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ステファン・リヒトシュタイナーという漢

皆さんお待ちかね、スーパースターじゃない列伝のお時間です。
今回取り上げるのは、ユベンティーニみんな大好き
、漢の中の漢、出て来いやあ!


プロフィール

・名前 Stephan Lichtsteiner(ステファン・リヒトシュタイナー)

・生年月日 1984年1月16日(38歳)

・ポジション RSB

・背番号 26

・在籍歴 2011‐2018

とつらつらとプロフィールを列記してみましたけど、そういうのはwikiに任せましょう。

スイスエクスプレスの誕生

リヒトシュタイナー、2001年にプロデビューし、母国スイスのグラスホッパーからフランスのリールを経て2008年からラツィオに加入。
そうですね、正直ラツィオ時代のプレーというのはそんなに観ていないのであんまり覚えていませんが、オーソドックスなサイドバックなのかな?という印象でしたかね。特別一芸に秀でているとかそういうイメージはなかったように思います。


コンテ式の申し子

そしてコンテ監督就任の2011年夏、ピルロ、ヴィダル、ジャッケリーニ、ヴチニッチといった選手たちとともにユーベに加入。
これ、今見てもいい補強ですね。コンテのリクエストだったのかクラブ主導の補強だったのか知りませんが。

んで11-12シーズンといえば、セリエAにおいて前年まで2年連続7位に沈んだいたユーベがまさかのシーズン無敗優勝を飾るわけですが、リヒトシュタイナーはまずは4バックの右サイドバックとしてレギュラーに定着。当初4-2-4とも言われるコンテ式4-4-2でスタートしたチームはその後マイナーチェンジを繰り返し、最終的にはその代名詞となる3-5-2へとシフトしていくわけですが、リヒトシュタイナーはその右アウトサイドとして欠かせぬ存在になっていきます。
当時のコンテ式といえば、レーン間のポジションチェンジはほとんどなく、どのポジションも正確に上下動を繰り返すことが特徴的だったわけですが、これがまさにリヒトシュタイナーのプレースタイルにピタリとハマったと思ったいます。
例えるならまさに『香車』。
無尽蔵のスタミナを武器に右サイドを攻撃に守備に激しく上下動。華麗な技や特別なスピードがあるわけではありませんが、とにかくしつこい。無駄を厭わない。チームのために最後まで走りきれる。
そのプレースタイルはまさにfino alla fineを体現。そらユベンテイーニの心も鷲掴みですわ。


こうしてコンテのチームに欠かせぬ存在となったリヒトシュタイナーは、コンテの元での3連覇に大きく貢献しました。
このコンテ式でのリヒトシュタイナー、やっぱりピルロやポグバからフワーっとスペースに出たミドル/ロングパスに反応しそのままゴール前まで突進する姿が強烈に瞼に焼きついていますよね。


アッレグリの元でのアップダウン

セリエA3連覇を果たしたものの、CLではどうしてもベスト8の壁を破れずにいた2014年の夏、コンテが突然、まさに匙を投げるように辞任。このときはマジビビったっしょ。どーすんのこれ?
とユベンテイーニが右往左往する中、ミランをクビになったアッレグリが就任。えーアッレグリかよ…大丈夫かぁ…?って思いましたよ。ええ。
がしかし、蓋を開けてみればアッレグリはまずはコンテ式を踏襲。その後徐々自身の色を出して4-2-3-1でのポゼッション志向のサッカーへと変化していくわけですが、ここでもやはり3バックでも4バックでも遜色なく計算できるリヒトシュタイナーは不動のレギュラーとしての地位を確かなものにすると思われました。
そんな中迎えた15/16シーズン、レギュラーとしてシーズンを迎えたリヒトシュタイナーでしたが、イマイチ調子が上がらない。そして第5節のフロジノーネ戦、スタメン出場するも呼吸困難を訴え前半で途中交代。不整脈と診断されチームを離れることになってしまいました。
手術を経て1ヶ月、CLのアウェイボルシアMG戦で復帰したリヒトシュタイナーは、0-1の劣勢を救う同点弾を決める活躍をいきなり見せ、諦めない男というイメージを更に強くした。

が、翌16/17シーズン、チームは某スペインの自称名門クラブから希代のパリピを補強。リヒトシュタイナーはポジションを失うとともに、なんとCL登録リストからも漏れる屈辱を味わうことに。
移籍も噂されたものの、文句も言わず黙々と準備し、見事決勝トーナメントの登録時にCLリストに復活。まさに漢の中の漢!というところを見せつけてくれましたね。シビレました。

シーズン終了時にも移籍は確実と言われたものの、パリピが一年でさっさと出ていったことでリヒトシュタイナーは残留を決意。捲土重来を期待させました。
んが!んがしかし!なんと翌17/18シーズン、今度はドイツ製スペ体質と永遠のゆとり小僧を補強したアッレグリは、またもリヒトシュタイナーをCL登録リストから外すという暴挙に。
とはいえスペ体質はシーズン通じて3試合の出場に終わる体たらく。ゆとりに至ってはキックオフまでカラダがもたないゆとりっぷり。またも不死鳥リヒトシュタイナーは決勝トーナメントからCLに復活。ベスト16の2nd leg、アウェイスパーズ戦の後半途中から投入され、チームに魂を注ぎ込みベスト8へと導いた姿は彼のハイライトとして今でも胸に刻まれています。
最後まで諦めない、戦いぬく、もうユベンテイーニのストライクゾーンど真ん中の漢っぷりをこれでもかというほど見せつけてくれました。


マンジュキッチと並び、fine alla fineを体現する選手として愛され、惜しまれながらも、某月ガナ編集長の陰謀でアーセナルへと去っていったリヒトシュタイナー。
36歳までプレーし、アウグスブルクで引退。その後は時計職人を目指しているとかなんとか…
そんなこと言わずにいつの日か、また違った形でユーベに魂を注入する姿を見てみたいものですね。







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