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【AZ】Zach Daviesと再契約【ARI】

 中山金杯&京都金杯の買い目について悩んでいたところD-backsが先発投手のZach Daviesと再契約したことが報じられました。1年500万ドルに300万ドルのボーナスがつくとのことです。

 以前別の記事で触れましたが、D-backsは明らかに救援投手の質が低いチームです。そんな中、なぜ先発投手か?という点も含めてコンパクトに解説していこうと思います。

Zach Daviesってどんな投手?

 そもそもDaviesとはどんな投手なのか?一言で言ってしまえば「模範的なバックエンドスターター」に尽きるでしょう。直球の平均球速は140km/h中盤と決して速くはありませんし、目を見張るような変化球もありません。投球の半分を占めるツーシーム(シンカー)と3割強を占めるチェンジアップを主体に打たせて取る投手です。投球スタイルゆえに奪三振能力は高くなく、圧倒的な投球は難しいのですが、とにかく先発してある程度試合を作ってほしい!というニーズは満たせる。そんな投手です。

昨年はお世話になりました

 2015年にブリュワーズでMLBデビューを果たしたDaviesは翌年から先発ローテーションに定着。堅実にローテーションを守っていたDaviesですが、2020年オフに移籍したカブスでは絶不調。2021年は28試合、148イニングを消化するも6勝12敗、防御率5.78と苦しみ、fWARで見ても-0.1と、キャリアで初めてWARが0を下回ってしまいます。そして奇しくもDaviesはこのオフでFA。こんな状態でメジャー契約を提示する球団があるわけも……


ありました。

 
 まともに試合を作れる先発投手が3人しかおらず、しかもサラリーをたくさん払いたくない上に、マイナーから若手を無理やり昇格させて投げさせたくもない、などと考えていた(であろう)D-backsが開幕直前の3月24日にDaviesと契約。年俸は150万ドルと、それはそこそこ実績ある先発投手に提示していいのか怪しいレベルの格安契約を結びます。

 何はともあれD-backsの一員となったDaviesは前年よりは成績を良化させ、28試合、134 1/3イニングでfWAR0.5を記録しました。サラリーを考えればまずまずの投球と言っていいでしょう。その後Davies側が一度オプションを破棄してFAとなりましたが、改めて契約を結び直したのが今回の契約です。


今回の契約について


契約の意図

救援投手不足がことさらに叫ばれているD-backsですが、だからといって先発投手が潤沢というわけではありません。Zac GallenMerill Kellyの2本柱はある程度盤石ですが、それ以降は不安定な投球が続いているMadison Bumgarnerや実績不足の若手であるRyne NelsonDrey JamesonTommy Henryに頼らざるを得ません。一方でD-backsは上述の3人に加えBrandon PfaadtBlake WalstonSlade CecconiBryce Jarvisといった先発投手の有望株が2023年中のMLBデビューを見据えています。このような状況から若手昇格まで堅実にローテーションを守ってくれる先発投手が求められていたと言えるでしょう。Daviesはこの点で適任と言えます。開幕は先発としてスタートし、シーズン途中でトレードで移籍という形になれば理想だと考えています。

気になる部分

Daviesの成績を考える上で最も気になるのはシフト規制との関係性でしょうか。Daviesは通算K%(三振/打者)が17.4%と、MLB平均(22%前後)と比べてもかなり低い投手です。一般的に投手は打球の飛ぶ方向や飛距離をほとんど左右できないとされているため、奪三振を取れないということはランナーを出塁されるリスクをそれだけ高めてしまっていることになります。

 近年は相手打者に合わせてシフトが敷かれることにより、フィールドにヒットを打たれる可能性は(少なくとも以前よりも)低くなっていました。しかし、2023年度からシフトが規制され、以前ほど極端に守備位置を変えることはできなくなります。Daviesのような打たせて取る投手にとっては確実に逆風になることでしょう。いくらDbacksの守備陣が優秀と言えど、どの程度の成績を残せるかというのはやや気になる点ではあります。とはいえ元々快刀乱麻の投球が期待されているわけではありませんので、2022年より多少落ちてもなんとかイニングを消化してくれれば……と思うところですが。


まとめ

  • Daviesは打たせて取るタイプのローテ下位タイプ

  • 前年度まずまずの成績を残して再契約

  • 先発不足解消&若手昇格までのイニング消化を期待

  • シフト規制がどう影響するかが少し懸念

今回の記事は以上になります。先発陣にもテコ入れをしたということで、またD-backsの買える要素が増えたのではないかと思います。ぜひ今からでも単勝を買い増ししていただいて、秋のプレーオフ戦線でいい思いをしましょう(応援してください)。よろしくお願いいたします。

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データ参照


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