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液体漂白剤でつけ置きしても翌日には復活する激臭タオルを生き返らせる方法をやっと見つけた

クサい。

我が家のタオルが「マジで」クサい。

子供が生まれてからというもの、洗濯があがっても手が離せなかったり、そもそも洗濯物の絶対量が増えて次の洗濯までのインターバルが長くなったりして、生乾き祭り。ただでさえ異臭を放っていたタオルたちが限界を迎えた。

今回は、その問題解決までのアプローチを紹介する。

ちょっと長くなりそうなので、結論を先に知りたい人はこのツイートを見てくれ。

さて、結論は提示したので、ゆっくり書こう。

どんくらいクサいタオルを復活させたの?とか、液体じゃダメなの?とか私の実体験に基づいた試行錯誤と問題解決までの経緯と知りたい人は以下を読んでくれればいい。

この処置から1か月以上経過したが、あんなに即復活していた悪臭がまったくない(2020/07/28追記)
1回ちゃんと根絶すると効果が持続するっぽい。すごい!最高!

拭いたら体が臭くなるという限界タオルたち

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まず、洗濯直後の段階ですでにクサい。

タオルを干している部屋全体がクサくなるほどにクサい。

乾いてもなおクサい。

使用直後は限界を超えてクサい。

拭いた体にその芳醇なスメルがうつるほどにクサい。


液体漂白剤すら無に帰す激臭

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私もバカではないから、何度かは液体漂白剤(ワイドハイターEX)につけ置きしたりして対策を打ってきた。

しかし、漂白した翌日には元の木阿弥。ぶっちゃけ、漂白直後に洗濯からあがってきた時点で若干臭うレベル。

もういっそのこと、我が家にあるタオル29枚、すべて買いなおそうかと思っていた。

しかし、せっかく夫婦そろって大学院まで出ているのだ。もう少し実生活に理系的な問題解決のアプローチを取り入れようではないか。


クサい原因はなんなのか

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タオルの悪臭の原因が雑菌ということは大抵の人は知っているだろう。

ただ、「漂白剤で死なないってつよつよすぎない?」と思ったので調べてみた。敵を知り己を知らば百戦危うからず。敵すら知らなければ敗北は必至である。

どうやら2011年には悪臭の原因菌が「モラクセラ菌」だということを花王が突き止めたようだ。

このモラクセラ菌は常在菌でそこら中に存在するうえに、乾燥や紫外線にめっぽう強く少々の天日干しをした程度では根絶は難しいということらしい。

最悪じゃねえか。

しかし、隠れた弱点もあってそれが「」らしい。普通の洗濯環境だとしぶとく生き残るが、熱にはけっこう弱く60℃くらいで死滅するとのこと。


よろしい、ならば熱湯だ。

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そうと決まれば、煮沸消毒だ。

汚物は消毒ダァ〜〜〜〜!!!と言わんばかりの勢いで熱湯にぶち込んでやった。

念には念を入れて漂白剤もプラス。どうやら、弱酸性の菌なのでアルカリ環境には弱いということで、「粉末」の酸素系漂白剤を使った。

これ何気にめちゃくちゃ重要な情報なのだが、液体漂白剤と粉末漂白剤は同じ酸素系漂白剤でもまるで別物だということを初めて知った。

原理の話は各自で調べてもらうとして大事なのが以下のポイント。

液体」漂白剤を溶かした水は「弱酸性
粉末」漂白剤を溶かした水は「弱アルカリ性

つまり、汚物を消毒したいなら「弱アルカリ性」の「粉末」漂白剤を使うしかないのだ。

先ほどリンクを貼った液体タイプのものと同じメーカーが出ている同じ名称の漂白剤なのに、液体と粉末ではまるで違うとは驚きである。

▼汚物を消毒している様子

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結論から言うと、このあとメチャクチャ臭い取れた。


鍋で煮詰めるのダルすぎん?

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熱湯で煮沸したら超絶完璧に臭いはキレイサッパリぶっ飛んでくれたわけだが、家にあるタオル約30枚全部を煮沸するかと思うと気が遠くなった。

解決策があっても実現可能でなければ意味がない。ラーメン屋の寸胴鍋みたいなのがあればまだいいが、そんなものはない。

しかもめちゃくちゃミスったポイントがひとつあった。

アルカリ質だとアルミ鍋のアルマイト処理が死ぬ

いや、アルミニウムが両性金属なのは知識としては知ってたよ。なんならこれでも冶金学科で修士号とってるからアルマイトを苛性ソーダで剥がすということも知ってるんだけど。

強アルカリじゃないと溶けないだろうなと甘く見ていた自分がバカだった。やはりね、現場現物の体験を伴わない知識なぞクソの役にも立たないのだということを痛感。3現主義は一理あるぞ。

▼死んだアルミ鍋

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無残にもアルマイトが剥がれ落ちてアルミ表皮が露出している。我が家で最大サイズを誇る鍋がお亡くなりになってしまった。

というか、粉末漂白剤の成分である過炭酸ナトリウムのSDS見たら普通にアルミニウムへの腐食性について言及されてたわ。

危険有害反応可能性 : アルミニウム、亜鉛、銅を腐食する。
引用元:Showa Reagents' SDS - Sodium percarbonate


現実的な解決策は、浴槽。

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熱湯っていうのも現実味ないし、鍋も死ぬしでいいことないので、代替案を考えた。

今わかってることは、原因となるモラクセラ菌は①熱に弱く、②アルカリに弱いということだ。

熱がダメなら、アルカリによる殺菌力を高める方向で解決するしかないな、と。

で、調べてみると粉末漂白剤を最も効率的に使うには40-60℃のお湯が良いそうだ。

というのも、粉末タイプは水溶してから成分が分解していく過程で漂白成分が放出される。そして、その効果は放出量×放出時間で決まるからである。

熱湯だと単位時間あたりの放出量は高まるが、一気に放出が終わってしまって打率が大幅に下がるらしい。

40−60℃くらいで時間をかけて持続的に放出させることにより、繊維のすみずみにまで漂白成分が飽和し、よく効くということだ。

モラクセラ菌の死滅温度が60℃ということもあるので、浴槽に給湯温度をMAXにして熱いお湯を30L、粉末漂白剤を150g、フェイスタオルを29枚投入した。

20分に1回くらいのペースでかき回しつつ、1時間ほど漬け込んで終了。

酸素系漂白剤は、分解過程で効果を発揮するため、漬け置いたあとの漂白力はあまりない。つまりそのまま洗濯機にぶち込んで他のものと一緒に洗ってしまえる。

控えめに言って、神。

気になる結果だが、完璧に臭いが取り除かれた。しかも漂白剤なだけあって、タオルも真っ白になって非常に気持ちがいい。


3000円のコストを170円に圧縮できた。

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風呂にお湯をぶっこむのに多少の水道代とガス代はかかるにしろ、タオル29枚でたかだかお湯30Lである。

普通にフルで150-200Lのお湯を張っても、1回あたりの光熱費は100-200円程度。平均的な単価で計算すると60℃で30Lのお湯だと約30円くらいだ。

それに粉末漂白剤が150gで大体140円なので、たったの170円で30枚のタオルが真っ白の無臭になる

これを臭いからと30枚全部新品で買い揃えたとすると、4000円はかかるだろう。

もし、あなたの家族が「わたしは今治のふかふかタオル以外認めない!」みたいなことを言い始めたらもっと高くつくわけだ。

まあ、私の場合はアルミ鍋を台無しにするというパワープレイを挟んだおかげで今治タオル10枚分くらいの損失を叩き出したわけではあるが……。

とりあえず、激臭タオルくさくさ問題を解決したいアナタへおすすめするのはひとつしかない。

「粉末」タイプの酸素系漂白剤だ。

詰め替えならもっと安い。


あと、浴槽が家にない人はコインランドリーで乾燥機にかけるという手もあるにはあるっぽい(業務用乾燥機は高温のため)。

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