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【動画】IP vs BB SRP マージドレンジ チェックレイズ戦略

近頃個人的に勉強していた、IP vs BBの2ベットポットでIPの小さいCBにBB側から小さいチェックレイズを返す戦略について動画にまとめました。

ある種のフロップで直感的にはチェックコールしたくなるようなマージナルなハンドをレイズレンジに組み込んで小さいレイズを行うケースについて、piosolverの結果や集合分析を使って解説しています。

興味があればぜひご覧ください。しゃべりがゆっくりめなので、Youtubeの再生設定で1.5xくらいでご視聴いただけるとちょうどいいかもしれません。

概要

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流行しているIPの小さめのCBに対して、BB側がひろ~いレンジでチェックレイズを返す戦略がテーマです。

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752ttボードの場合のBBのチェックレイズ戦略です。BBは大小のレイズサイズのうち小さいものだけを使い、レンジ全体の24%もの高頻度でレイズします。レイズレンジの中には直感的にはチェックコールしたいトップペアウィークキッカーやミドルペアといったマージナルなハンドも含まれています。

このようなポラライズされたレンジよりも広くていろいろなハンドを含むレンジのことをマージドレンジと呼んでいます。

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対照的にA92ttでは大きいレイズサイズが選択され、ポラライズしたレンジでレイズしています。

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どういった場面でマージドレンジでのチェックレイズが必要かを調べるために集合分析をしています。

フロップのハイカードごとにBBのレイズ戦略を集計した結果によると、ミドル・ローボードではマージドレンジでの小さく高頻度なチェックレイズが支配的になります。ハイカードが大きくなるほどよりポラライズした戦略がよくつかわれるようになります。

これはトップペアのようなハンドでレイズしてIP側のごみハンドをフォールドさせることで得られるプロテクションの利益がローボードほど大きいことが理由の一つだと思われます。つまり、Aハイボードトップペアウィークキッカーを持っている場合にはターン以降でオーバーカードが落ちてごみハンドに逆転されることはありませんが、7ハイボードではJToのようなハンドでさえ25%程度のエクイティがありレイズすることでそれを放棄させることが利益になります。

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ペアボードでは小さいレイズが支配的になります。ペアボードでは両者ともにメイドハンドの割合が小さくなり、IP側のCBレンジもマージドなものとなることから、ポケットペアなどを積極的にレイズすることで得られるプロテクションの利益が大きくなります。

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ターン以降のプレイに関しては(気合が出れば)また別の動画を作りたいと考えています。

用語集

(用語がわからんとの声をいただいたので)

IP: インポジション、ポジションがある側のプレイヤー

OOP: アウトオブポジション、ポジションがない側のプレイヤー

ポラライズ(レンジ): あるアクションをするときに持ちうるハンドがすごく強いのと弱いの(バリューちブラフ)にくっきり分かれているような状態

FD: フラッシュドロー

OESD: オープンエンドストレートドロー

GSSD: ガットショット

MDF: Minimum defense frequency, 長くなるので割愛

エクイティ: この記事の中では単純にハンドやレンジの勝率という意味で使ってます

EV: 期待値。以降のアクションも考慮してあるアクションをとった時に長い目で見てどれくらいチップを取れそうかを表す数字。そのアクション以降にどういう戦略をとるか、相手がどういう戦略をとるか、に依存するので勝率などと違って単純に計算できるようなものではない。piosolverなどを使うとお互いが均衡戦略をとった時のEVは求められる。

参考文献

Merged Flop Raising From the Ground up | Run It Once
Key Concepts: Protection Run It Once
Bet SizeとDefense戦略の関係 by Lilian

ということで

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