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[映画] レス・ザン・ゼロ

昨日読み終わったアンソニー・キーディス(Red Hot Chili Peppers)の自伝の中に、ドラッグをやりながらこの映画を観ていたらロバート・ダウニー・ジュニアがまるで自分自身のように見えたと記述していた。ということで観てみたんだけど…確かにその自伝の中で描かれるアンソニーがそのまま映像化されたような作品だった…1980年代後半ロスの上流家庭に育つ3人の若者を描く青春映画。
   
もう薬には手を出さないと言ったその舌も乾かぬうちにまた薬に手を出してしまう、そんなことを繰り返して家族からも愛想を尽かされるという典型的な中毒者になったジュリアンを演じたロバート・ダウニー・ジュニアはまさに怪演。でもせっかく注目を集めたのに、ドラッグの問題で実際にその後そのジュリアンと同じ様な道を歩んでしまうというのがなんとも皮肉で…でもその後RDJもアンソニーもそこから立ち上がれたからホントによかったよ…。
    
ジュリアンは高校卒業後に人生で初めて挫折を味わっているという。それまで何不自由なく生きてきたのに突然何かのきっかけでこれまでに経験したことのない闇が自分の周りに拡がってきて、そこって単に金があったとしても抜け出せないものになってしまう、しかも意外に簡単に。そんなことを上流階級特有の冷たさを以って表現されながら、そんな冷たさを温めるような友情がもう一方でありつつも、その掛け合わせがどう作用するのかということを上手く表現していたと思う。そして、何も薬に限ったことではないその闇の拡がり方は他人事でもないんだなとも思う。
   
アンソニーの自伝で自分たちも少し出演していると書いてあったので楽しみにしていたんだけど、確かに”Fight Like A Brave”(これもドラッグに立ち向かうことについての歌か)がクラブで誰かが演奏している体で使われていてそのステージがちらりと映るけど顔までは全く分からなかった苦笑。クレジットにはメンバー3人がクレジットされてたね。
   
音楽はリック・ルービンがプロデュース。グレン・ダンジグとのタッグで作られたロイ・オービソンの”Life Fades Away“があまりにジャストであまりに悲しかったな…。
   

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