見出し画像

ぬまたごシンスの怪文書 全文+おまけ

僕の名前は陸史。地方で生まれ、受験勉強を頑張ったのにも関わらず一般入試で挫折してうつ病になってしまい、自殺未遂をして高校を中退した19歳だ。

そんな僕だが、勉強を諦めずに進研模試では偏差値75をとっている。志望している大学に進むため、高校を辞めた後も日々独学で試験の対策をしてきた。

 そして今日、やっと志望している大学の試験日を迎えた。この日の為に4年間勉強を頑張ってきたんだ!そう呟いて、気を奮い立たせる。

僕が言うのもなんだが、学力的には受かると思っているから、アクシデントが起きないことを願うばかりだ。

試験会場の席につき、大好きなコーラを飲んで一旦気を落ち着かせた後、試験監督からの説明を聞く。長々と説明をしたあと、「そうそう、途中で退席したらもう試験は受けさせられませんからね。」と言い残して監督は退場していった。

そろそろ試験が始まる時間だ。最後に僕は試験を完璧な状態で受けるための準備をしようと思った。しかし、ここで僕は重大なミスを犯していることに気付いてしまった。

「薬が……ない!?」

緊張してしまうと体を壊して下痢が止まらなくなるから、僕はいつも薬を用意していたのに、なぜか今日に限って薬がなかったのである。焦ってぐちゃぐちゃのカバンを漁る。見つからない。試験直前にも関わらずガサゴソと大きな音を立ててしまい、周りからの視線が痛いほどに感じられたので中断してしまったが、薬がない状態で試験を受けること、試験をずっと薬なしで受けられるのかと不安が募り、パニック障害を起こしてしまいそうになった。

(どうしようどうしようどうしよう……!)そう焦っていると、試験監督から指示が出された。

「はい、紙配ります~。」こうして僕は薬なしで受験することを余儀なくされた。

しばらくして、試験開始のチャイムの音が鳴った。問題に目を通すと、僕にとっての難問という難問はなかったように思えるが、パニック障害やストレスによって具合が悪くなってしまい、お腹が痛くなってきてしまった。それでもなんとか問題を解こうとしたが、全く集中できず、遂には便意まで催してしまった。

もうお尻のところまで大便が迫ってきているかのように思えた。当然、更に僕は焦って試験どころではなかった。(早くトイレに行きたい!!でも今動いたら絶対に漏らしちゃうな…!)

結局、試験終了まで我慢するしかなかった。しかし、まだ試験開始時間から少しも経っておらず、終了まで間に合うわけがないとさえ思ってしまった。それから約1時間半後、ようやく試験終了を知らせるチャイムの音が鳴ると同時に僕の体は限界を迎え、その場で盛大に大便をぶちまけてしまっていた。

ブリュリュリュリュリュ!!ブビッ!!ブビビビビビ!!ブビュルルルッ!!!ブボォーーーーーー!!!ブリリリッ!ブッシャァアアーーーーーー…….

ただひたすらに腹痛に耐えながら大便を出し続けるしか無かった。幸いにも試験監督の先生はまだ教室にいたようで、すぐに駆けつけてくれたおかげで大事には至らなかったのだが、恥ずかしさのあまり顔を上げることができなかった。死んでしまいたい。

(ここから手直し無し)

その後、僕は試験中に体調が悪化したことを伝え、その日はそのまま帰宅した。
後日、合格発表が行われた。結果は不合格だった。悔しかったけど仕方ないと割り切った。浪人生活の始まりだ。
数日後、また模試があった。今度は今までで一番難しい問題が出たような気がしたが、

解けなかった。やはり僕は頭が良くないらしい。
さらに数日経ったある日、父親から呼び出された。なんだろうと思い、父親の部屋に行くといきなり殴られた。
バキッ!!!ドカッ!!!ドスッ…….ゲシッ!!!グチャアッ!ベキィ!

父親は暴力を振るいながら怒鳴ってきた。
「お前は俺の息子なのにどうしてこんな簡単なこともできないんだ!!」
理不尽だ。なぜ自分が怒られなければならない?自分はただ必死になって勉強してきただけじゃないか。
そう思った瞬間、父親に対して殺意を覚えた。だが、

相手は自分より年上で社会的地位もある人間だ。逆らうことは許されない。それに、自分のことを殴ってくる相手に反撃なんてしたらもっと酷いことになるかもしれない。そう思うと、何もできなかった。
その後も何度も暴行を受け続けた。
「父さんは勉強しろ勉強しろってうるさいよ!!!」

「勉強しないと大学行けないぞ!」
「わかってるよそんなこと!!!」
陸史:男。19歳。発達障害持ち。うつ病で自殺未遂をしたことがある。プライドが高い。人を見下す癖がある。
今日も父親が勉強を強要してくる。

「おい陸史、勉強してるか?」
「してない」
「じゃあ何やってんだよ」
「ゲームだよ」
「ちゃんとやれ。」
そう言って父は、机の上に広げていた参考書などを床に叩きつけたり、踏み潰したりし始めた。

(こいつ……!)
僕は怒りに任せて殴りかかったが、逆に腕を掴まれ、そのまま投げ飛ばされてしまった。背中を強く打ちつけてしまい息が詰まる。苦しい……。僕は呼吸を整えようとしながら起き上がろうとしたが、父の足に蹴られて再び倒れ込んでしまった。そして、

そして、父が馬乗りになり、首を絞めてきた。(死ぬ……!)
僕は慌てて抵抗しようとしたが、力の差がありすぎて振り払うことができない。「死ねっ!このクズ野郎がぁああ!!!」
(嫌だ死にたくない!!誰か助けてくれぇええ!!)僕は心の中で叫んだ。

すると、急に目の前が真っ暗になった。
どうやら意識を失っているようだ。目が覚めるとそこは病院の一室であった。
医者から説明を受けたところ、どうやら僕は過度なストレスによって失神してしまっていたらしく、しかもそれが首吊りによるものだったそうだ。

両親は泣いて謝っていた。僕が目を覚ましたことに気付くや否や、「ごめんなさい」と言いながら抱きついてきて、僕が泣き出してしまった。
その後、僕は退院した。
家に帰ってからもしばらくは精神的ショックから立ち直れず、引き篭もりになってしまった。

しばらく経って、少しずつ外に出るようになった。最初は怖くて仕方なかったが、慣れてくるとだんだんと外出できるようになっていった。
それから数ヶ月後、受験シーズンを迎えた。しかし、僕の学力では到底受かるはずもなく不合格に終わった。浪人生活の始まりである。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?