32 三波春夫 ☆ 俵星玄蕃

【MY FAVORITE SONGS 32(私は音楽でできている)】

 子どもの頃、たくさんあった歌謡番組は結構見ていましたが、家族が洋風のポップス系が好みだったせいもあって、演歌にはあまり親しみがわきませんでした。三波春夫さんは「チャンチキおけさ」「東京五輪音頭」「世界の国からこんにちは」などのヒット曲とともによく知っていましたけれど、ほとんど関心がありませんでした。

 学生の頃、特に1~2年生の頃、パチンコが日課でした。ほぼ毎日、パチンコ月世界(現パーラーゾーン西新店)の228番で打っていました。夏はクーラーで体が冷えるので、長袖、長ズボンで行くほど長時間やっていました。当時の月世界の終了金額は、3000円~3500円で、ちょうど昼過ぎに終了したりすると、友達が集まってきて、ボンコアン(喫茶)で昼飯をたかられたりしました。

 その月世界の店員が三波春夫さんの大ファンらしくて、しょっちゅうかかっているのが、「俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」でした。毎日々々聞いているうちに、ほぼ完ぺきに歌えるようになってしまいました。
 
大分後になってから、「俵星玄蕃」は赤穂浪士からヒントを得ていること、三波春夫さんの作詞であること、そもそも三波春夫さんは、戦前浪曲師として一世を風靡したこと、「お客様は神様です」で知られたエピソードなどを知りました。

 神田伯山(松之丞)さんなどの活躍で、比較的講談は知られていても、浪曲(浪花節)の存在を知っている人は少ないのではないでしょうか。私は全然熱心なファンではありませんでしたが、三波春夫さんなどを通して、浪花節や演歌にも触れて、日本人が愛してきた心情や音曲の源流に少しだけでも浸れてラッキーだったと思います。

応援よろしくお願い致します。