終わりの話

片足のない鳥

音のない雨

飛んでいく

色彩鮮やかな夢をみて
グレースケールの部屋で起きる
熱が心地いいなら 夏へ
冷たさを思い出したいなら 冬へ
心も変わって

どっちつかずの天気は
今日も不安にさせます
きのうはなにを着たんだっけ?
きょうはなにを着ていこうか?

自分のない人たち
自分を持たない人たち
そんな喧噪をくぐって
あなたの目に映る
この文字は何色ですか?

あなたの目に映るこの文字は 光っていますか? すっかり底をつきた
中身をひっくり返しても もう出てこない カラカラになった 空虚な空
空っぽで何もない空

涙になった それは涙になった
空の色をしてた すぐ消えた

すっかりだめになった
すっかりだめになってしまった
灰になった 灰のようになった
ただ風に流されるだけ

風は吹く どこへも吹く どこかで消える また吹きつける

ちりになった灰は 誰かの目に入り その目を洗うように 涙を流す
また涙は乾いて どこかへと消えてしまった

これは人の終わりの話 誰にも描けなかった 終わりの話

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