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『小樽・札幌ゲーセン物語展』の準備が本格化

 すっかりこちらの更新ペースが落ちていましたが、来年1月から小樽文学館にて開催される『小樽・札幌ゲーセン物語展』の準備はかなりホットな状況になっています。残り1ヶ月を切ってますからね。

ゲーセン展チラシ表

ゲーセン展チラシ裏

 まずはチラシが完成、すでに何ヶ所かに配布しています。ちょっと諸事情がありまして、チラシ裏面に書かれている「基板を自宅で楽しむ環境を実際に遊べる形で展示」は無くなります。展示スペースの問題ですね。今回の展覧会は無料のミニスペースを使いますので、有料の本展示場と比べてかなり狭いです。用意した展示品も一度に全ては展示できないので、会期中に一部入れ替えという形になると思います

 ゲーム文化保存研究所さんのサイトで展覧会の告知記事を掲載していただきました。ありがとうございます。今回の展覧会はアーケードゲーム文化の記録と保存・継承という意味合いもあるので、ゲーム文化保存研究所さんに取り上げてもらえた意義は大きいです。

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 プレイアブル展示用の筐体は、アストロシティの他に文学館所蔵のタイトー社製テーブル筐体の方も調整を行ないました。かなりの年代物でしたが、メンテナンスの専門家の方(アストロシティをお借りした人でもあります)のおかげでレバーやボタンを調整(4方向レバーを8方向に変えるなど)、基板の入れ替えができることも確認できました。これでアストロシティが横画面専用、テーブル筐体が縦画面専用として使用できます。

 基板メンテについてはわたしは門外漢なので、脇で見ているだけでしたが、それでも手伝えるところは手伝おうということで、ディップスイッチの設定(難易度設定など家庭用ゲームでいうところのオプション)といった辺りはネットで調べながら行ないました。基板の入れ替えもはじめてでしたが、それも含めて基板の基本的な扱い方は分かるようになってきました。

 実際に遊べるゲームは、サイト「UPL墓堀り人」の管理人さん所蔵のUPL基板をお借りできるのと、UPLゲームの権利を取得している株式会社ハムスターさんの許諾を得られたことで、UPLのゲームを多く展示できることになっています。現在、展示が決定しているのは、
『XX MISSION』(UPL / 1986年)
『忍者くん 阿修羅ノ章』(UPL / 1987年)
『ミュータントナイト』(UPL / 1987年)
『宇宙戦艦ゴモラ』(UPL / 1990年)
また、UPLのゲームではありませんが同じく株式会社ハムスターさんが権利を取得している
『はちゃめちゃファイター』(NMK / 1991年)
も展示します。
そして文学館所蔵のテーブル筐体に入っていた
『ヴォルフィード』(タイトー / 1989年)
もタイトーさんの許諾を得られましたので展示します。
追加でいくつかのゲームも検討中です。決定次第、発表していきます。展示タイトルが出揃った時点で、展示スケジュールも発表します。前述のとおり筐体が2台に対して基板が複数あるので、少なくとも週単位で基板を入れ替えたうえで基本的に横画面1台・縦画面1台が稼働する形になります。筐体も基板も年代物なうえに個人様からお借りしているものなので頻繁に基板を入れ替えられないことはご了承ください。

 筐体や基板以外の展示品も会場である小樽文学館への搬入が進んでいて、わたしの分以外はすでに文学館入りしています。年明けからは展示レイアウトを考えながら、展示物のチョイスと説明(キャプション)を付けていく作業に入ります。さらに準備の密度が濃くなっていきそう。タイヘンさが予想できますが、楽しみでもあります。今回の展示品はわたし自身の分も含めて全て個人の所有物をお借りしています(ありがとうございます)。そのためどうしても内容に偏りは出てしまうのですが、ビデオゲームが好きというベクトルでの熱量をそのまま展示できる、ひいては80~90年代のアーケードゲームとプレイヤーの「関係性」を当時のまま展示できることに繋げられるのではないかと思います。

 また、物理的な展示以外に、当時のゲーセンやアーケードゲームの記憶・思い出についての展示も行ないます。これが展覧会のタイトルにある「物語」の所以にもなります。連動した取り組みであるWiki「札幌・小樽のゲーセン情報リスト」からも展示用に一部フィードバックしていきます。そして逆に展覧会に訪れた皆さんからいただいた当時の思い出をWikiに反映させることができたらとも考えています。そのため会場にノートを置く予定。これは当時ゲーセンに置かれていたコミュニケーションノートを模したものでもあります。

■ 地方の文学館でテレビゲーム展を開催する・バックナンバー
https://note.com/hilow_zero/m/m535d51202b05

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