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第二章の黎明/Sexy Zoneライブツアー「Chapter Ⅱ」感想

この公演に立ち会えてよかった。

もっといろいろなことを感じたけど、あの日を思い返して一番最初に出てきたのはこの思い。

昨年末にメンバーの一人であるマリウス葉くんを送り出し、4人体制で始まった第二章。
きっと、これから長く続いていく彼らが進んでいく道のりの中で、振り返った時に大きな節目となっていくであろうタイミング。
彼らが見せてくれたのは、第一章から地続きの彼らの「今」がたくさん詰まった2時間半でした。

これまでと大きく方針やコンセプトを変えて、わかりやすく「第二章の幕開けのコンサート」とすることもできただろう。
でも、楽曲自体の音楽性とコンサート全体を通したストーリー性を大事にして、ひとつのパッケージとしてショーを提供する、といった方向性は前回のアリーナツアーから変わっておらず。
むしろ、選曲や演出にあえて「第一章」を思い出したり振り返ったりするような場面もあるように感じて。
「寂しくても、それでいいと思う」という趣旨のことを5人旅で風磨くんが言っていたけど、彼ら自身がまだまだ寂しくて、完全に切り替えられなくて、受け入れながら模索している途中で、それでも前を向いて進もうとしているんだな、ということを強く感じました。

第一章の名残を一番感じたのは、ライブ後半の選曲でした。
初のドームコンサートでも歌った曲であり、マリウスくんのYes! という合いの手の声が印象的なHigh! High! Peopleから、ラストのSad worldに向かう流れ。
Sad Worldはエモーショナルな映像とともに歌詞がスクリーンに映し出されて、一文ずつ味わいながら聴いていると、自然と涙が流れてきました。

Pains are stacking inside our heart
夜は長いけど
朝日を見るため
走る with you

「Sad World」Sexy Zone

悲しくて、寂しくて、辛くて、恋しくて、心の中に痛みは積もっていくけど、あなたを胸に抱いたまま走り続ける。そんな意志を感じました。
「夜明けを目指して走る」という歌詞は最終公演のダブルアンコールで歌われた「RUN」とも通じていて、この公演で一番届けたかったメッセージはこれだったのかなぁ…と思ってます。

「ここからが僕たちの第二章です! 改めてよろしく!!」って明るくわかりやすく第二章を始めることもできただろうけど、そうしないのが彼ららしいし、誠実だなぁと思う。
ファンの悲しい気持ちも、やりきれない気持ちも、それでも前を向いて応援し続けようとする気持ちも、全部受け止めて、それでいいよ、って言ってくれているようで。

勝利くんはこのコンサートを「守るために攻めた」とブログに書いていて。
もしかしたら、こういった寂しさや悲しさを隠さずに表に出すことが、彼らに取っての「攻め」であり、自分たち自身や大事にしたいあり方を「守る」ことにつながるのかな、とも感じました。

風磨くんの挨拶での言葉も印象的で。
これまでわたしが見た過去のライブでも、順番的に次の曲振りにつなげる流れもあるからか、個人の思いというより「菊池風磨が語るSexy Zoneの総意」みたいに聞こえることが多いと感じていて、わがままなわたしは正直ちょっと物足りないなぁ、君の言葉が聞きたいんだよぅ、と思っていました(だからこそ、5人旅の最後で珍しく見られた菊池氏の思いの発露にめっちゃ泣かされた)。
でも、今回の挨拶では、
「年末のドームで燃え尽きてしまうんじゃないか、という怖さもあった。でも、実際そんなことは全くなくて、こうやって今年は三大ドームツアーができて、もっともっとやっていきたい、四大ドーム、五大ドーム、そして国立競技場までいきたい、そう思っています。もちろん、すぐにというわけにはいかないと思います。ただ、そこを見据えて、一つずつ、夢を叶えていきたいと思います」
…といったことを語っていて(内容はあくまでわたしの記憶ベースなので正確さはあやしいですが)。
これが彼自身の言葉にせよ、グループの総意を彼が語っているにせよ、ここまで明確にこれからの目標を打ち出してくれたこと、それを共有することで「まだまだ売れるぞ、ついてこいよ」という姿勢を示してくれたことが、本当に嬉しくて、心強くて。
これからもずっとずっと彼らを応援しつづけていきたいって心から思ったし、そう思えること自体が本当に幸せなことだなと思わされました。

改めて、彼らの作り出す優しい世界と、第二章を走り出していく決意に触れられて、あぁ、この公演に、第二章の黎明期に立ち合うことができて、本当によかった、と冒頭の思いにつながるのでした。

ありがとう、Sexy Zone。

*****

そのほか、コンサートを通して印象に残ったことを細々と。

・ザ・ハイライトと比べると、全体を通したテーマ性はちょっと薄かったかように感じました(それが良いとか悪いとかではなく)。
ザ・ハイは「夏」「アイドル」「80's」といった軸が明確だったけど、今回はあまり印象的なキーワードが見つからず。むしろ、第二章を始める自分たちを見せる、ということがテーマだったのかも。わたしが彼らの意図を受け取り損ねている可能性も大いにありますが……

・セットがオシャレで可愛い! 細かいところまでクスッとなるような遊び心も見られて、開演前に見ているだけでも楽しかったです。開演前の注意事項? のタイミングでモニターから飛び出してくるセクベアちゃんも可愛かった!

・Take a new stepのプロジェクションマッピング?を使った演出、めっちゃカッコよくてびっくりでした。最新の技術を使うとあんなこともできるのか……! 上から見たらきっとまた違う美しさがあるんだろうなぁ。マルチアングルで見たい。円盤が楽しみ。

・セットのことで言うと、Creamで回転するステージで歌って踊るのがMVっぽくもあり、星野源の「恋」をちょっと思い出す感じでもあり。ダンサーさんを交えたCreamのパフォーマンスは新鮮でした。世界観がとってもキュート。

・バブリーなソバージュ美女のコーナー。ケンティーナだけスカート丈が短いのはきっとあえてですよね。素晴らしい。どこまでも脚でした。

・ガンバレルーヤのお2人との映像はきっと何パターンかあったんだろうな。全パターン円盤に入るって期待してていいですか……? あと、ウェイター役で長谷川さんが出演してたって後で知ってびっくり。見逃してしまったのでこちらも円盤で絶対チェックしたいポイント。

・再会の合図は思わずグッときてしまった。巣立った末弟へのはなむけの曲であり、彼ら自身を奮い立たせる曲なんだなぁと。照明も確かオレンジ色が中心で、粋な演出に泣いてしまった。

・わたしが入ったのが大阪公演だったので、ケンティーのリップモンスターCM解禁後のタイミングでした。ROSSOの最後で口紅を手に取ってほっぺたまでグイッと引く演出にはビビった。そのあと早変わりで次の曲に出てきた時には跡形もなくなってて、一体どうなってるんだ……! まるで魔法!

・新曲披露。「本音と建前」「Try This One More Time」どちらも最高に素敵でした。ステージ上のスクリーンに映る映像もとっても素敵で、でも彼らは踊るし動くし花道を歩いていっちゃうし、目が足りん……!って悶えるしかなくて、結果記憶がどこかに行ってしまったのが辛い。

・最後の挨拶で、聡ちゃんはいつでも「自分を大切に、自分の周りの人を大切に」って伝えてくれる。本当にありがたいし、そうしなきゃな、そうしたいな、って思わされる。

・セクシーたちからは何度か声出しや声援を促す発言が。確かに、会場内の雰囲気は全体的にちょっとおとなしかったかな、という気もしました。ただ、初めてで勝手がわからず……という感じじゃなくて、彼らが引っ込んだり出てきたりするタイミングを先取りして立ち座りをしていたので、そういうスタンスの参加の仕方なのかな、と。アンコールのSexy Zoneコールも周りは全然声出してなかったり、エンドロールの途中で退席する人が結構いたり、なんだかちょっと寂しかったなぁ。
楽しみ方は人それぞれとはいえ、一人ひとりの言動が影響しあって会場全体の空気が作られるってことを踏まえると、もっと声出したり反応したり、自分たちでも盛り上げていくぞ! っていう人が増えたらいいなぁと個人的には願ってます。

・これだけの楽曲のクオリティがあるからこそ、生バンドの演奏で聴きたいという思いがますます大きくなりました。やっぱり予算の問題なのか。だとしたらこれからもっとバチクソ売れてほしいなぁ……!
あと、生バンドと合わせるには彼ら自身の歌の安定感がもうちょっと必要な気もしてます。加えて、ダンス曲とかはどうしたってリップシンクになっちゃうだろうし、このままの構成で今後もやっていくなら全曲生オケというよりは「生演奏でパフォーマンスするコーナー」みたいなのを考えるのが現実的なのかも。数曲でもいいから、ぜひ近い未来に実現してほしいなぁ。

*****

知れば知るほど、見れば見るほど、どんどんすきになる。
だからこそ、彼らのこれからがますます楽しみでならない。
彼らが紡いでいく第二章が、より多くの人に届いていく道のりとなることを心から願いつつ、引き続き応援していきたいです。

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