できる容器を生み出せる能力」と「アイテムボックス」。「あらゆる言語を読み書きできて話せる能力」。
自分の能力を試して治癒ポーションを作ってみたカオルは、冒険者ギルドに向かい、受付嬢に説明を受ける。うん、ここまではテンプレ。
売春だけは許さない
すると受付嬢は、ポーションをギルド内で売ったりしてもいいが、「売春だけはするな」といきなりキレる。なんで!?
ちなみに世界設定はテンプレなろうの「中世くらいの文明レベルのファンタジー世界」です。この設定で娼婦を否定する理由がわからない。
ちょっとまって欲しい。活版印刷があるかさえ怪しい世界だ。どう考えても娼婦は絶対に存在する。ハンターなんていう、命がけで戦い、一箇所にとどまらなさそうで男ばかりの世界なら、絶対に娼婦が必要だろう。
ちなみに、「何故宿を借りたいと言ったら売春だけはするなとキレたのか」については一切説明がない。ないので、この世界に娼婦が存在するのかしないのかわからない。受付嬢がいちいちこんなキレ方をしてたら仕事をクビになると思うが・・・
なので主人公は、マッサージで飯を恵んでもらう。父や母で鍛えた技術で人だかりができる。すごい展開だ。これ「マッサージ技術頼みで生き延びます」だっけ?
そこに唐突に運ばれてくる重傷者。誰もオロオロして対応できない。こいつらハンターじゃねえの?
ともあれ、治癒ポーションはこの世界には存在しないチートアイテムだったことが判明し、皆は掌をかえす。よかったね、俺もよくあるなろう展開に戻ってきて安心した。
私には権利がある
チートアイテムを披露したんだから、聞きつけた領主から呼び出される。よくあるなろう展開だ。しかしこのポーションは一味違う。
え?あなたに私を無理やり連れて行く権利ないですよね?
そりゃそうなる。というか、「相手が聞き入れるわけない理屈で上から目線で否定する」なんて、そのうちボコボコにされて全裸土下座させられると思うのだが・・・
私には嘘をつく権利がある
しょうがないので「罠を仕込むかあ」といってカオルがやるのは、この世界には無い腕時計を見せつけて、「金貨10枚します」(まあこれは嘘ではないか)と言い、この使い走りにわざと「腕時計を盗むという罪を背負わせる」。
「透明になるポーションを生み出して飲んで逃げる」「光と音を出して爆発するスタングレネードポーションを出して逃げる」「治癒ポーションを出してくれてやるから見逃せと交渉する」とかの手段は一切取らない。お前何のためにチートスキルをもらったんだ?なぜ使わない?
そして対面した領主は、当然初めて見るポーションをもっと作れないか?と製法を聞き出そうとする。
「無理ですね、その道具は奪われました」(嘘)
「なんてことをしたんだ!返せ!よしこれで作れるか?」
「あー壊されてますね、もう作れません」(嘘)
「あなたの次男があなたを殺す予定でもあるんじゃないですか?」(嘘)
そして髪を切り、髪と目の色をかえるポーションを飲んで脱走。透明化とかでよくない?まあそれくらいはどうでもいいんだが。
私は盗んでも良い
逃げる時に家財道具から絵画にいたるまで、あらゆるものを盗んでいく。理由の説明はない。多分、カオルに失礼な事をしたからじゃないかと思う。
※家具調度品をすべて盗まれてるので窃盗罪を主張できます
※盗品と疑われるというより実際に盗品です
カオルの倫理観はぶっ壊れており、自分に失礼なことをした相手は滅ぼしてもいいし、その手段は選ばなくていいし、一切罪に問われないという信念があるようだ。
と、以上が無料の一巻の流れ。この後、「私は嘘をついてもいいし何をしても良い」「私に失礼な態度をとった相手は不幸にならねばならない」という信念をもったカオルは、自由に生きていく。
この後の展開
「王族や貴族の集まるパーティで子を産まされるだけの王妃はつまらない人生だと演説すると王妃や貴族が即座に啓蒙されて泣き崩れ貴族同士は取っ組み合いの喧嘩をしはじめる」
演説に洗脳効果がつくポーションでも飲んだのかな?このあとも基本的にポーションではなくて演説や嘘で悪者をやりこめていく。
キーワードは「え、だって」「え、それって」。このキーワードが出ると、その後は悪者はあっというまにやりこめられる。本当にすごい。
「国同士の外交問題」をニヤニヤしてすすめるこいつら嫌だ・・・
そして戦争が始まる。帝国兵2万に対し、カオルの手勢は20人。
手投げ爆弾で撃退
井戸に毒を撒く(カオルが)
騎兵同士の対決!
と思ったら馬を降りてから戦う!
敵騎兵を片付けたフランセット達は、カオルを包囲する兵士の一角を突き破ってカオルの回りを囲んだ。そしてすぐに下馬。皆、移動には馬に乗るし、騎乗で戦うことも出来る。しかし、本職は自分の足で動き回っての歩兵戦闘であった。
あまりにも理解不能で原作の小説を読みに行ったらこういうことらしい。なるほどなるほど、「騎兵よりも歩兵のほうが強い」のかこの世界は。なるほどなー。
帝国兵が頑張ってお付きの女騎士を倒したら「頭の中に爆発ポーションを生み出して爆裂」。そのあと「能力アップと全回復するポーションで生き返らせ」、「いわゆる単分子振動剣」(いわゆる?)を生み出して与え、帝国兵相手にフォンフォン一方的な虐殺をさせる。もうやめて!せっかく頑張って敵のネームドを倒した帝国兵さんの心が折れちゃう!そこから追撃戦で硫酸の雨を降らせて殺戮。もう本当にやめてあげて!
その後戦争に負けた帝国と聖国に対し、女神を呼び出して証言させ「人権を剥奪」したり
「性犯罪者を根絶しないとこの国は滅ぶ」と嘘をついて脅したりする。本当に主人公の性格というか性根が最悪ですごい。一番「力」を与えてはいけない人間だと思う。帝国兵から見たら邪神以外の何者でもないし。
そのあとはなぜか手作り弁当のお店を始めたり(本気で理解できなかった。今でも理解できない)
ポーションスキルがドラえもん並の便利さになったり
本当に全く予想がつかない展開が続く。真面目に読んでると頭がおかしくなりそうだし、空っぽにして読んでても下っ腹に力を入れてないときつい。本当にきつい。おすすめの漫画です。
70点
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