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Ep10 リチャード 活字離れを憂う

私が子供だった頃は、Library Car なる「図書車」が週に一度村に来て、テレビもまだ無かった時代だったから、大人も子供もそれを楽しみに本を読み漁ったものだ。そのおかげで正しい英語が話せるし、書けるようになったものだが、今の若者は本を読まない。日常生活に支障はきたさないものの、言葉の身のつき方としては浅いものになってしまう。ひいてはそれは、自国の文化を正しく受け継いでいると言えるのだろうか・・・現代の若者の活字離れを憂うリチャード。

デジタルの波に押し流され、活字が居場所を失いつつあるこの現代。メディアに乗っかるコンテンツは、リアル、写実的、口語的。そういう方向に傾いてきているから、まわりくどいモノの言い方や表現は、人々の言葉の選択肢から知らず知らずのうちにふるい落とされていく。

そんな果てに、慣用句、ことわざ、比喩、古語、そうした文化の脂とも言える「言葉の旨味」が世の中から消え去れば、それはきっととても味気ないことだろう。はて、どうやって活字と親しんでもらったらいいのだろうと、自分のムスメの将来のことをぼんやり考えた。

憂いモードの2人。しばらく沈黙が続いたので、タイ正月は何をしてたの?と聞いてみた。すると「家でお気に入りの番組の動画を山ほどダウンロードしてたよ」とリチャード。言葉の番人である彼もまた、活字離れのデジタル時代にどんぶらこっと流されている一人なのであった。

画:久保雅子 www.masakokubo.com/

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