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USB4時代のスマートフォン・パソコン環境

USB4の技術仕様バージョン1.0が2019年9月3日に公開されました。

最大転送速度40GbpsでUSB 3.0の8倍速い「USB4」の技術仕様をUSB-IFが正式に公開 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20190904-usb-if-usb4-specification/

詳細は記事にも書いてあります。Thunderbolt 3技術が導入されたのが目新しいですね。
あと、次の記事からDisplayPort出力対応も必須条件になるようです。

次世代USB「USB4」ではDisplayPort出力対応が“必須要件” ~DisplayPort 2.0はThunderbolt 3並の速度へ - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1218907.html

USB3.2 Gen2×2/USB4.0の高速通信をする場合はUSB Type-Cケーブルが必須です。普通なら「じゃあ、ポートもType-Cに修練するのではないか」と思う人モデルかも知れませんが、おそらくそうはいかないでしょう。理由は後述します。

USBのデータ転送速度の高速化の裏で…

USB4になると、データ通信速度も複雑になります。
・USB1.1 Low Speed 1.5Mbps
・USB1.1 Full Speed 12Mbps
・USB2.0 High Speed 480Mbps
・USB3.2 Gen1(USB3.0) Supeer Speed 5Gbps
・USB3.2 Gen2(USB3.1 Gen2) Supeer Speed+ 10Gbps
・USB3.2 Gen2×2 Supeer Speed++ 20Gbps
・USB4 40Gbps
転送速度だけ見ると、USBの規格が進むにつれて順調に高速化しているのがわかります。
その裏で、犠牲になったものがあります。「ケーブル長」です。
・USB2.0 5m(USB Type-Cでは4m)
・USB3.2 Gen1(USB3.0) 3m(USB Type-Cでは2m)
・USB3.2 Gen2(USB3.1 Gen2)とUSB3.2 Gen2×2 1m
・USB4 0.5m(高価なアクティブケーブルで2m)
0.5mはとても厳しい長さです。はたして、このケーブル長で使う人がいるのでしょうか。
あと、USB Type-Cでケーブル長が短くなっているのも気になります。

USB Power Delivery(USB PD)の規格化とUSB Type-Cの普及

USBが規格化された当初、USB経由の給電は想定されていませんでした。
それが、USB給電グッズ等が普及していき、いつの間にかスマートフォンの給電のスタンダードになりました。
歴史は割愛しますが、USBの給電規格としてUSB Power Delivery(USB PD)が制定されました。現在のUSB PD 3.0では、最大100Wの給電が可能です。この仕組みを使って高速給電するのが現在のスタンダードとなってきています。

USB Type-Cの欠点?

裏表気にせず使えるし、Tunderbolt 3が使えるし、DisplayPortが使えるし、USB給電に使われているし、いいことだらけのUSB Type-Cですが、USBという規格らしからぬ特徴を持っています。それは、「ハブを使ったスター型の拡張ができず、機器から機器へのデイジーチェーンでの拡張に限る」ということでしょう。これは、憶測ではありますが、製品ラインナップを確認の上、おそらく間違いないと思います。
つまり、本体のUSB Type-Cポートから、ハブをかませて、複数の外部HDDを繋げたり、LAN・Bluetooth子機を刺したり、ゲームコントローラーを繋げたり、マウスを繋げたり、キーボードを繋げたり、プリンターを繋げたり……としていくことが事実上できないということになります。
だから、USB4にはType-Aポートが残ることになります。Type-Aポートなら、USBハブを使ってスター型に拡張ができます。

まとめ

USB4時代のUSB Type-Cの主な用途は「USB給電」「ドッキングポートやディスプレイとの接続」になると思います。
パソコンの周辺機器は、おそらく従来通りUSB Type-A接続が主流でしょう。
USB3.2 Gen xのType-Aポートは、USBハブを使った時の安定性の問題があると私は思っているので、自作等のデスクトップパソコンではUSB2.0ポートが併存して生き残るように思っています。USB3.2 Gen xが安定すれば、それが一番ですが。
一方、USB Type-CのUSB給電は、一気に普及するような気がします。すでにスマートフォンでは普及していますね。急速給電もUSB PDで解決していますし。個人的には、新幹線等のコンセントをUSB Type-Cに統一した方が、海外とのコンセントの違い問題の解消にもつながっていいと思うのですが。

参考

ユニバーサル・シリアル・バス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B9
USB Type-C - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/USB_Type-C

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