見出し画像

不適切なレンジベットへの対応ケーススタディ BU vs BB 2bet pot K55r

強いレンジを持っているIPのオリジナルレイザーがレンジ全体でフロップCBする戦略は実践するのが簡単な上にとても強力です。こうしたフロップレンジCB戦略が強力な理由は、多くの場面でGTO戦略のいい近似になること、弱いプレイヤーに対する自然なエクスプロイトになっていることだと思います。

この戦略は強力であるがためにそうすべきでない場面(フロップ、ポジション)でも濫用されがちな傾向があります。しかしながら、「弱いプレイヤーへの自然なエクスプロイトになる」と述べた通り、こうした適切でないレンジCBでさえもディフェンス側の戦略がまずい場合には有効なエクスプロイト戦略となってしまう場合があります。

ディフェンス側のプレイヤーとしてこのような事態に陥らないためには、(1) ベット側の戦略を仮定しないディフェンス戦略 (2) 不適切なレンジCBに対するカウンター戦略のふたつについて考える必要があるでしょう。この記事では、IP側がレンジCB戦略が適切ではないが、レンジCB戦略を取るプレイヤーが多いであろうシチュエーションのひとつであるBU vs BB, 2bet pot, K55レインボーをとりあげてこの場合の (1) (2) をソルバーを使って検討します。

IP側の均衡的な (GTO) CB戦略

おそらく多くのプレイヤーの直感に反して(?)、このボードではソルバーはレンジCB戦略を選ばず、小ベット53% チェック 47%という戦略です。BU vs BB 2bet potのペアボード、しかもKハイとなればレンジでベットしたくなる方も多いのではないでしょうか。少なくとも自分はそうです。

ここから先は

2,366字 / 4画像

¥ 980

ソルバーによる解析を軸にいろいろな動画の作成や記事の執筆をしたいと思います。