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NTT、GAFAから人材取り戻せ 全社横断「アルムナイ」網の未来

皆さんは、アルムナイ採用をご存知ですか?

NTTは9月6日に「アルムナイ(卒業生)採用」を活性化するイベントを開催しました。退職した元社員と現役社員がNTTグループの事業やビジョンについて議論し、米テック大手などに流出した人材が復帰しやすい仕組みを整えています。この取り組みの背景と未来について考察します。

アルムナイ採用の目的と背景

NTTは長年にわたり終身雇用を前提とした年功序列の人事制度を採用してきました。しかし、近年のIT業界における人材獲得競争が激化し、多くの優秀な技術者がGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの米テック大手に転職する動きが目立つようになりました。これにより、NTTグループは「GAFA予備校」と揶揄される事態に直面しています。

NTTの島田明社長は、2022年に民営化以来最大の人事制度改革を進め、専門性やスキルに基づく評価制度を導入しました。この改革により、中途採用者の獲得を強化し、退職者の再採用(アルムナイ採用)を促進しています。

イベントの詳細と参加者の反応

今回のイベントには、約250人が参加し、想定を上回る応募がありました。参加者の中には、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米セールスフォースなどに転職した元社員も含まれており、退職理由や復帰の可能性について語りました。このイベントは、NTTグループ全体での初の試みであり、大きな関心を集めました。

参加者からは「NTTが人生のゴールじゃないと思った」「想定以上の金額でオファーをいただいた」などの声が上がり、フロアが沸いた瞬間もありました。NTTグループは、こうしたイベントを通じて、退職者とのネットワークを強化し、企業風土になじみのある即戦力の人材を引き戻すことを目指しています。

アルムナイネットワークの構築と未来の展望

NTTのアルムナイ採用は、単なる人材復帰の手段に留まらず、退職者との接点を活かした既存事業の拡大や新規事業の創出にも貢献する可能性があります。現に、NTTの勝山健執行役員やNTTドコモの前田義晃社長のように、他業界で経験を積んだ人材が復帰し、グローバル事業やリクルート出身の視点から新たな価値を提供しています。

NTTで人材戦略を担当する小貫大輔課長は「卒業生が次のキャリアを考えるときに向けてドアは開いておきたい。NTTと様々な形でつながってもらいたい」と話し、今後も定期的な交流イベントの開催やNTTのサービス評価を計画しています。

未来の予測

今後、NTTのアルムナイネットワークはさらに拡大し、退職者が再びNTTグループに戻る動きが加速するでしょう。これにより、NTTは業界内での競争力を維持・向上させるとともに、新たな事業機会を創出する力を持つことになります。また、他の企業も同様の取り組みを始めることで、労働市場全体における人材流動性が高まり、より柔軟でダイナミックな雇用環境が生まれることが期待されます。

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この記事を通じて、NTTのアルムナイ採用の背景や今後の展望について理解を深めていただければ幸いです。アルムナイネットワークの構築が、企業にとってどれほど重要かを再認識するきっかけとなるでしょう。

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