
俺の克巳がこんなに弱いはずがない 乙女の聖典~女子こそ読みたい「刃牙」シリーズ~その7
皆さんは、床に倒れて推し(だれか)の名を、呼び続けたことがありますか。その推しが、対戦相手にワンパンで負けたことがありますか。
私はあります。
寄せては返す恋情に、今宵も背中の鬼が哭(な)く。
『グラップラー刃牙』33巻~42巻、最大トーナメント後半戦(準々決勝から)を語ります。
いや、冒頭から何ですけど、準々決勝の愚地克巳(おろち・かつみ)vs烈海王(れつ・かいおう)、まあ私も烈さんが勝つとは思ってましたよ。烈さんはここまで無傷だけど、克巳は花山薫に前歯ぜんぶ折られるほどダメージ受けてたから。ただ、まともに戦っても烈さんが勝つはずなのに、開幕目つぶしは可哀相だからやめてほしいかナー?と思った。
それより対戦前に、克巳がヒョウ柄のパンツ一丁になったシーン、あれは実質、優勝じゃないですか。ねえ。どうですか。もういいんじゃない? 克巳が優勝で。
(イイ感じだ…… とっても……)
しかしこんなピタピタのパンツで、いやピタピタなのは嬉しいけど、いまいち具の存在を感じさせないのはどうなのか。対戦前から、玉のみならず竿をもコツカケ(※注1)してるのか。あるいは克巳は女の子だったのか。それで思い出したが「刃牙」に出てくるだいたいの男性がけっこうな巨乳。胸の谷間を見てると完全にグラビアアイドルだし、もっといろんな雑誌の表紙とか袋とじを飾れ。
そういう重要な気づきを与えてくれた克巳に感謝。ありがとう克巳。5歳時の克巳の天才美少年ぶりも見られて本当に良かった。総合的な視点で見れば優勝といえる。中国4000年にはさすがに負けたし、対戦前の「核兵器vs竹ヤリ」という煽り(※注2)が、今となっては読んでる方も恥ずかしく、完全に克巳が竹ヤリだったが、むしろ核兵器とか絶対に使用禁止だし、竹ヤリは環境に優しいから、もうそれ追及するのやめて。
『グラップラー克巳』~完~ おうちでおソバ食べよう(※注3)。
……というわけにもいかないので、他の戦いもアレします。嫌々語るように見えているかもしれないが、正直に言えば、準々決勝からの戦いで一番あっけなかったのが克巳vs烈海王で、他の戦いは全て見どころありまくりだった。克巳が弱いんじゃない、花山さんと烈さんが強すぎたんだ。
時系列が前後するが、まずは刃牙さんvs猪狩完至(いがり・かんじ)(※注4)。これまでにない直球の騙しうち戦法、これは引き込まれる。何も悪いことしてない主人公が、ふいうちで金的を強打され、白目をむき、股間を押さえて倒れ伏すような格闘マンガ、他にある?(あったら教えてください) さすが板垣先生は刃牙さんに対して容赦がない。最大トーナメントがらみで、これまですでに2個の金玉が潰されている(※注5)が、ここでついに3個目が母さんに捧げられるのか……?と観客が固唾(かたず)を飲んで見守る中、刃牙さんの金玉は(たぶん)無事でした。
そんなゴールドエクスペリエンスに続き、まさかの「死んだはずの、朱沢江珠(あけざわ・えみ)=刃牙さんの母親(に変装した女性)が出現」で、刃牙さんのメンタルを削る戦法。いいけど、刃牙さんの家庭環境が他人にこんなに知られてるのはいかがなものか。江珠が殺されたあの場所にいた誰かが、ペラペラしゃべってるのか。人が死んでんねんぞ。
ただ猪狩も、そこまで刃牙さんの家庭環境を知ってるなら、刃牙さんのメンタルの強靭さについても知っておくべきだった。ダイヤモンドは砕けない。むしろメンタルがめきめきと回復した刃牙さんは、猪狩に対し数々のプロレス技をかけかえし、さわやかな完全勝利を収めた。
ここで満を持して飛び出したのが、刃牙さんのシャワーシーンだ。
(シャイ! シャイ! シャイ! シャイ!)(手拍子)
これを見て読者の心中に去来する、「(シャワーシーン)ありがとうございました」という圧倒的感謝が、紙面左端に活字となって浮かび出たのかと一瞬驚く。そんな粋なサプライズもあり、日々の疲れが癒される私であった。刃牙さんアリガトウ……。なんか刃牙さんの配置されてたAブロック、いま見直すと、心なしか、あんまり強い敵が居ないですよね。
準々決勝第三戦は、ジャック・ハンマーvsアレクサンダー・ガーレン……。
実は以前にWikipediaを薄目で眺めていたとき、ジャック・ハンマーについて「勇次郎の息子」「刃牙の兄」という文章が見えてしまっていたので、「まあ決勝進出するんだろうな」という予想ができていた。しかしこの前提知識がなければ、私はここでガーレンが勝つと予想したかもしれない。ガーレンは初登場時に、見開きで全裸大開脚だったので、有無を言わさぬ強キャラ感があったからだ。何の必要があって全裸大開脚なのかはわからないが、セルゲイにおしおきをするときは、いつもそうなのだろう。
(ガーレンの座っている謎のスツール?も気になるところ。)
そんなガーレンのいでたちと、ジャック・ハンマーの「好みのタイプだ」(※注6)という告白があいまって、いやがうえにも股間が昂(たかぶ)るこの試合。ガタイのいいスキンヘッド男性2人がピタピタの服を着用しての、ガチンコ対決のゆくえはどうなるのか。ジャック・ハンマーが、セルゲイのようにおしおきされてしまうのか。
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