うっかり登ったら下山できなくなったオタクの『山河令』感想文3・4話
第3話『貪欲』
完璧だ
第2話のラストシーンに比べると、4人の物理的な距離が少し縮まっています!一緒にご飯を食べるという行為は仲を深めますもんね(阿絮は食べてないようにも見えますが……)
お酒が無くなってしまったことに不満そうな顔をする阿絮を見て、老温がすかさず自分のお酒を取り出します。
お酒を見ると気になる阿絮。1話でもそうでしたが、お金や食事の施しは拒否するのにお酒は積極的に飲もうとするので本当に好きなんでしょうね……。
素直に渡すと渡すのかと思いきや、老温はすぐにお酒を引っ込めます。
「一晩貴殿に尽くしたが、温殿としか呼ばぬな」
恩着せがましく笑うのがいやらしいですね~~~。
阿絮からしてみれば頼んでもないのに勝手に助太刀してきた謎の男。親しく呼びかける筋合いは全くないですし、いきなり頬を触られるのも意味が分からなくて警戒せざるを得ないと思うのですが……。
この老温のちょっと非常識な距離の詰め方は、友人と呼べるような人との付き合いが全くなかっただろう彼のつらい幼少期を想像させて、ちょっと悲しくもあります。
鬼谷では見返りを求めず老温に優しくしてくれるような者は誰もおらず、ギブアンドテイクの関係しかなかったんでしょう。
冷酒は体に良くないと言う老温。これ以降も老温は可能な限りいつも阿絮のお酒を温めてあげてるので、優しいな〜と思います。自分は医者の家の息子だという自認もあるのかも。
ところで、阿絮が鬼谷が鏡湖派を襲った理由を語っているときに老温が画面外で阿絮が使った柄杓(?)でお酒を飲んでるのですが、これって関節キスじゃないですか!?!?!?えっどういうことですか!?!?!?
(話が逸れました)
阿絮は武庫を狙う貪欲な江湖の人間たちのふるまいをくだらないと一蹴します。この阿絮の考えを聞いて、老温は嬉しかったでしょうね。
阿絮が一時的な利益に目がくらんで瑠璃甲を狙うような人ではなかったからこそ、もっと仲良くなりたい、本当の彼の顔を見たいと思ったに違いありません。
鏡湖派滅亡
初見の時には気が付いてなかったのですが、沈慎と一緒にいるの、例の位牌と結婚式をすることになる浮気男ですね!全然目に入ってなかったな……。
沈慎は義兄弟とその家族たちが無残に殺されたことを悲しみ、守ってやれなかったことを涙を流して悔やんでいます。
彼は表裏がなく、素直な人ではあるんですよね……ただちょっと鈍感で空気が読めないところがあるだけで……。
沈慎がもっと人の悪意に敏感であればここまで義兄弟の仲がこじれることもなかった気もしますが、そんな素直な彼だったからこそ長い間趙敬の謀略の対象にならずにすんだのかなとも思います。
夜明け
目を閉じている阿絮をガン見する老温。
どんな素顔なのか想像していたと言いますが、いくらなんでも見すぎです。逆効果だよ……ますます警戒されちゃってるよ……。
目を覚ました成嶺は、眠っている自分に阿絮が衣をかけてくれていたことに気が付きます。口では厳しいことばかり言うけど、やっぱり優しいんですよね阿絮は。
船で一緒に行こう、と誘うも袖にされる老温。袖にされればされるほど、絶対に正体を見極めてやる!!と燃えて阿湘にも呆れられています。
この頃の老温はただ仲良くなりたい一心で行動しているのでひたすら付きまとって距離を詰めようとしていますが、いざ友人同士になって阿絮が「お前を信じる」と言ってくれるようになったら、(谷主だと気付かれたら嫌われるかも……)と途端に消極的になってしまうのがかわいいところですよね。
老温は阿湘に「お前は世間知らずだな」と言いますが、老温も長く鬼谷で過ごしていましたし、世間知らず度はあまり変わらない気がします。
再会
辛そうな成嶺を見て「(自分が)疲れたから木陰で少し休もう」と言い出す阿絮。やっぱり優しいですね……!
この頃の成嶺はまだ弟子ではなく、あくまで『李殿に預けられた子ども』なので扱いがすごく丁寧です。
それにしても森の中で優雅にお茶セット広げてる老温と阿湘の二人、どう見ても不審者にしか見えない。
これで立ち止まってくれると思ってるとしたら、やっぱり二人とも相当な世間知らずですよ!
湖でも二人にエンカウントして、阿絮の老温への警戒度は最高潮に高まっています。印象最悪すぎる。
ここ、老温が新しい衣装を着ていますね!タートルネックっぽい着物と襟付きの淡い浅葱色の着物を重ねているのがお洒落上級者って感じで、この衣装もすごく好きです。老温はいつも簪をつけてるのですが、こちらも衣装に合わせてちょくちょく変えていてかわいいなと思います。お洒落さんだな〜。
でも、この着飾ることへの強いこだわりは、老温自身の純粋な趣味というよりは、鬼谷では誰にも隙を見せることができず、常に自分を飾り付けて強い自分を演出する必要があったからなのかも……。
アナザーエンドの老温は以前の老温とは違い、色味が落ち着いた素朴な風合いの着物を着ていて、髪飾りもつけていません。
以前のようなキラキラした雰囲気はなくなったけど、無理して自分を良く見せなくてもよくなったんだなぁ、と感じてなんだか嬉しくなります。
わざわざ無理して着飾らなくたって、阿絮は老温のいいところも悪いところも、全部知ってくれてますからね!
天涯客桟
街に先回りして客桟を貸し切り「野宿させるのは忍びない、私の部屋を譲ろう」と阿絮達を気遣う素振りを見せる老温。
めちゃめちゃ腹立つ~~~~!!
野宿しないといけない羽目になってんのはお前のせいなんだが???
街に客桟がひとつしかないの分かってやってますよねこれ。
阿絮は自分一人だけなら野宿でもなんでもしたでしょうが、怪我をしてる成嶺がいるので老温の言う通りにするしかありません。ため息ついてる阿絮、気の毒だけど拗ねてる感じなのがかわいい。
譲られた部屋や服を警戒しつつ、成嶺には休むよう言う阿絮。あとでちゃんともらった服に着替えてるのが律儀……老温にもらった服に合わせてか、ボサボサだった髪の毛をちょっと整えてるのもかわいいですね!
着替えて一階に降りると、老温がひとりでお酒を飲んでいるのに出くわします。まだおヒゲフェイスのままですが、衣装と髪型が変わるだけでもかなり印象が変わりますよね!
「私の素顔はさほど見栄えがよくない。ひょっとすると顔中傷だらけで凶悪な面構えかもしれぬぞ」と語る老温、また試し行動してる~~~!
鬼谷の主だって知っても私と友達でいてくれる?っていう老温の不安な気持ちがほんの少し透けて見えますが、まだ友達でも何でもないんだよなぁ……。
しかし「どうでもいい。興味はない」という阿絮の回答がまた絶妙で、老温の阿絮に対する好感度がますます上昇していくのが分かります。
ここの老温が無理やり阿絮と乾杯するシーン、めちゃめちゃかわいいですよね~~~!!!
老温の方は花が咲くくらいの笑顔で、阿絮の方は(なんなんコイツ……)って渋い顔なのが対照的で良い。
老温は阿絮の方をばっちり見つめながら、最も得難い者として「細身で足が長く、毒舌だが心優しい者」を挙げますが、こんなにストレートに『それは貴方のことですよ~私は貴方と仲良くなりたいんです~~~』って伝えてるのにやっぱり阿絮はつれない態度です。
老温が序盤から阿絮のことを優しいと言い続けてるのは、幼い頃の自分に優しく接してしてくれた師兄の印象がずっと残ってるからなんでしょうね。
まだ気を許すまでには至っていませんが、お酒を飲んでいる間はおとなしい阿絮、現金でかわいい。
ちょっとわかりにくいけど、このシーンのお酒もあたためてあるように見えます。老温たらほんとに健気〜!
こういうちょっとした積み重ねが、最終的に阿絮の心を掴むんですよね……!
4人で2回目の食事
成嶺が卓につくまで食事には手をつけない3人、優しいな〜。
手を洗いに行った成嶺を見つつ早く食べたい!と文句を言う阿湘。老温が「江湖にいるのだから常識的にふるまえ」と窘める言葉で、阿絮は二人が江湖の人間ではないと早々に感付いてそうです。
成嶺はお腹の傷の痛みもあってなかなか食が進まなかったのですが、阿湘の歯にものを着せぬぶっきらぼうな励ましの言葉を聞いて、涙を流しながらご飯をかき込み始めます。
阿湘のように言葉にするのも優しさですが、泣いている成嶺を気遣って何も言わないでいる大人ふたりの行動も優しさですよね。
鬼谷(?)の襲撃
七竅三秋釘の痛みで眠れない阿絮は、侵入者の気配を察して成嶺の様子を見に向かいます。
成嶺には侵入者のことは黙って「大丈夫だ。寝ろ」とだけ声をかけてあげます。優しい……。
成嶺を寝かしつけてから一人で敵を倒しに向かいますが、侵入者の二人はすでに老温が始末した後でした(阿絮に鬼谷について余計なこと話されたら困るしね)
持っていた酒を目ざとく見つけた阿絮に、「阿絮と呼んでも?」と聞く老温。
お酒をあげるから渾名でよんでもいい?とわざわざおうかがいを立てるのが、一度も友達を作ったことがない子どものようでやっぱりすこし悲しいなと思ってしまいます。本人には全くそんな自覚はないのでしょうが……。
それより、ここの阿絮のお酒の受け取り方見ました!?
なんなんですかこのけしからん手の動きは!!!
老温の手を一度するりとひと撫でしてから酒を奪い取っていくの、思わせぶりすぎる……。
阿絮と呼んでもいいか、という問いへの返答はなく、挑発するような目でただ「引きはがしてみろ」とだけ行って去っていく阿絮……また試し行動してる~~~!……。
山河令、毎回すごくいいところで終わりますよね……おかげで初見の時は止め時が分からず、ついつい夜更かししてしまいました。
第4話『紅塵の因果』
丐幇襲撃
翌朝、早速「阿絮❤」と呼び始めた老温。
「私は『阿絮』と親しく呼び始めたのにそっちが『温殿』なのはよそよそしくない?私たちは同じ屋根の下で一夜を共にした(あなたが客桟を貸し切ったせいです)仲でしょ?」と強請り、今度は馬を用意して恩を売ろうとします。
ここまでされたら逆に警戒されるって思わないのかな……タダより高いものはないですからね……。
そうこうしていると丐幇が大勢で押しかけて成嶺を連れ去ろうとするので、阿絮は老温に「成嶺を見ていろ」と言って成嶺を預け、丐幇に立ち向かいます。
ここの戦闘シーンの阿絮、本当にかっこいいですよね~~~!!!
七竅三秋釘で力が衰えてるはずなのにこんなに強いなんて、釘を打つ前はどれだけ強かったんでしょうか。
阿絮は自分が戦っている間に老温に成嶺を守ってほしかったのに、老温は本当に『見ているだけ』で全然助けようとしません。
阿絮が白衣剣を抜いたところを近くで見たい、という思惑があって老温はわざと助けに入らなかったのですが、七竅三秋釘の発作で阿絮が窮地に陥ったのを見てようやく動きだします。遅いよ!!!
しかも阿絮が血を吐いたのを見て老温は怒り心頭!扇で胡桃を操り、阿絮に襲い掛かる敵を瞬殺します。
阿絮の発作は丐幇のせいではないですし、そもそも老温がちゃんと成嶺を守っていれば阿絮が隙を見せることもなかったと思うのですが、そんなの知ったこっちゃありません。老温にとって重要なのは大好きな阿絮が傷付いた、という事実のみ。
問答無用でリーダーの首をへし折り、その場にいた全員を皆殺しにしてしまいます。
出た~~~~!力こそパワーーーー!!!
老温、見た目は姫で貴公子なのに、殺し方がマジで雑なんですよね……そこが彼らしくて大好きなんですけども……。
星が美しい今宵は、酒を飲んで楽しむべき
丐幇の襲撃でやむを得ず街を出た阿絮と成嶺の二人は川辺で野宿をすることに。
魚を食べようとしたものの上手く焼くことができず、阿湘に馬鹿にされてしまいます。
阿絮って天窗にいた時もご飯は部下任せだったんですかね……。韓英の苦労が忍ばれます。
阿湘に続いて船からやってきた老温。丐幇の襲撃の時にちゃんと成嶺を守らなかったので、成嶺にも阿絮にもそっけなくされます。阿絮の隣に座ろうとしても、足で邪魔されて座らせてもらえません。
そりゃそうだよ……はやく謝りなよ……。
阿絮は老温に「お前は俺にとってこの魚と同じだ。食えない奴」「俺が誰で、どこから来てどこへ行くのかは自分でもわからぬ。お前が誰で、どこからきてどこへ行くのかも興味はない」と言ってあしらいます。今後の展開を知っていると、阿絮の心境の変化にとても驚きますね。
お前、このあとこの食えない男のために一年半もかけて苦労して打った釘、全部抜いちゃうんだぜ……。
魅曲秦松の襲撃
突然魔音に襲われる4人。阿絮は咄嗟に老温の簫を借りて琵琶の音に対抗、老温もすぐ成嶺と阿湘のフォローにまわります。老温も阿絮も本当に多才ですよね……逆に何ができないんだろう……阿絮は料理が苦手みたいですが、老温は苦手なものってあるんでしょうか?
「すまない。簫を汚した」と言って謝る阿絮。
でも、自分の簫が役に立ったので老温の方はとても嬉しそうです。
2話ですでに関節キス(?)してるからそんなに気にしなくても大丈夫だよ……。
四大刺客登場
四大刺客、ニチアサに出て来る敵の幹部集団って感じで大好きなんですよね〜。
特に毒菩薩ちゃんが好きです。自由人のわりに蠍王への忠誠心が高いのも良い。
あとこの人たち、いつも外で焼肉パーティーしてて楽しそうだなと思います。(焼肉パーティーではない)
菩提清心曲
立ち去れと言われてしまった老温ですが、内傷を負った阿絮のために内功の鍛錬を助ける曲を夜通し演奏します。
この曲は邪な心があると演奏できないそうで、阿絮は老温のことを少し見直します。
よかったね老温……!やっと一方的な愛が報われそうだよ……!!
「ひとたび世に出れば因果が生まれる」としみじみと呟く老温。
そうは言いつつも、阿絮と本気で生死を共にするような深い仲にまでなるとは、この時の老温自身思ってなかったんじゃないかなと思います。
久しぶりに深く眠ることができた阿絮は、今度は老温が隣に座るのを邪魔せず好きにさせます。
絆されてる、絆されてきてるよ老温!頑張れ!!いけるぞ!!!
しかし「脈を見てやろう」と言ってもうまくかわされてしまいます。まぁ脈を見られたら釘のことがバレちゃうからね……仕方ないね……。
太湖派を目指し出発する阿絮と成嶺ですが、なぜか老温も一緒について行こうとします。
「阿絮、私も相乗りさせてくれ(きゅるるん顔❤)」
見ました!?ここの老温の顔!!!!!
あまりにかわいすぎてキレてしまう……。
身長186㎝の成人男性なのにどうしてこんなにも可愛いんでしょうか?意味が分からない。
思えば初見の時に私が老温に落ちたのはこのシーンでしたね……。
あざとい……あざとすぎる……上目遣いのプロですよこの男。
3人ではじめての食事
見てくださいこの距離感。近い!もうすっかり仲が深まってますね!
このシーンは珍しく阿絮の方が老温にご飯をあげています。渡し方が雑〜!
阿絮はなんでもないような顔をしていますが、一方的に何かを受け取るばかりだった阿絮が初めて老温に対して自らアクションを起こした大事なシーンだなと思います。
老温も「食事は人生の醍醐味だぞ。なぜ適当にすませる?」と憎まれ口を叩きつつ、内心はすごくうれしかったんじゃないかな。
成嶺は「お二人と離れたくありません」なんて言ってもう気を許しまくってます。かわいいことを言う成嶺に、老温が「これもお食べ」とばかりに自分のご飯を渡してあげてるのがとても微笑ましいです。
4話にして、もうすでに親子のようだわ……。
三白山荘へ
鏡湖派から旅をしてきた成嶺たちは、ついに趙敬のいる三白山荘に辿り着きます。
いや~初見の時はここまで邪悪な男だとは全く気付けませんでしたよ。最初にエンカウントしたキャラがラスボスだったパターンでしたね。
今ではもう彼がどんなにいいことを言っていても、(でもコイツ位牌に唾吐いたりお小水かけるような男なんだよなぁ……)と思ってしまいます。
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