桜が散りアスファルトを彩る。せっかちな僕はもう夏が来る気がしている。
暑い夏。他の季節は夏のための準備期間のように感じられる。
あの夏の持つ力強い生命のほとばしりは何なんだろう。気を抜いて生きていると殺されそうになるあの季節はなんなんだ。
きっと、アニメのピンポンを見てしまったせいだ。こんな気持ちになるのは。
まだ若さを輝かしいものを見ると、いてもたってもいられなくて叫びたくなる。だけど、叫ぶなんてできないからとにかく走る。二本の足で地面を蹴って、僕だって生きてるんだぞって、自分に対して存在証明をしてる。
きっと世の中は僕を侮っている。悔しいけどみんなが認めることができるような何かを生み出してないから仕方ない。
だったらやってるぞって感じで文章を書いている。
熱い夏が来たら、今年は何をしようか。
僕は富士に登ってみたいと思っている。
日本の一番高い山にこの足で登ることが何かの人生の象徴になる気がする。
だから、登りたいと思う。
けど、たまに嫌な想像をすることがある。
名にも残せずに平凡以下の自分が嫌いな人間になる未来が見えるのだ。
それが自分の中で一番嫌な未来だ。
しかし、今までの人生で大抵そういう悪い予感というのは当たるということを知っている。
大学三年になって止まっている暇なんてないのが苦しい。
だけど、自分の人生で止まっていた瞬間はあったのかと思う。
みんなそうやって死んでいくのか。

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