「レジリエンス」の役目は「ネガティブ感情」の「底打ち」!?
専門家が教えてくれない「レジリエンス」⑤
こんにちは。みなさんのレジリエンスを泡立てて心に薫らせる「レジリエンスの焙煎士」ほりしんです。
もっとわかりやすく「レジリエンス」を伝えられないかということで『専門家が教えてくれない「レジリエンス」』というシリーズを始めました。
「レジリエンス」という言葉はよく聞くけど、いまひとつよくわからないという方が多いのではないかと思います。また本を読んだんだけど「レジリエンスの定義」が難しくてギブアップしたという方もいるのではないでしょうか。
実は「専門家が教えてくれないシリーズ」と銘打ってはいますが、正確には専門家のいろいろなアプローチの中から、わかりやすいものだけをピックアップして、とにかく簡単に「レジリエンス」を自分のもの(力)にしようということです。
そのためにこの「専門家が教えてくれないシリーズ」では私の勝手な解釈で、「レジリエンス」は「能力」ではなく、誰もが備えている「資質」であり「精神力」であるという前提に立つことにしました。それが一番わかりやすいし、その前提に立てば、「レジリエンス」は鍛えなくても「意識すれば発揮できる」という考え方です。
また「レジリエンス」の最優先のミッションは「回復」より「適応」であるという考え方でもあります。すぐに「立ち直る」ことよりまず「立ち止まる」ことを意識しようということです。
つまりいま自分の心に渦巻いている「ネガティブ感情」と「ネガティブ思考」を「底打ち」させるのが「レジリエンス」のファーストミッションだということです。
とにかくどんどんネガティブな方へ沈んでいく自分のメンタルに歯止めをかけるのが「レジリエンス」の最優先の役目であって、「回復」というのはその先の話だし、また「回復」のステージには「自然治癒力」という頼りになる力も存在しているので、まずは「底打ち」を目指そうということです。
この「底打ち」という考え方は「レジリエンス・トレーニング」の本にも出てきます。
久世浩司さんの「レジリエンスの鍛え方」では、「レジリエンスの3つのステージ」の1番目にこの「底打ち」があります。
つまり何度も繰り返す「ネガティブ感情」と「ネガティブ思考」にストップをかけることが「レジリエンスを鍛える」第一歩ということです。
そしてその方法として「気晴らし」と「思い込みの解消」を推奨しています。つまりこの方法は「ストレスコーピング」の考え方であって、すでに「回復」に向かって「トレーニング」を開始していることになります。
私が考える「底打ち」は、こうした「気晴らし」や「思い込みの解消」などといった「精神的努力」をしないで、いまのありのままの自分、ネガティブの真っただ中にいる自分を受け入れるということです。
「レジリエンス」の「適応力」という概念はこのことを指しているのではないでしょうか。
「自分はもう立ち直れないかもしれない」
「どうしてこうなってしまったんだろう•••」
「こんなに辛いことが世の中にあるだろうか」・・・
というネガティブな感情と思考から無理やり抜け出そうとするのではなく、そうした悲観的思考は決して不自然なことではないし、いまがその「底」にいるのだと納得して受容すること、そして「レジリエンス」の「自然治癒力」を信じることで「底打ち」ができるのだと考えます。
そしてこの文脈でどうしても触れておかなくてはいけないのが「ネガティブケイパビリティ~答えの出ない事態に耐える力」という概念です。
次回の「専門家が教えてくれないレジリエンス」シリーズは、この「ネガティブケイパビリティ」について考えてみたいと思います。
「レジリエンスの焙煎士」ほりしんでした。
YouTube「レジリエンスの焙煎士」もご覧ください。
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