89 The Beatles / Get Back
中学３年の時、ザ・ビートルズの映画『レットイットビー』が上映されました。おそらくたくさん見に来るだろうと、スカラ座（宝塚会館）にエレベーターも動いていない大分前から先頭に並んで、福岡で最初に見られたことをひとりで喜んでいました。（笑）
その頃は、「レット・イット・ビー」や「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」といったバラードの曲の方が分かりやすくてなじめましたが、あとから「ゲットバック」や「ドントレットミーダウン」といったリズムを身体で感じられるものの方が好きになりました。
曲はレコードをたくさん聞いて知っていましたが、演奏する姿を見ることはそうそうなかったので、本当にかっこいいなあと思いました。ビルの屋上から大音響で演奏して、街を行く人々が見上げたり、警察官が取り締まりに来たりするところも映像におさめてあって、「こんなことしていいのか！」「さすがにビートルズは規格外だ！」というような興奮した面持ちになりました。
ビートルズが解散するとかしないとか、大人の事情はよくわからないし、やきもきしてもどうしようもないことに、この世が終るような不安を抱えたりしていました。本当はそうでもないことを、大事件のように友だちにしゃべって、俺はザ・ビートルズを知っているぞ、とひけらかしたかったのかもしれません。でも、ほとんどまわりの誰も興味がなくて、空振り三振でした。
応援よろしくお願い致します。