木下富美子(木下ふみこ)都議会議員の交通違反と行政処分

この稿では、自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷罪)や道路交通法違反(報告義務違反(事故不申告)ほか多数)の嫌疑で、警視庁より「厳重処分」の意見つきで書類送付(送検)され、起訴を待つ木下富美子(木下ふみこ)東京都議会議員の交通違反と行政処分について整理してみたい。


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3年間で免停5回…先日、無免許運転で事故を起こした疑いで都民ファーストの会を除名された木下富美子都議に新たな疑惑が浮上した。
ちなみに捜査関係者によると、木下都議の過去の違反の内訳は速度違反が2回、携帯電話使用が2回、信号無視が1回、一時停止無視が1回という交通違反常習者だから驚きだ。
3年で5回の免停 “無免許”都議は「絶対に辞めない」 舛添氏「一人で会派作れば、政務調査費が月に何十万も出る」 _ 国内 _ ABEMA TIMES 
2021.07.26 19:36)

ABEMA的ニュースショーによると木下都議の免許停止処分は5回にものぼるという。

ところで、「新たな疑惑」としてここで取り上げられていた、木下都議の仲宿商店街爆走原付運転動画を発掘した暇人は、なにを隠そうこの私だ。4月3日に撮影されたこの動画は木下都議の免許停止期間外(後述)の合法的なもので、無免許運転にはあたらない(とはいえ免停期間中の複数回にわたる無免許運転は、別の証拠によって高島平警察署や板橋警察署の緻密な捜査によって裏付けられた)。

686ニューノーマルの名無しさん2021/07/09(金) 12:49:16.67id:sqXlVM/T0
原チャを運転する大先生発見!!
我ながら恐ろしい執念w
https://www.youtube.com/watch?v=-SHcZYWO28g&t=77s

でもこれ4月頭だから90日だったらギリ免許持ってんだよなー。

↑(【無免許事故】<木下富美子都議>HPでコメント「猛省しております」去就は明言せずは「私にいただいた29767票の重みを踏まえ..」 [Egg★]
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1625779703/686 )


高島平2_2

捜査関係者への取材で免停となるのは、これで4回目で、4回目の免停期間は4月14日から事故が起きた今月2日までだったことも新たに分かりました。
事故発覚直後、JNNの取材に木下都議は「スマホを見ながら運転して免停になった。停止期間は2日までだったのに勘違いした」と話していましたが、その後は一切、取材に応じていません。

【独自】“無免許”都議“当て逃げ”か 被害者がJNNに初証言 - YouTube(2021/07/22)より

JNNは免許停止期間が具体的に2021年4月14~7月2日80日間であると報じている。そしてその回数は4回目だという。ABEMA記事における5回との齟齬はどこから来るのか。

交通違反によって免許停止などの行政処分が科せられるとき、前提となるのはその違反の時点から過去3年間の処分歴(前歴)である。しかしこれは、3年間のうちに無事故・無違反の期間が1年あったとすると例外的な優遇措置として、一度処分の履歴と違反点数が(見た目だけ)減算、あるいは累積されない事などがある為、処分の単純な合計回数を示すものではない。

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運転記録証明書の見方 - yabukan ページ!より

上掲参考画像の場合、「運転記録証明書」申請者の照会時における「行政処分の前歴」としての表現は0回であるが、過去3年間の実際の処分回数は1回である。

つまり木下都議の免停回数を、JNNの動画では(今年7月までだった免停処分のきっかけとなった)違反時の「行政処分の前歴」が3回だったので、4回目とカウントし、ABEMAの記事では、過去3年間の単純な処分回数の合計として、それを5回だと表現したのではないかと考えられる。

JNNの動画にある具体的な免許停止期間が80日である点と、「スマホを見ながら運転して免停になった」との木下都議本人の証言が、きっかけとなった違反時の「行政処分の前歴」が3回だった事を示している。

というのも、80日という免許停止期間は、停止処分者講習の受講を経て日数が短縮された場合にしかあり得ない(行政処分基準点数 警視庁長期講習 警視庁)。そして2019年12月1日より厳罰化された「ながらスマホ(保持)」の違反点数は3点であるので、木下都議における(今年7月までだった免停処分のきっかけとなった)違反時の状況は、過去3年間の「行政処分の前歴」は3回、違反点数3点、本来の免許停止期間150日、停止処分者講習(長期講習における考査の結果(優)、短縮期間70日)をへて80日、と類推することが出来る。

木下氏は取材に「事故を起こしたのは事実。2月ごろに免許停止になったが、事故当日は停止期間が終わったと勘違いをしていた。公人でありながら本当に申し訳ない」と話した。(都議選で当選の都民ファ木下氏、選挙期間中に無免許運転か 除名処分に:東京新聞 TOKYO Web 2021年7月6日 06時42分)

犯罪行為の発覚直後、この供述が木下都議の免停期間をめぐって混乱を招いた。免許停止などの行政処分は、交通違反の取締りと同時に決定される類いのものではなく、後日処分通知書が送られて来て出頭し、手続きに入ることとなる。木下都議の証言を意訳して補足するとつまり、

2021年2月頃の「ながらスマホ(保持)」違反が免許停止のきっかけとなり、実際の処分期間は4月14日から7月2日までの80日間であったが、事故当日は停止期間が終わったと勘違いをしていたというのは真っ赤なウソ。

ということのようである。というわけで、この私が見つけ出した(←しつこい)木下都議の原付運転爆走動画はこの期間より前(2021年4月3日)なので、その時に限っては違法性は無い。

そして、二度と過ちを繰り返すことがないよう、自らを戒め、今後、自ら自動車、バイク等の運転を致しません。(都議会議員 木下ふみこ 都民の皆様へ)

報道されてはいないが免許停止期間中の犯罪行為により、木下都議に対する行政処分は免許取消へと重きを増した。免許取消処分は、運転免許の再取得が出来ない「欠格期間」の長さによって差がある。無免許運転(違反点数25点!)を6つ別個に(無免許過失運転致傷とはさらに別に)事件化しているから、それだけで違反点数は150点にもなる。木下都議の欠格期間は、その最大の10年である。

「自らを戒め」るより前に、既に行政から運転を禁じられてるし、「運転を致しません」ではなくて、向こう10年は自動的に運転は出来ない。

反省を表している様に見えて実はそうではなく、本人はまったく状況を理解していないことを示す、極めて愚劣で馬鹿げた腹立たしい一文である。

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