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【参加レポート】ONE JAPAN CONFERENCE 2019

 onejapanのイベントに参加してきました。この手のイベントはしばらく控えていたのですが、自分が所属するPanasonicビジネスイノベーション本部関連の登壇者が多かったので、久しぶりに参加してきました。
 メモの羅列ですがせっかくなので残しておこうと思いますー。

参加セッション

 たくさんセッションがありましたが、私が参加したセッションは下記の4セッションです。それぞれ自分的に学びだと思ったポイントをメモとして残しておきます。

 セッション①両利きの経営-日本企業復活の処方箋-
 セッション②アクセラレーターの現場から/共創のリアル
 セッション④挑戦するカルチャーをつくるために個人と企業ができること
 セッション⑤大企業30代経営者の挑戦

セッション①両利きの経営-日本企業復活の処方箋-

登壇者
 経営共創基盤 CEO 冨山和彦 氏
 パナソニック執行役員コーポレートイノベーション担当 馬場 渉 氏
 大阪大学経済学研究科准教授 安田洋祐氏
 早稲田大学ビジネススクール 入山章栄氏(モデレーター)

学びのメモ
 我々のボスである馬場さん、Panasonic社外取締役の冨山さんがいるセッション。コーポレートガバナンスに関する考え方、20~30代のキャリアの過ごし方について改めて考えさせられるセッションでした。

・両利きの経営はイノベーションのジレンマを克服するための教科書
・まずは大企業の経営者、若手、ともに教科書を学ぶ必要がある。
・教科書に書いてない「企業カルチャー」や「大企業病のフェーズ」は、その企業によって様々なので、個別に対処する必要がある。
・両利きの経営では「知の探索」と「知の深化」の両方を実践することが必要
・日本的な企業の予実管理型だと「知の深化」に偏りがち(competency trap)
・一方で「知の探究」だけでもダメ。渋谷のスタートアップのような種まきが得意な「子供」的な人種と、それをグロースさせることができる「大人」的な人種が必要。
・シリアルアントレプレナーは「子供」でいつづけたいがために、事業を売却し、グロースは大企業に任せる。
・アメリカでもグロースは40代が実行することが多い。Googleもエリックシュミットを入れた。
・ガバナンス改革は「イノベーションのための」という文脈で語られなければいけない。コーポレートイノベーションは1つの成功事例を出すだけでなく、組織の仕組みを変えなければ意味がない。
・その意味で、コーポレートイノベーションの本質を理解していない経営者がいる大企業で20~30代を過ごすのは無駄な時間。
・パナソニックの樋口氏のように、社外で経営者としての経験を積み、意思決定ができるポジションに就ける頃に戻ってくるのも一つの手段。

セッション②アクセラレーターの現場から/共創のリアル**

登壇者
 パナソニックビジネスイノベーション本部 濱本氏
 東急 フューチャー・デザイン・ラボ 福井 氏
 NTT東日本 ビジネス開発本部 山本氏
 Elicon company 代表 中村氏

学びのメモ
 仕事でも最近関りのある濱本さんが登壇したセッション。それぞれのアクセラレーターの方々が、社外の有識者などを巻き込みながら、社内で自信の企画を実行してきた経験を聞くことができた。

・登壇者の共通点として、社内で企画を通すために社外の有識者を活用している点がある
・社外有識者に経営陣に対してプレゼンしてもらい、徐々にカルチャーを醸成していった。
・また取り組みをメディアに取り上げてもらうなど実績を作っていき、社内の理解者を増やしていくことが重要
・eliconの中村さんはパーソル時代に、予算を獲得するために90人の経営陣にメールを打ったり、社長室の前で出待ちをしたりしてなんとか予算を獲得した。
・社内の誰を説得すれば会社が動くか等、緻密に考えて手を打っていくような地道な活動が必要。
・アクセラレーターと聞くと華やかに聞こえるが、地味な活動を地道にやっていかないと成功できない。

セッション④挑戦するカルチャーをつくるために個人と企業ができること**

登壇者
 リンクアンドモチベーション 取締役 川内正直氏
 メルカリ 執行役員 Head of COO office 唐澤俊輔氏
 Unipos 代表取締役社長 斎藤知明氏
 プロノバ岡島悦子氏

学びのメモ
 組織風土に特徴のある3社の方々の具体的な事例を聞くことができた。まずは社内の中での「挑戦する風土」という言葉の定義、障壁となっているバイアスの認知が必要。

・経営をすることは言葉の定義を揃えていくこと
・自社の中で「挑戦する文化」とは何かを考える必要がある。
・挑戦するカルチャーといってもtryなのかchallengeなのか。全部ムーンショットみたいなのだと大変
・挑戦を許容する+失敗を受け入れる。どちらも大事
・一方で、心理的安全性という言葉をよく聞くようになったが、安全で安心に働けるという意味ではない。健全な議論ができる環境のこと。心理的安全性は仲良しクラブ的な考えではない
・出る杭を引っこ抜く文化が必要。ナイストライ!とフィードバックをし、挑戦を受け入れてくれている感覚を醸成する
・風土を醸成するには挑戦を「知る」「認める」「信頼する」のステップがある
・普段しているちょっとした挑戦、工夫を「知られる」ようにしていくことが重要
・知ってもらい、それいいですねと言ってもらえるだけで全然違う
・何かを変えたいと思っていない経営者はいない。批判者ばかりだと変化のスピードは遅くなる。組織風土を変えたいのであれば、変革しようとしているリーダーの最強のフォロワーになることも重要。
メルカリの事例
-バリューで定義している物を軸に採用、育成、評価制度を統一している。
-日々の生活の中で「それGo Boldじゃないよね?」という会話が出る
-3ヶ月ごとにベストな組織、配置を見直している
-日本企業は壁に貼ってあったり、たまに理念研修があるだけ
-口癖になるような行動レベルまでの浸透にいけると強い
※上記のようなHowをそのまま自社に当てはめればいいわけではない。自社に合った打ち手は何か考えることが重要。
・リンクアンドモチベーションの事例、モチベーションクラウドの紹介
-事業活動にものさしはあるが、組織活動にはものさしがない。
-エンゲージメントスコアを組織活動のものさしにしている
-人間が陥る4つのバイアス。これが風土改革の阻害効果になる
 ①現状維持 
 ②近視眼 
 ③同調性 
 ④参照点
-これらのバイアスをまず認知することが第一歩。気づかないと変えようがない
-モチベーションの公式
  モチベーションの高さ=報酬の魅力「やりたい」×危機感「やらなきゃ」×達成可能性「やれそう」

セッション⑤大企業30代経営者の挑戦**

登壇者
 TOUCH TO GO 代表取締役 阿久津 智紀氏
 デロイトトーマツベンチャーサポート 斎藤 佑馬氏
 三越伊勢丹研究所 代表取締役社長 額田 氏

学びのメモ
 保守的な大企業の中で、30代、40代でグループ会社の社長に就任している方々のセッション。登壇者それぞれキャラが違っていたが、ステークホルダーのことを緻密に考え、それを愚直に実行している点には共通点があるように感じた。

・岡島氏が相談にのっている大企業では、2025年~30年頃に40代社長を作るための種まきが行われている状況
・要因としては経営トップの就任期間の長期化(10~15年)がある。長期的な経営陣のコミットが無ければ変革を成し遂げることが難しくなってきた。
・持続的な成長は研修等で教えられるが、非連続な成長は経験でしか養えない。そのために30代、40代で意思決定をする場を経験させる必要がある。
・30代の社長が誕生することで、社内のハレーションは必ず起こる。ビジョン(ストーリー)、ロジック(数字)、政治を駆使していくことが必要。
・ベンチャーは自分の好きな人を採用できるが、大企業はそうではない。関わる人を幸せになるようにしなければ理解を得られない。関わってくれた人を意地でも出世させる、勝たせることが必要。関わることがメリットがあることだと思ってもらえるようにしていかなければならない。
・情報を誰にどの順番で入れるか、等は緻密に、徹底的に考えている
・リバースメンタリングという年下のメンターを持つことも必要。世代の違う人からのフィードバックを得られるようにしておく。

まとめ

 全体を通じて感じたのは、変革を実行している人達は、意識的・無意識的の違いはあるものの、ステークホルダーのことを緻密に考え、丁寧にコミュニケーションを取っている。自分は無意識にできるタイプでは無いので、改めて影響力の武器等も読み返し、泥臭く、人を動かしていけるように努力していきたい。


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