泥だらけの青春
「作っちゃおう、コート!」珠子が突拍子もない事を言い出した。
珠子は東京に行きたいが為に、亜季を誘ってインターハイを観戦に行き、その魅力にノックアウトされる。最初は亜希からソフトテニスを教えて貰うだけの約束だったが、練習場がないためコートを作ろうと珠子が提案した。
亜季と珠子は、真夏の陽射し照りつける校庭のグランド整備を始める。汗にまみれ、泥だらけになって、草を毟る中で、亜季のソフトテニスへの想いが次第に再燃して行く。
珠子「何か、思い出す。あの時の、インターハイの興奮!」
亜季「……」
珠子「絶対、完成させようね。コート」
亜季「うん……」
珠子「ドンと来い! 泥だらけの、青春よ!!」
初めて珠子は、夢中になれるモノを見付けたのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?