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KIDS=ZERO(キッズ=ゼロ)

★この文章は、月刊シナリオ 2014年11月号に掲載された記事です。

 脚本を担当した『KIDS=ZERO(キッズ=ゼロ)』という作品が、10月18日より、池袋シネマ・ロサで公開される。

 この企画は、キッズ・アクションを定着させ、日本アクション界の裾野を広げようという、高い志で始まった。しかし、志向は高いが予算が低い。どうすれば、面白い作品が創れるか、当初は頭を悩ませた。そして、正義の味方と悪の組織という「勧善懲悪」の図式を打ち破る作品に挑戦出来ないかと考えた。それなら、特撮の迫力で対抗できずとも、観客に引っ掻き傷くらい残せるのではないかと思った。

 主人公は、戦隊モノの花型であるレッドの家系に生まれた少女と、ヒーローの家系に生まれたものの、父親を悪の組織に殺され、戦うことに疑問を持っている少年と設定した。その少年がキッズ戦隊に入隊する破目になって、物語が展開する。

 現実、戦争というのは戦う双方に大義があり、自国こそが正義で敵国こそ悪だと、互いに考えている。つまり、立場が変われば正義と悪は逆転する。劇中では、少年がそれに気付き、攻め込む相手を理解しようと立ち上がる。

 と、云々述べたが、子供たちが主役の映画。少年少女がステゴロで大人達と戦うアクションが最大の見せ場である。脚本では、どんな小さな登場人物にも役名をつけた。快活なキッズたちの真剣な表情に注目して貰いたい。

 映画は『獣電戦隊キョウリュウジャー』等で助監督を務めた須上和泰氏の初監督作品で、数々の戦隊モノを手掛けた坂本太郎監督もゲスト出演している。

 最後に、この映画の製作に当たり、多くの方からご支援ご協力を賜った。この場を借りて、お礼を申し上げたい。

 是非とも、劇場に足をお運び下さい。


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