見出し画像

建築スナップにおける5つのタイプ

はじめましての方ははじめまして。また読んでくれた方はありがとうございます。hiloaki.kと申します。

今回は誰にも聞かれていないのに建築のスナップを撮る時のtipsについてご紹介します。面白かったら #architecturesnap とつけて皆さんもtwitterなりinstagramなりnoteなりで投稿してください。飛んで行ってRTさせてもらいます。

形式上、有料noteにしていますが全文無料です。
ためになったな~と思ったらコーヒー一杯分だと思って150円投げてもらえたら嬉しいです。

1. 建築スナップを仕分けよう

建築スナップ=#architecturesnap から説明していきます。
「建築写真」というジャンルが世の中にはあります。

記録写真に始まり、竣工写真、芸術の被写体としての建築写真…などなど。
これらは大概、建築単体をベストなタイミングで写し取ることを目的としています。
(付録として最後のほうにおすすめ建築写真家のinstagramを付けときます。)

片や、趣味として写真を撮る自分は「ベスト」なタイミングで撮影することはできません。
たいてい、建築家の建てる名建築というものは郊外地にあることが多く、旅行で行くくらいです。したがって、そう何度もいくことはありません。
となると、撮れるのは「ベター」なタイミングでの写真、悪いときは「バッド」な建築の写真です。

画像2

では、最大でもベターでしか撮れない写真の価値ってなんでしょうか。

それはベストな写真しか撮らない人たちには撮ることのできない、その瞬間の写真。すなわち、スナップ写真といわれる類のものです。
曇天の日の映えない建築の写真。人がたくさん映り込んだ建築の写真。錆び付いた配管が映る建築の写真。枯れた木に囲まれている建築の写真。

建築家の意図とは反するように、生きている建築を撮る。
これにちょっとした面白さを感じて、撮り続けているところです。

詳しくは下のnoteに書いてあるので、お時間あれば読んでみてください。

さて、この建築スナップたちのざっくりしたイメージが伝わったかと思います。ただ、悪い瞬間でもとりあえず建築を切り取れば建築スナップになるし、それでいいんでしょう?
という風に聞こえてしまうかもしれません。

僕はむしろ「生きている」建築を撮るのは難しいと思っているので、よくよく考えて何枚も何枚も撮るようにしています。
感覚的に撮っているものも多かったのですが、一度自分の中でも体系化する意味で言語化してみます。

ということで次の章で建築のスナップを仕分けていきます。

画像3

2.建築スナップの5タイプ

建築写真の大原則は、「水平・垂直」です。
斜めに撮るのも人物スナップなど動的な効果を演出する場合には重要ですが、斜め構図は同時に不安定さを想起させるので地面に安定して建っている静的な建築にはあまり向かないのです。

architecturesnap_アートボード 1

とは言うものの、水平垂直はなかなかきれいに一発で撮れないことも多いので、lightroom/photoshopの歪み補正や変形ツール・回転ツールで修正していくことが基本です。定規をしっかり出して、正確に水平垂直を取る作業を行っていきます。
「水平垂直」この大原則を理解した上で建築スナップを見ていきましょう。

>2-1.Facade(XL)

はじめはFacade。つまり、立面のことです。
建築には大体「正面」となる場所があります。ここの建築意匠(デザイン)は最も設計の中で気合が入る「顔」の部分なので、ここを撮るのは間違いないです。

基本的には、水平垂直を最も意識するので可能であれば望遠側で撮るのが望ましいです。(広角側だと歪みの発生が多くなりやすいので。)
望遠の距離が足りないときはトリミングなども駆使しましょう。
撮り方としては2パターンあります。

A.真正面から歪みなく顔自体を撮る方法

画像5

B.見上げ、横から、と横顔を撮る方法

画像4

>2-2.Perspective(L)

perspective、すなわち見通しのよい場所を撮ることも一つの手法です。
わかりやすいのは、一点透視図法と呼ばれる図法を描く時に使われる透視線がはっきりしているものだと思います。
(参照:遠近法wikipedia)

ダイナミックな空間の広がりを強調することでより一層、視線の伸びや視界の広がりを表現できることからperspectiveには広角が向いています。
特に、建築を撮る際は8-24mmくらいの超広角レンズがあると面白いものが撮れるかと思います。

画像6

>2-3.Detail(M-XS)

次にDetailです。建築はドア・窓・壁・柱・天井・屋根…etcの様々な構成要素で成り立っています。そして、それら構成要素は更に分解して素材や工法、重ね合わせなどさらに細かい要素になっていきます。

建築というものを見るときに、大きいものを見るだけでなくそうした詳細の部分を見ていくことも一つの手段になります。

この時に映し出されるのは抽象的でアノニマスな雰囲気の写真です。
アスパラさん(@aspr_802)考案の #壁を撮る人 シリーズはこれに近いと思っています。

焦点距離は割と自由が利きますが、近くまで寄って見れるときは28mm、遠くからしか取れないときは200mmとかで撮っています。

画像7

>2-4.Scene(M-XS)

次はsceneです。これは特に、建築スナップならではのものかと思います。

建築は建っているだけでは意味をなさず、利用されて初めて価値を持ちます。
建築を設計した人には想定できなかった使い方や人のたまり方を撮っていくことは建築スナップに与えられたひとつの役目だと僕は勝手に思っています。シティスナップと混同しがちですが、シティスナップなどでは主役は「街を歩く人」になっていたりします。
ここでは、意識的に「建築目線」になって撮ってみることが重要です。

焦点距離は割と自由ですが、スナップ間隔で撮るのであれば28mm,35mm,50mm程度がよいのではないでしょうか。

画像8

>2-5.Others

建築は上に挙げた四つだけではなく、無限の見方ができます。

例えば、シルエットが面白いと思ったらこんな風に黒く塗ってしまったり。

画像9

僕だったら、階段が気になっちゃうのでこんな感じでシリーズ化してしまったり。

#階段のポートレート-02

自分に合うテーマが気づいたら見つかってるかもしれません。
ぜひぜひ上の4パターンを基本にしながらもちょっと遊び心を入れて建築を撮ってみてください。

3. #architecrturesnap のすすめ

今回は建築スナップを仕分けてみました。
建築を撮るってなんだか難しい、となっている人の第一歩になればと思っています。

建築は動かないですから、実は初心者向けの被写体です。
しかも、世の中は建築で溢れています。

ふとした瞬間に建築に注目してはどうでしょうか。
もしnote,twitter,instagramに投稿するときは #architecturesnap を付けてくれたら嬉しいです。

付録:おすすめ建築写真家たち

Iwan Baan / 有名建築家の写真を多数とっています。instagramはスナップも多く、見ていて楽しいです。

Sinziana Velicescu / LAを拠点に撮っている写真家です。とにかく写真が丁寧。僕の建築スナップの原点の一つです。

Matthias Heiderich / カラフルで美しい建築を切り取っている写真家。非現実感を伴いながら、わくわくする写真が並んでいます。

Akira Takaue / 日本人のファインアート写真作家。一級建築士の資格も持っている、構造系の博士課程修了者。Flat Plane Imageは僕の #simplifyphotography シリーズに大きな影響を与えています。Twitterもめちゃくちゃかっこいいのでぜひ見てください。

ここから先は

0字

¥ 150

サポートいただけたら嬉しいです。のんびり写真を撮り続けています。