2020年6月20日(土)

この日で大阪に引っ越しをしてから1週間が経った。あっという間だったが、まだ1週間しか暮らしていないのかとも思う。北浜という選択が正解だったのか、今のところ毎日気持ち良く過ごせている。晴れていたのでベランダに洗濯物を干してみた。ベランダが広いので、今度折りたたみの椅子で買って置いてみようかなと思う。隣の部屋から生活音がまったくしないので空き部屋なのかと思っていたが、洗濯物が干してあったので住んではいるようだ。騒音トラブルの心配はなさそうでありがたいことです。こちらもなるべく静かに暮らしていかねば、ということで小さな音でBenny Singsのアルバムを流した。

お昼に名店と噂の喫茶店「蝸牛庵」(サンドイッチが美味しいらしい)を訪ねてみたのだけど、すごい行列ができてた。「カリブの海賊」くらい並んでいた。今月末で閉店ということなので、ファンが別れを惜しんでいるのだろう。さて何を食べようかなと歩いていると雰囲気の良い「土山人」という蕎麦屋さんを発見。うどん文化が根強い大阪で営業している蕎麦屋は逆に美味しいのではないかと入ってみると、期待を裏切らない質の良さ。

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蕎麦も天丼も漬物も山葵も絶品でした。中でも1番驚いたのが蕎麦湯で、天下一品なのかというほどに旨味が凝縮されてトロっと濃厚なのです。食後に少し散歩。『大阪建築 みる・あるく・かたる』(京阪神エルマガジン社)にも載っていた「生駒ビルディング」を見つけた。

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「リヴォリ」という喫茶店で珈琲を飲みながら本を読んで過ごした。茨木のり子『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書)を読み終える。その中で紹介されていた谷川俊太郎の「愛」という詩に身体が震えてしまった。「すべてをむすぶために たちきれているものはひとつもないようと」という詩人としての決意。この詩はパウル・クレーに捧げたものなのだそうだ。何度も何度も心の中で暗唱した。

そして私はいつか
どこから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべくことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ

谷川俊太郎「芝生」

谷川俊太郎と言えば何はなくともこの「芝生」ですが、こんな無形文化遺産と言っていい作品をHALCAIが楽曲としてカバーし、さらには本人が朗読までしてくれたのが未だに信じられない。で、またこの楽曲が収録された2ndアルバムが名盤なのだ。


帰宅して野球中継を観ながら、宅配の荷物を待つ。そして、ついに注文していたデスクとチェアが到着。これでやっとパソコンでの作業に集中できる(ネットはまだ開通していないけども)。本棚も兼ねたデスクなので、『ドラえもん』のてんとう虫コミックスをズラリと並べた。そして、ケストナーとカニグズバーグと小原慎司『藁画報』も。

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持ってきた詩集や歌集も備え付け、安心で安全な机ができあがりました。

この日のヤクルトスワローズは小川がナイスピッチングで高津監督の初勝利。さらに2軍の開幕戦で昨年のドラフト1位である奥川がついに初実践。最速154キロをしっかり制球して投げ込む姿に胸に熱いものがこみ上げてきた。球界の宝を預かった責任は大きいので、なんとかうまく成長させていって欲しい。

またしても「京阪シティモール」に出かけて、ジュンク堂書店と無印良品で買い物。ずっと欲しかったフランソワ・トリュフォー『ある映画の物語』(草思社文庫)と佐藤正午『月の満ち欠け』を購入。北浜という街の文化的な香りに感化されて、読書欲や執筆欲がムクムクと湧いてきている。無印良品ではデスク用のクリップLEDライト、文房具やノートも買い込んだ。帰りに「お弁当物語」というお弁当屋さんで「だし巻き弁当」を買う。大阪はそこかしこでだし巻き卵がフューチャーされていて、ついつい手が伸びてしまう。

起き抜けに聞いて脳味噌がグニャリとした『霜降り明星のオールナイトニッポンZERO』をもう一回聞いた。改めて、地肩の強さに感服。夜、なにやら消防車の音が鳴りやまないので、窓を開けてみると川を挟んだ対岸で大家事。鎮火作業は深夜まで及び、上空が煙に覆われる夜となった。

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