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アイアンガール ULTIMATE WEAPON

この原稿は『月刊シナリオ』2015年2月号に掲載されたものです。


『アイアンガール ULTIMATE WEAPON』を脚本した。

1月17日より、全国で順次公開される。

 ストーリー案決定までには、様々なアイディアが挙がっては消え、多くの時間を要した。

 「マカロニ・ウエスタンで行こう!」元信克則プロデューサーが路線を掲げてからは、早かった。第一稿を上げて以降、大幅な変更もなく、実際に撮影可能か否か、現場の状況等を見据えながら、順調に準備稿に進んだ。

 それでも、決定稿を出すに当っては、一言一句、語尾に至るまで、藤原健一監督と膝を突き合わせて、粘りに粘った。

 脚本で拘ったのは舞台設定だった。近未来、日本全土(本編では某国)が放射能に汚染され、世界から隔離されている――現在、原発事故で政府が指定している避難指示区域が、日本全国に広がったら、という風刺に挑んだ。

 野盗と賞金稼ぎの攻防に於いては、放射能問題と切り離し、争う両者に武器を供給して財を成す、軍事産業への批判を盛り込んだ。しかし、飽くまで設定上の問題で、物語では言及せずに、アクション娯楽作に徹している。

 ひとつ心残りなのは、尺等の問題で脚本上、定石である門番突破のシークエンスを、大幅に割愛せざるを得なかった事だ。しかし、亜紗美さん扮する仇役との因縁対決が際立って、結果は良い方向に転んだ。

 見所は勿論、アクションである。主演の明日花キララさんの奮闘は見応えがある。

 脇を固める役者陣も素晴らしい。岩永洋昭さんの存在感が映画全体を締めている。岸明日香さんの清涼感、河合龍之介さんの不気味さも良い。謎の女戦士、森下悠里さんもミステリアスだ。幸野賀一さんらも味がある。

また、狂言回しの泥棒役、けーすけさんの演技が、映画に良い化学変化をもたらしている。

 ニコ生放送、DVD発売も予定されているが、やはり劇場で観て頂きたい。

公式HP iron-girl2.com

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