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君たちはどう生きるか

宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」を観て、拙い文章ですが私が感じたことをありのままに記してみました。あらすじ程度しか記載してないつもりですが、人によってはネタバレと感じるかもしれませんのでご注意ください。

この秋、私は初めて交通事故に遭った。優先の道路を直進していた時、道脇から出てきた車が私の車を見落として飛び出し衝突。私の車は廃車となり、その日から私の日常は一変した。心身共に傷は癒えなかったが、明日になれば今日より少しでも状況が良くなると信じて、私なりに毎日を一生懸命生きた。

だけど、現実は残酷だ。事故に遭って少しした後、私は自宅で倒れた。てんかん発作を起こしたのだ。おそらく事故後から色々なことが重なったことによるストレスが原因だと思う。今まで生きてきて、病気らしい病気なんて一度もしたことなかったのに。やっと事故から少しずつ立ち直ろうとしてたのに。なんで今…?頭の中は疑問でいっぱいだった。病気の影響で好きだったこともしばらくは控えないといけなくなり、日常生活の中で身体に気を遣うこともいっぱい増えた。思い通りにいかないことばっかりで、心に余裕もなくなり、多分、本気で、人生で初めて心から死にたいと思った。

周りの人のおかげで、自死については踏みとどまったけど、相変わらず心は落ち込んでいた。明日に希望が持てなくて、この先どうやって生きていったらいいんだろう。今後の自分の人生について、なんとなくぼんやり考えて、その度に途方に暮れた。そんな時にふと思った。宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が観たい。去年の夏に公開されてからすぐ観に行ったけど、正直難しくて、その時の私にはいまいち内容がつかめなかった。でも、今だったら観方が変わるかもしれない。新しい何かが得られるかもしれない。明日を生きるための何かが得られないかな。そんなことをぼんやり思い浮かべながら2回目を観た。

衝撃だった。観始めて体感にして5分。涙が止まらなかった。主人公の眞人の姿が、今の自分と重なって仕方がなかった。もちろん小学生にして戦火で母を失った眞人の悲しみは自分とは比べようもないほど重いものだと思うし、到底比べられるものでもない。けれども、主人公の眞人に私は自分自身を重ねずにはいられなかった。

映画の中で主人公の眞人は、様々な人と出会い、友達を作るなかで、失った母新に折り合いをつけると同時に新しい母親のことも受け入れて、大叔父から託されたものを胸に自分の元の世界へと帰る。その姿を見て私も、過去を変えることはできないけど、今の自分を受け入れて少しずつゆっくり明日を生きていこう、そう強く思った。

この映画が、私の明日を変えてくれた。本当に感謝しか無いし、御年82歳にしてこの映画を作り上げ公開日を迎えた宮崎駿監督は超人だなとも思う。
「君たちはどう生きるか」このタイトルはこの映画の原作の題名であると同時に、宮崎駿監督から今を生きる自分たちへのメッセージなのかな?そんな風にも思う。そして、この映画のおかげで、私も明日からどう生きていくか考えることができた。明日に希望を抱くことができた。もしかしたら私がこの映画から受け取ったメッセージは監督の意図とは全然違うものかもしれない。だけど、私はこの映画から得たものを胸に、私の目の前にあるたくさんの扉を自分で開きながら、精いっぱい明日を生きていきたいなと思う。
これから訪れる喜びも悲しみも一つ一つ噛みしめながら、この映画から得たものを胸にそっと握りこんで、この気持ちを忘れないように。

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