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青春のオールアバウト・ナムコ

 先日2度目の復刻がされたオールアバウト・ナムコを買いました。本気を出して読むとあっという間に時間が経ってしまうので、自制しながらちょこちょこ読んでます。

 1985年に初版が刊行、1987年にVol.2(こちらも復刻希望)。当時高校生だったわたしは両方とも持ってました。なので自分にとっては当時にトリップする要素満点の本でもあります。

 当時はファミコンの攻略本はぽつぽつ出ていた時期。同じ1985年に最初のファミコン雑誌「ファミマガ」創刊なので、ゲーム書籍がまだ珍しい時代。そんな頃に約400ページで単なる攻略記事にとどまらず資料性の高い本がギリギリ学生の身分で手に入れられる(小学生には厳しいか)値段で世に出ていたのは貴重だったと思う。

 今読み返すと、当時はデジタル技術がないので、ゲーム画像もモニターを直接撮影したものを切り貼りという力技。それも今だから力技と言えるのであって、当時にしてみれば当たり前、というかそれしかなかったんですよね。

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 ドット絵のパターン表やサウンドの楽譜が載っているのも刺激的だった。
ゲームがどのように作られているかの一端に触れることができたので。面白いのは効果音の楽譜も載っていること。当時はBGMのみならず効果音も音符の組み合わせ、要するに音楽を超高速で再生させて再現していたわけです。今時のゲームは例えば実際の爆発音を録音してデータ化したものをそのまま再生していますが、当時はそういう技術がないので、高速再生の音楽で表現していたのです。ファミコン時代のスーパーマリオやドラクエも同様。

 当時、同じ下宿の友人がパソコンで楽譜入力して音楽を鳴らせるソフトを持っていたので、それを使わせてもらって、この本の楽譜を使って音楽を鳴らしていました。そのうち楽譜化されていないゲーム音楽を鳴らしたくなったので、安いキーボードを買って耳コピ(耳で聴いた音楽を楽器を使って楽譜化する)したものを鳴らしたりもしました。キーボードはあくまで採譜用だったので、キーボード自体を弾けるようになろうとは思わず。なので自分は楽譜は読めるけど、楽器は弾けないんですよね。その後は自分用のパソコンを買ったり、楽譜ではなくコンピューター用のミュージックマクロランゲージという言語にも手を染めたりしましたが、20代の中盤くらいでやめてしまったのでした。

 こんな感じで振り返ると、楽しく充実していて、それはある意味では間違いではないんですが、一方で80〜90年代前半の日本はまだ多様性が市民権を得ていない時代でもあったので、こうしたわたしの趣味は一定の人たちからは異質に見られることもしばしばでした。今やってるゲーム展の取り組みは、そのときの怨念返しみたいなものが少し含まれているというのは否定できないところはありますね。

 ネガティブなことはともかく、こういう時代性とその変化も記録して後世に残していけるといいのかなと思います。そういう思いを持つ人が増えてきているから、ゲームという分野でもこうした「復刻」が目立ってきてるんでしょう。ゲーム展がこの流れの起きているタイミングで開催できるのは幸運だなと思います。

■ 地方の文学館でテレビゲーム展を開催する・バックナンバー
https://note.com/hilow_zero/m/m535d51202b05

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