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ぶっちゃけ、アッレグリどーなのよ

おはようございます。ぽっこりお腹がなかなか凹まずキモチは凹んでいる店長です。
さて、いつもミントのように爽やかな居酒屋トークで、ユベ議室の一服の清涼剤としてお馴染みな私ですが、今日は脂っこい話題をぶっ込みますよ。

ズバリ、今後10年考えたとき、アッレグリでホントにいいの?がテーマです。
散々言い尽くされてきたことですが、CR7やディバラといったここ数年を象徴する選手たちと別れ、シーズン途中で作りかけたチームをぶっ壊してまで新たなサイクルへ踏みだしたユベントス。ポグバ、ディマリア、ブレーメルといったビッグネームの補強と余剰戦力の整理にも成功し、まさに言い訳無用のシーズンがいよいよスタートしたわけですが、個人的にはどうしてもホントにアッレグリでいいの?という胸のモヤモヤが消えません。

自分の中でのアッレグリの評価は、『完成された大人のチームを引き継いで自分なりのアレンジを加えつつチームを運用していく』ことに関しては世界的な名将であるものの、今のような『9連覇の遺産をいよいよ使い果たし、本格的な再建期を迎えたチーム』を託すことができるのか?
もっと言ってしまえば、『なにもないところから頑丈な家を建てることのできる監督なのか?』という部分に大きな疑問を感じています。

そこで早くも序盤戦を振り返るとともに、そんなアッレグリへの淡い恋心をちょっと整理してみようという完全に自己満足な企画です。みんな、最後までついてこいよ!

さて、ここからは試合を改めて見返しつつ、気になったポイントをメモとして残して整理してみようと思います。
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★第1節 vsサッスオーロ
4-3-3
         ペリン
ダニーロ ボヌッチ ブレーメル サンドロ
   ザカリア ロカテッリ マッケニー
ディマリア ヴラホヴィッチ クアドラード
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●ディマリアはウィングというよりトップ下に近い
守備時は4-4-1-1のブロックだが、ディマリアをスイッチに積極的にプレスをかけるアグレッシブな立ち上がり
●ボヌッチ右ブレーメル左
●ディマリアがビルドアップ時に降りてきてファイナルサードでも間受けをしてボールを上手く引き出す
●15分もすぎるとスローダウンしていつものマッタリムード 徐々にサッスオーロにボールを持たれるものらりくらりとかわす。この辺りが古臭いイタリアのカルチョという印象をもたせるのか?
●クーリングブレイクをきっかけにディマリアを右にクアドラードを左に。ブレーメルからマッケニーへの縦パスをきっかけにビルドアップが向上。
●左で作って右で決める!ディマリアのボレーで先制!
●先制点をきっかけにオープンというかダイレクトな展開が増えるかと思いきや、30分辺りからもう引いて構えて4-5-1ブロック。カウンターのいつものやり方
●相手を引き込んで縦に長く早く、個人技頼みでいくつか決定機も生まれる。その流れでPKゲット。幸運な追加点。前半終了。
●相手ゴールキックにセットしたプレスからミスを誘って追加点。そこに至るチャンスもロングカウンター。
●あからさまにペースダウン。試合を殺しにかかる。
●60分 左サイドのサンドロ、クアドラードのセットをデシーリオ、コスティッチのセットにチェンジ
●ミレッティ、ロヴェッラ、スーレ登場もこれといった見せ場はなし
3-0 ディバラがディマリアに代わっただけでこれと言って新しいものはなにもない試合。ユベンティーノ以外が観てもつまらないと思っだろうなあ。 
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★第2節 vsサンプドリア
4-2-3-1
        ペリン
ダニーロ ルガーニ ブレーメル サンドロ
    ロカテッリ ラビオ
クアドラード マッケニー コスティッチ
      ヴラホヴィッチ
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⚫4-3-3というよりロカテッリとラビオのダブルボランチ、マッケニーはトップ下に近い配置4-4-1-1と言ってもいいかも
⚫流行りのセットプレーっぽいキックオフを見せるも不発。
⚫ブレーメルの不用意なパスカットミスからギャップをつかれ超決定機を作られる。ペリン神。
⚫ネガトラ時にやや慌てるシーンが目につく。ラインを揃えるのがやや遅いのかも
⚫前節よりはポゼッションする意思はあるが、最終ラインからの出しどころがサイドハーフのところしかない。そこからクアドラードが抜け出すもシュートは正面。これが決まってれば…
⚫ブレーメル、左がダメなんじゃなくてルガーニと息があってないのでは?
⚫下がって顔を出すとかライン間に立ってみるとかディマリアがやってた工夫を誰もやらないのでとにかく出しどころがない。全部外外外外外を回るだけ
⚫ペースチェンジもない。時折見せる鋭いカウンターとかもない。遅、遅、遅の一本調子
⚫中盤誰もボールを受けられる位置に立ってない。そら真ん中経由できるはずもない
⚫要するにどうボールを運んでどう攻めるのか設計図とかルート案内がない。何を意図してこのメンバーなのかもわからない(怪我人のせいだろうけど)
⚫やり繰りはどこも一緒。言い訳にならない。チームとして一本筋の通ったものがないからその日次第、行き当たりばったりな試合の繰り返し。
⚫前半終了。観るべきものはなにもない。
⚫HT サンドロ→デシーリオ
⚫デシーリオの斜めパスで中央への道が開き始めた
⚫縦横しか選択肢のなかった前半から変化を生んだのはまさかのデシーリオ。左サイドから斜め前にズバズバとパスを通して前線への道を開いた
⚫中盤の配置も変わってる。4-3-3気味になって距離感もよくなっている。マッケニーのポジショニングがもうちょっと…と思っていたらミレッティと交代。
⚫64分ラビオ幻のゴールシーン。そこに至るコスティッチとミレッティのパス交換やそのあとのボールロストからのミレッティのプレスバック、ヴラホヴィッチへのスルーパスにラビオのポジション取り。全てが理想的。これは細かく修正を施した結果と言える。
⚫ミレッティもロヴェッラも輝きを見せた。もちろん本人たちの努力と才能のおかげだが、アッレグリの用兵も褒めてしかるべき。
0-0。前半のできならアッレグリ解任に躊躇いはなかった。後半の修正力を見て、ひょっとしたらこの人にもまだ伸びしろが残されてるのか?という気持ちにはなった。
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★第3節 vsローマ
4-3-3
       シュチェスニー
デシーリオ ブレーメル ダニーロ サンドロ
    ラビオ ロカテッリ ミレッティ
クアドラード ヴラホヴィッチ コスティッチ
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⚫ブレーメルとダニーロのCB。前節でインパクトを残したミレッティのスタメン抜擢。
⚫ヴラホヴィッチの秒殺FKゴールを生んだのは、KOからのアグレッシブな前プレ。積極性大事。
⚫開始直後のゴールを生んだこともあって、ユーベにしてはインテンシティ高い入り方。これはゲームプラン?
⚫15分位からペースダウンするも、前節と違いミドルプレスを基本とした守備なので、ポジトラの切り替えの速さが雲泥の差
⚫ミレッティの立ち位置がとにかく素晴らしい。ライン間に必ずいるのでボールは収まるしヴラホヴィッチとの距離も近いので孤立させていない
⚫ポグバに期待していたであろう役割をミレッティがかなり高いレベルでこなしている。足りないのは決定的なところだけ。そら出番増えるわ。
⚫メンバー的にも引いて4-4ブロック敷くよりも4-3-3で前の方から奪いにいくサッカーのほうが明らかに合ってる
⚫アッレグリにビルドアップの仕込みは多分今後も期待できない。同じカウンターサッカーなら今までのようなペナ前に2ライン揃えてロングカウンターの古臭いサッカーよりも、前から奪いに行ってショートカウンター狙うサッカーのほうが未来を感じる
⚫多分ペップやクロップのような極端に振り切ったサッカーはアッレグリには出来ないしやらない。バランス取るのはいい。引いて守ってぼかす時間も必要だろう。ただ、そのバランスをかなり前に設定できればまったく印象が変わる気がする。
⚫前半終了。素晴らしい出来。今のユーベに出せる最高値じゃないだろうか
⚫目立たないけど絶妙にバランスを取っていたラビオが負傷交代。これがどう出るか。
⚫失点シーンは事故
⚫同点後ややローマペースになってきたところにマッケニーとミリクを投入。4-4-2へ。
⚫4-3-3のプレッシングサッカーを90分続けるのは無理にしても、あまりにも交代策が消極的すぎる。
1-1。ラビオ交代をきっかけにトーンダウンしたけど、指標にすべきゲームだった。
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★第4節 vsスペツィア
4-3-3
      シュチェスニー
ダニーロ ガッティ ブレーメル デシーリオ
  ミレッティ ロカテッリ ラビオ
クアドラード ヴラホヴィッチ キーン
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⚫立ち上がりからラインを高く保ち、即時奪回からボールを握る。選手同士の距離感もよく、ボールがよく回る。
⚫ネガトラの速さが奏功してバイタルエリアでFKを貰ってのヴラホヴィッチの先制ゴール。ローマ戦とまったく同じ展開。ファウルを貰ったのも同じクアドラード。
⚫相手にボールを持たれるも時間帯もあくまで前で奪う守備。必要以上に引かない。好印象。
⚫前への意識が強いので、奪ったあとのサポートも厚い。結果攻撃の手数も増える好循環。
⚫ボールを奪う、運ぶところまでは文句のつけどころのない出来。あとはフィニッシュだけ。
⚫高めに設定してるぶん裏を狙われる機会も多いが、ガッティもブレーメルも後ろ向きのケアに不安なし
⚫前半終了。敢えて課題を挙げるなら、クアドラードとキーンの両ウイングか。
⚫後半はあからさまにペースダウン。ディマリアのコンディション調整とコスティッチのオーディションの様相。距離感が遠く、効果的ではない
⚫ディマリアもコスティッチもハードワークはするが、効果的な働きはあまりない
⚫相手がスペツィアだからいいものの、この展開なら2点目を確実に奪わないとどこかで痛い目を見る
⚫フラグか?というミリクのダメ押しゴール。それは素晴らしいが、試合をコントロールしているというより中だるみしてる時間帯をなんとかしないといけない
2-0ほぼほぼ何もさせずに完勝。だけど改めて見返すともっと早く試合を決められたし決めなきゃいけないなという感想。こういう試合こそ課題大事。
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★第5節 vsフィオレンティーナ
4-3-3
              ペリン
クアドラード ブレーメル ダニーロ サンドロ
  マッケニー パレデス ロカテッリ
  ディマリア ミリク コスティッチ
⚫CL初戦を見据えたターンオーバー。パレデス、ミリクを早速スタメン起用が吉と出るか凶と出るか?
⚫序盤の主導権争い。ポゼッションを試みるも上手くいかず押し込まれる。そこを我慢して押し返すことで徐々にボールを運べるようになりミリクのゴールで先制。
⚫ラインを高く保とうとする意識、ボールを繋ごうという意識は見られるが、徐々に押し込まれる
⚫自軍CKからの被カウンターで失点。ディマリアのミスと言ってしまえばそれまで。まあ、事故。
⚫決して悪いとまでは言えないが、良くもない。距離感も悪いし、パレデス、コスティッチ、ミリク辺りはまだ周りも活かし方を模索してる感じ
⚫後ろから繋ごうとしてもヴィオラのプレスに潰され、ロングボールも収まらない。後手後手。
⚫ペリンが神(PKストップ)が唯一の見せ場で前半終了。
⚫後半開始。ディマリアoutデシーリオinでクアドラードが前線へ
⚫自軍ペナ前に構えたツーライン。低い…遠い…
⚫この遅いテンポでどうやって点を取るのか、逆に聞きたい
⚫明らかにコンディション的に厳しい。内容もクソもない
⚫クアドラード、コスティッチout,ミレッティ、キーンin。4-1-4-1のような形。
⚫この試合をどう打開しようかという発想ではなく、いかにこの試合の傷口を拡げないか、という試合の進め方。それ自体は致し方なし。ならばどうやって勝点を持ち帰るか?
⚫サンドロoutボヌッチin。もう焦点はPSG戦への備えとボヌッチのコンディション調整
⚫このグダグダな展開の中でも一発で決定機を演出するミレッティの底知れなさ
1-1
この試合単体で観たらダメダメのダメ。
ただ、この過密日程の難しいアウェイ戦でこれ以上の怪我人を出さず勝点を持ち帰ったことには大きな意味がある。マネジメントが光ったゲームだった。
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★UCL グループリーグ第1節 vs PSG
5-3-2
              ペリン
クアドラード ブレーメル ボヌッチ ダニーロ コスティッチ
                       ラビオ パレデス ミレッティ
                        ミリク ヴラホヴィッチ
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⚫コスティッチの立ち位置によって4枚にも5枚にもなるディフェンスライン
⚫変則的な立ち位置のため、右メッツァーラのラビオが中央から右を一人で見るためスペースが生まれる。そこをネイマールとエムバペに使われ先制を許す
⚫シュート自体は超ワールドクラスなので止めようがないが、まずは失点を避けようというゲームプランが5分で崩壊
⚫相手陣内では4-3-3でプレスをかけるが、自陣にボールが入るとペナ前まで撤退して5-3-2。もうちょっと中間の守備があってもいいように見えるが…
⚫ボール保持時は3-2-3-2。久しぶりに変態っぷりを存分に発揮するアッレグリ
⚫徐々にボールを持てる時間が増え、クアドラードのアーリークロスからミリクの決定機。これが決まってれば別の展開になったかも
⚫5枚のラインは揃っているが、一瞬ダニーロが前に釣り出されたギャップにハキミが侵入してまたもエムバペのスーパーゴール
⚫2失点とも相手がスーパーすぎる。引き込んで守ること自体がリスクになってしまう
⚫前半終了。2失点で非常にネガティブな印象だったが、細かく観ると意外と狙っていたことはやれていた
⚫ハーフタイム、ミレッティout、マッケニーinで4-4-2に移行
⚫高い位置で奪ってサイドに展開、縦に速くと狙いがシンプルになったので好機も増える。コスティッチも活きはじめた。そこで得たCKからマッケニーのゴール。
⚫ミリク、ヴラホヴィッチをターゲットにしたサイドからのクロス攻撃で好機量産
⚫サイドが活きはじめたので相手の守備陣が横に拡がり、中のラビオやミリクが侵入するスペースが生まれる好循環(前半は相手にやられていたこと)
⚫相手にボールを持たれる時間帯も必要以上にラインを下げずより間合いを詰めているのでシュートまでいかれてもコースを限定できている
⚫ミリクout、ロカテッリin.4-1-4-1?4-2-3-1?
⚫いくつかチャンスは作るが、相手の好守に阻まれトーンダウン。なんだかんだ言って流石ドンナルンマ
⚫最後まで崩しきれず試合終了。選手交代も含めてなにげに見どころの多い試合だった。変態アッレグリ、ここにあり。本人も楽しかったんじゃない?


まとめ
まず冒頭に挙げた『今後10年考えたとき、アッレグリでいいのか?』というテーマの結論は、『それはもうクラブの哲学次第よね』です。
近年は世界の強豪は勿論、イタリア国内でも各クラブがゲームモデルを持ちそれに即した補強やトレーニングで『攻守ともに自分たちから仕掛けるサッカー』が主流になっていますし、実際そういうクラブが結果を残しています。
アッレグリを見ていて不安なのはまさにこの部分でしょう。彼はそういうことをしません。グアルディオラのようにボールを持ちたがりませんし、クロップのようにヘビーメタルなサッカーもしません。
とことんリアリスティックに、目の前の試合だけにフォーカスしたサッカーをします。最近ではエコロジカルなんて言葉で表現されていますね。
そこで今後10年、ユーベのサッカーとはこれだ!みたいな方向を目指すならそれはもうアッレグリに求めることではないなと。そう思いました。そういう監督連れて来るしかありません。サッリとかピルロとかを我慢して見守るしかないのです。

それはそれとして、今アッレグリでいいのか?という疑問には、いいんじゃないか?と思いました。実際に6試合全部見返してみたら、この過密日程とポグバ、ディマリア、キエーザとチームの主役に据えるべき選手を全員欠くなかでよく対応していると思いますし、正直アッレグリ以上に現状でやれる監督はそうはいないでしょう。

と結論づけた上で、今季のアッレグリに個人的に求める課題を最後にまとめてみましょう
★思った以上に『なにもないところから』基本戦術は仕込めている。特にリーグ5試合で2失点の守備の整備はさすが。
★オプションとしての3-5-2と4-4-2は有り。特にヴラホヴィッチとミリクを同時起用するためにはより精度を高めたい。ただし、あくまでオプションに留めるべき。
★上手くいかない時間帯はだいたいが『古き良きイタリアサッカーの思考』に陥っているとき。ラインを下げ、プレースピードを落とし、相手をいなして試合を殺そうとしているとき。それ自体は否定しないが、今どきはリスクのほうが大きい。なるべくその時間帯を減らしたい。
★世間で言われているほど若手起用に慎重ではない。というより、実際年齢で起用することはしていない。より重視しているのはチームの戦術にフィットしているかどうか(キーンがあまり使われない理由は年齢ではない)
以上を考えたとき、やはり4-3-3をベースに攻めるも守るも自分たちからアクションを起こしてアグレッシブに戦っていくスタイルをより求めたいなと思います。もちろん、怪我人やコンディションも考慮した上で。
正直、アッレグリに後ろから繋いでポゼッションしていくサッカーを仕込むのは無理です(それをやりたいならそういうコーチを連れてこい)。なので、リバプールとまでは言わないまでももう少しラインを高く設定し、選手同士が近い距離感で奪ってからのショートカウンターを主武器にするのがベターと思います。昨季のようなドン引き守備からのロングカウンターでヴラホヴィッチよろしく作戦は可能性少なすぎるので。

以上、ぶっちゃけアッレグリ、まだまだやれんだろ!?というお話でした。
























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