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線維筋痛症と身体障害者手帳

線維筋痛症は悪化する一方だが、病気と共に生きていく、社会復帰するために身体障害者手帳を取得すべく申請手続きを行った。

結果的には、線維筋痛症ではなく頚椎症性脊髄症での申請となり、2級の身体障害者手帳が交付された。


身体障害者手帳のメリット

  • 医療費の助成

  • 補装具(車椅子など)の助成

  • 税金や各種料金の減免

  • 障害者手当の支給

  • 収入保障保険(障害・介護保障特則)

  • 駐車禁止除外指定車標章の交付

  • 失業保険における受給条件の緩和・受給期間の延長

  • 障害者枠の求人

  • 障害年金の審査時のエビデンス

各種の助成・減免を受けられる他、障害年金の審査の際にも有利に働くらしいので、身体障害者手帳のメリットは非常に大きい。

保険会社によっては、収入保障保険(生命保険)で障害・介護保証の特則をつけることで、1〜4級の手帳交付で掛け金に応じた年金を受け取ることができるものもある。

また、自発的に告白しないかぎり手帳ホルダーであることは分からないので、デメリットはないものと考えて良い。

市役所に身体障害者手帳の申請用紙を貰いに行く

もらったもの

  1. 身体障害者手帳申請用の診断書様式(県指定)

  2. 県内指定医のリスト

  3. 身体障害者手帳申請用紙

私の住むところの指定医のリストはWEBからは入手できないので、窓口でもらう必要があった。

市役所窓口での説明

手帳の申請に際しての注意事項などの説明、通院先や指定医の確認があった。

特別障害者手当(国手当)について

主に障害者を対象に支給される国の手当に、月額28,840円の特別障害者手当がある。この手当は診断書によって認定の審査を行うため、障害者手帳の交付を受けていない人であっても受給対象となることがある。

また、審査の結果、国の手当が受給できない場合には、自治体独自に支給している手当を受給できる場合がある。

市役所の窓口では、特別障害者手当(国手当)についての説明が無かった。

こちらから遠回しに「現時点で他に同時に申請できるもので、診断書が必要なものはあるか?」と質問したところ、「障がい者支援の仕組みは色々あるが、いずれも手帳を取得してから申請するもの」と回答があった。

おかしいなあ、特別障害者手当は、「診断書の内容により認定の審査を行うため、身体障害者手帳などの交付を受けていない方も支給対象者になる」とWEBに書いてあったのだが・・・。

とは言わずに、「そうですか、主治医からは手帳が無くても受給できる国の手当があると聞いたのですが」と食い下がってみた。しかし、相変わらず「手帳の交付を受けてから」と強く言われてしまったので退散。制度について意外と職員さんも理解していないのかしら?

それから5分もしないうちに担当者から電話がかかってきた。「すみません、先程の特別障害者手当について、間違った回答をしてしまいました。手帳が無くても、現時点で申請ができますので、書類をお渡しします。」とのこと。

有り難く書類を頂戴して、次回の通院の際に身体障害者手帳の申請用診断書とあわせて提出することにした。

病院で診断書を書いてもらう

線維筋痛症での申請が難しい件

線維筋痛症で身体障害者手帳の交付を受ける(障害年金も同様)のは難しいと聞く。

まず、線維筋痛症は専門医が極めて少なく、理解のあるドクターも限られている。線維筋痛症の診断がつかずにドクターショッピングになるケースもよく目にする。

手帳用の診断書を書ける、身体障害者福祉法第15条の指定医(15条指定医)は、整形外科をはじめ各病院にそれなりの人数がいるが、線維筋痛症を知らないドクターに診断書を書いてもらっても、審査をパスする可能性は低い。

ちゃんと線維筋痛症の治療ができて、かつ15条指定医となると、相当限定されてしまう。少なくとも私の住む街にはいないので、都内か相当遠方まで行かなければ診断書が手に入らないのだ。

整形外科で頚椎症の診断書を書いてもらう

私がお世話になっているペインクリニックの主治医(U先生)は、15条指定医ではなかったが、手帳について相談したところ、整形外科のドクターに話をつけてくれた。

U先生はとても優しい先生で、人の話をよく聞き、カルテもとても詳細に書くタイプ。これまで1年以上の通院について、整形外科のドクターにも経緯や背景を含めうまく連携してくれたようだ。

整形外科の15条指定医(M先生)はベテラン感があり、身体障害者手帳の診断書についても慣れているようだった。私の症状や病歴、以前撮った頚椎MRIの結果を踏まえて、線維筋痛症ではなく「頚椎症(頚椎症性脊髄症)」で診断書を書きましょう、ということになった。

おそらく肢体不自由の2級に相当しそうだとのことで、自分の辛さをわかってもらえた気がして涙が出そうになった。頚椎症で診断書を書いてもらえることになったのは不幸中の幸いだった。

書いてもらった診断書の内容

  • 障害名:体幹不自由

  • 疾病名:頚椎症性脊髄症

  • 所見:立ち上がること、自力でベットから起き上がることが不可能であり、2級相当の障害と思われる。

症状は日によって波があるのだが、悪い日を基準に診断書を書いてもらえたようだ。握力は1kg(左右)、座る以外の動作・活動は✗、上肢の状態と歩行能力等は「不能・不可」だ。ROMとMMTも素人が見ても分かるレベルでひどい。

診断書の発行費用

某大学付属病院では、診断書の発行には以下の費用が必要であった。

  • 身体障害者手帳(肢体の障害)用の診断書:6,600円

  • 特別障害者手当用の診断書:3,300円

診断書の費用は保険適用外なので高く感じるが、相当なボリュームがある様式なので、15分やそこらで終わるようなものではない。これを数千円で書かなきゃならんお医者様には大変申し訳なく思う。

申請書類の提出から交付

市役所窓口へ提出

書類一式をまとめたら、市役所へ提出。受付票をもらって終了。
交付されるまで早くて1ヶ月半と説明をうけた。

特別障害者手当(国手当)の通知

身体障害者手帳の交付通知よりも先に、特別障害者手当の認定通知が届いた。手帳とは別の制度ではあるが、重度の障害(1・2級相当)と認められたため、手帳もおそらく同等の等級になりそうだと少し安心した。

また、勤務していた頃と比べて収入が大きく減ったため、こうした手当は本当に有り難く感じる。

身体障害者手帳の受取

幸いな事に早く手続きをしていただけたようで、申請からちょうど1ヶ月後くらいで、郵送で身体障害者手帳交付の通知が届いた。通知のタイミングでは自身の等級について明記されてはいなかったが、同封されていた他の障害者向けの支援制度についての説明資料の当該等級の下にマーキングされていたので、2級匂わせっぽくはなっていた。

受取の際には1時間ほど、説明や書類の記入のための時間がかかるとのことで、事前の予約が必要であった。しかし窓口も混雑しているようで、予約が取れたのは通知から3週間後の日であった。

当日、窓口で「2級」と認定された身体障害者手帳を受け取った。
障害名は「疾病による両下肢機能の著しい障害(体幹機能障害を含む)」。

手帳受取の際に、市役所の窓口で申請・交付されたもの

  1. 有料道路における障害者割引(ETC割引)制度の申請

  2. NHK放送受信料の減免申請(半額免除)

  3. 障害者等用駐車区画利用証

  4. 重度心身障害者医療費助成受給券

  5. 福祉タクシー乗車券

手帳交付後に、後日申請したもの

  1. 自動車税の減免(県税事務所)

  2. 保育料無償化に向けた段階的負担軽減

  3. 特別障害者手当所得状況現状届

  4. 重度障害者医療給付金申請(手帳交付の翌月分の医療費償還払い)

  5. バス鉄道共通ICカード利用負担額助成

  6. 自動車燃料費(ガソリン代)助成

生命保険会社への申請

加入していた生命保険で、「障害・介護保障特則」の対象の等級(1〜4級)の身体障害者手帳が交付されたので、保険金(年金)の手続きを行った。

WEBからの申請はできず、窓口へ電話で問い合わせた上で、書類(郵送)での申請となった。

手帳のコピーの他、診断書が必要であったが、身体障害者手帳の申請用の診断書(控え)でOKだった。

私のケースでは、保険加入のタイミングと発症日の関係で、追加の資料や確認が必要となった。書類提出後に、保険会社の人が自宅まで訪ねてきて、発症時〜手帳交付までの経緯や、かかった病院などをヒアリングされた。

手続きは保険会社から医療機関(2箇所)へ追加資料を請求するための同意書へサインして終了。あとは無事に保険が下りることを祈るばかり。


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