見出し画像

凡人の競争戦略

 暇なので。SFC Final Presentationとやらでお話ししたことをまとめておこうかと。ほぼ原稿そのままですがね。


こんにちは。木村 輝です。
初めましての人は、初めまして。お久しぶりの人は、お久しぶりです。

Take home message

 今回皆さんにお伝えしたいことは二つ。「価値」を意識し続けること。そして、自分の「夢」を見出すこと。これはすなわち、「ヒト」を知ることと「自分自身」を熟知することの言い換えでもあります。

画像1

自己紹介

 さて、まずは全く偉そうなことを言える立場じゃないのに、ごめんなさい。
 僕は大学生活で一切の受賞もしていなければ、発表もしていないし、起業もインターンもしていません。華々しい実績なんてものは皆無です。この社会の中で僕自身に、「価値」というものが備わっているなんて事は基本的にありません。
 そして、ワクワクと大学生活を夢見て、先輩方のように自分も大活躍しようとしている皆さん。そのうちの多くの方々は、きっと僕のように、大した実績も残さず、恐ろしい同期たちの活躍を眺めることになるでしょう。皆さんにも価値なんてものは無いでしょう。

画像2

 こいつは何を言っているのかと、そんな事はあり得ないと。自分は圧倒的な才と努力で学生生活に爪痕を残すのだと確信しておられる皆さんは、どうぞ僕の話は聞き流してください。
 しかし、自身の未来に圧倒的な確信を持たれていない方々。そんな自覚がある、凡人の皆様へ。そんな凡人による競争戦略をご紹介致しましょう。

 ところで、僕が大学で勉強してきた軸は2つ。医療システムと競争戦略です。
軽く両方紹介していきましょう。

医療システム


 まず医療についてですが、これが非常に面白い分野です。医療提供体制について考えると、軽くあげるだけでも健康の定義、社会保障制度、診断の仕組み、医療情報、医療資源などなど、色々と考えるべきテーマが挙げられます。そしてこれらの分野全てにおいて、それぞれ詳しい人がS F Cにはいます。楽しいですね。医療システムとは、人間について熟知した上で、これらの様々な要素と絡み合いながら、命の最前線でデザインをしていく分野です。

画像10


 さて、そんな医療提供のについてですが、そのあり方には流行り廃りが存在します。かつては経験に基づき行われていた医療ですが、20世紀に入り科学的根拠が重要視され始め、今日では価値に基づき医療をデザインするあり方が注目されています。これが最新の流行りと言えるでしょう。そして結局のところ、医療は、ヒポクラテスの誓い、パターナリズムから始まった、「ヒトとどう向き合うか」の態度の変化とも言えます。

画像4

競争戦略

 もう一つの学びの軸が、競争戦略です。戦争戦略でも、生存戦略でもなく、「きょうそうせんりゃく」です。さて競争とは、自身の競争力を最大化すること。また他者に真似されない独自性を確立すること。これにより、only1のポジションを取りに行くことを言います。
 競争力とは何か。それは、Value、つまり買い手の認知する価格、価値を最大化し、そのために必要なコストを最小化することに終始します。

画像5

 Only1はどのように作り出していくか。それは「やらないこと」「相手にしない者」「模倣困難な活動」を明確にする事です。ヒトがしていることを盲目的に追従せず、自身の労力を注ぎ込む対象を見極め、そしてやらないことを選ぶこと。誰をも満足させることをしようとせず、誰が自分にとって大事な相手で、価値を発揮すべき対象なのかを選ぶこと。そして端的に他者に真似できない形での活動。これを常に意識して、自身の資源の使い道を選択していくことです。

画像6


人間交際、価値と夢

 さて、ここで最初の話題に戻りますが、皆さんに価値はあるとは言えません。なぜなら価値は単体で存在するものではないからです。価値は発揮され、受け手に評価されて初めて存在するものです。
 貴方の発揮する価値には常に相手が存在します。そこには「ヒト」がいることこそが大事なのです。ヒトとヒトが価値を交換し合う。これが社会であり、その一側面が資本主義とも言えるでしょう。

画像7

 では、自分がどのような価値を発揮していきたいか。言い換えれば、この社会の中でどう在りたいか。そして何を成したいか。この理想のあり方こそが、「夢」であると僕は考えます。

画像11

 夢をどう探していけばいいか。まずは多くの人と、沢山のことを話してください。他者との対話の中でこそ、自分にとっての当たり前の、自然な考え。しかし他者にとっては異質、あるいは不自然なものに気づくことが出来ます。きっとそれこそが貴方の価値観であり、独自性でもあり、夢を思い描くヒントになるでしょう。

画像8

謙虚さを忘れない

 そして個人的に強く思うことは、その夢を思い描く時に、謙虚であることを忘れないということです。僕の話を聞いてくださっている皆さんはきっと、世間ではトップレベルと言われる大学に受かり、あるいは学んできた方々でしょう。そしてそれまでに得た学びはほぼ全て、両親や教師、先輩方など、自分より賢く、経験豊富な人々に支えられて得たものです。その存在に感謝し、あるいは自らもその一員として人々を助けたいという気持ち。その謙虚さを忘れずに自身の夢を、理想のあり方を描けるとしたら、きっとそれは自分の人生を豊かにすると。そう信じています。

 さて、夢という、人生の目的を見つけるために費やした時間は、きっと皆さんがS F Cで過ごした中で一番大事だったと思えるでしょう。「夢」こそが、人生という厳しい大海において己を見失うことのない光となってくれるからです。

 そして、夢という理想と、今という現実。この理想と現実をつなぐ者の役割をリーダーと言います。是非みなさんも、「価値」を意識すること、そして「夢」を見つけることをを忘れず。ヒトを知り、自身を熟知し、自分の人生のリーダーシップを握り、生き抜いて、そして死んでいきましょう。


 以上が僕が皆さんにご紹介する、凡人の競争戦略になります。

画像9


補足

 人の「価値」について色々とご意見があったので補足を。あらゆる人は存在してるだけで価値があるんだ!という方からちらほらご意見を頂きました。一体どの立場で人の価値を認めているのでしょう?僕には烏滸がましくて出来ません。人の価値なんてありません。測ることなど出来ず、認める認めないなどの判断を下す立場になく、議論することすら傲慢に思えます。人が人の価値を語ることなんてありえない。語るべき「価値」なんて人には存在しない。ということです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?