つくった歌詞の話

https://www.nicovideo.jp/watch/sm41113114

https://www.youtube.com/watch?v=_HguVWrdeIU

この歌の話をします。
深い意味が無い部分もあるので語れるところだけ。
 
モチーフの「地元の駅」ですが愛知県の名古屋鉄道犬山駅です。
なので歌詞に出てくるのは犬山市の名所とか名古屋鉄道の駅とか路線とかばかりです。


歌詞


北縁、あるいは国の果て 叉路跨いで四方へひと巡り
上り下り見下ろす地方都市が僕風情の青春だ
ワンコインじゃ届かぬ迷宮となべて前途多難な川向う
鉄路は往々に絆せども都とは一口に言えまいか

そんなこんなでターミナル
人と人の群れが交差する
着飾れどこんな汚いホームじゃ映えないや

心だけ迎合し損ねた
相も変わらぬベッドタウンの僕さ
間も無く七時二十分 空港行き特急1番線
嗚呼 あらまなんてお値打ちな優等で終点まで
ずっと下らない話をしようぜ

徒渡れば今は上に見ゆ二百メートルほどのノスタルジー
警笛鳴らし進めや伽藍堂 夢か現か赤い風
戌亥が丘在す彩雲に幾世紀を経て集く群衆
猿声往まぬ麓に若き塔
いけねぇ、これは隣駅の話

今日も今日とてターミナル
切り取った五角の空の果て
栄えても南を見れば意味は無いや

二の閣と被けば気もそぞろ
尚も空かない天守台と冥加
次発未だ定まらず 急行また遅れた4番線
嗚呼 各駅停車強いられても
まだ終端じゃないほらあと二駅付き合って

三十年の願いもこの程度
経は光彩陸離の下訪うた
臨時列車発車します 単線行き過ごした3番線
嗚呼 
されど鉄路は尚続く

救いたいのは果たして誰のエゴ
緯は割に合わぬと迫る淘汰
最終列車は零時前 廃線ドン突いては6番線
嗚呼 行く末も知れぬ旅路の僕らなれば
まだ物見遊山も悪くないだろう



1番Aメロ

『北縁、あるいは国の果て 叉路跨いで四方へひと巡り』
愛知県最北・尾張国の果て
四方は乗り入れ路線の数(犬山線・小牧線・広見線と厳密には乗り入れていない各務原線含む)も意識してます
 
『ワンコインじゃ届かぬ迷宮と
なべて前途多難な川向う
往路は幾重にも絆せども
都とは一口に言えまいか』
迷宮=名鉄名古屋駅
犬山-名古屋の運賃は570円、ワンコインでは手前の西春駅までしか行けません
川向こう=木曽川を越えた先の名鉄岐阜駅
前途多難というのは市電廃止とかJRより駅が狭いとかそのへんです
都はここでは県都=県庁所在地
言わずもがな名古屋市と岐阜市の都市規模には歴然たる差があります
ちなみにここのベースはそれぞれ名古屋市歌、岐阜県民の歌のメロディをイメージしています

1番Bメロ

『着飾れどこんな汚いホームじゃ映えないや』
割と有名な観光都市の中心駅の割にはあんまり綺麗な駅じゃないなぁ……というアレ

1番サビ

『相も変わらぬベッドタウンの僕ら』
犬山市は名古屋市のベッドタウン
『間も無く7時20分 空港行き特急1番線』
サビのこの部分は乗り入れてる各路線のイメージ
1番は犬山線上りミュースカイです
『あらまなんてお値打ちな優等で
終点までずっと下らない話をしようぜ』
優等=指定席特急(ミューチケット)
「お値打ち」でせめてもの中京圏感 実際360円と安めではあります

2番Aメロ

『徒渡れば今は上に見ゆ200メートルほどのノスタルジー
警笛鳴らし進めや伽藍堂 夢か現か赤い風』
犬山橋パート
200メートルはその大体の長さです
この橋は2000年まで鉄道道路併用橋でしたが現在は歩行者・自動車用橋が従来の鉄道橋の川下側に新たに架けられています
後半はなんとなくパノラマカーっぽい感じです
後ろで鳴ってるのは名鉄のミュージックホーン(通称どけよホーン)をイメージしてます

『戌亥が丘在す彩雲に
幾世紀を経て集く群衆
猿声止まぬ麓に若き塔』
ここは李白の七言絶句「白帝城」がモチーフ

朝に辞す白帝 彩雲の間
千里の江陵 一日に還る
両岸の猿声 啼いて住まず
軽舟已に過ぐ 万重の山

白帝城が犬山城の異称なのと北原白秋の随筆『木曽川』でこの詩が引用されてたので使ってます
戌亥=北西で犬山駅から見た犬山城の方角→詩から連想して彩雲 あと「戌」「丘」で地名のもじり
集く群衆=観光客
若き塔=犬山市にあるモンキーパークにある若い太陽の塔
猿声はモンキーパーク 上の詩からの引用
『いけねぇ これは隣駅の話』
犬山橋とモンパの最寄りは隣の犬山遊園駅です
おっといけねぇ

2番Bメロ

『切り取った五角の空の果て』
犬山駅の2階にある五角形の窓のことです
『栄えても南を見れば意味は無いや』
駅前に比べて市の南部は田舎だとかその程度の意味だったと思います

2番サビ

二番サビ前半は犬山城です
『二の閣と被けば気もそぞろ』
ここは最古論争と金山城天守移築説
かつて最古の現存天守と謳われたこの城も丸山城にその座を脅かされていたりしなかったり、あとついでに解体した金山城の資材の使い回しで建てられたんじゃないかとか色々真偽不明なことを言われています
二の閣=現存二番目の天守閣、あるいは再建された天守閣の意
『尚も明かない天守台と冥加』
現存天守
冥加は一番と母音を揃えたくて入れましたが、城下町を活かした観光業が市の主産業、つまりお城の加護で街が栄えてる!だとかストレートに税収だとかこじつけを重ねています
『急行また遅れた4番線』
犬山線ってなんかよく遅れるなあと思って書いたけどバランス的に各務原線かもしれません
『各駅停車強いられてもまだ終端じゃないほらあと2駅付き合って』
犬山駅の北の2駅(犬山遊園・新鵜沼)のこと
どちらも小さい駅ですが全種別停車駅です

落ちサビ〜ラスサビ

『三十年の願いもこの程度』
落ちサビは南へ走る名鉄小牧線です
小牧線は南端の上飯田駅に接続する名古屋市電が廃止されてからの三十年ほど名古屋市内に乗り入れられない盲腸線でした
「三十年の願い」とはその上飯田駅から名古屋市内をつなぐ名古屋市営地下鉄上飯田線のこと
願い叶えど結局は半ばローカル線です
『経は光彩陸離の下訪うた』
『臨時列車発車します 単線行き過ごした3番線』
臨時列車は犬山ライン花火大会(光彩陸離)の臨時増発新鵜沼行きのこと
経は小牧線が南北方向、地図上では縦に伸びているから
ラスサビの緯(東西方向の広見線)と対にしたかっただけです
 
『緯は割に合わぬと迫る淘汰』
広見線の末端廃止論です
東美線とも呼ばれる終点から4駅の区間は利用客減少により廃止が危ぶまれています
『最終列車は零時前 廃線ドン突いては6番線』
廃線は既に廃止された八百津線か先述の東美線か


あとはなんとなく適当な感じです。
全体的に語感重視なので強引な省略やこじつけはありますが一応全編にわたってこの駅の話だよってことだけ。
 
また何か思い出したら追記します。
乱文乱筆にて失礼致しました。ではこれにて。


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