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サーフィンの本質を考える


サーフィン哲学vol.2


以前、『サーフィン=自由』というタイトルの記事に、自分のサーフィン哲学的な事を書かせて頂き反響を頂きました。


今回は続編という訳ではありませんが、vol.2です。


自分のサーフィン論を言葉にしていきます。



旅先で出会った宝なる言葉



今から約10年前。


当時よく一緒に旅をしたビデオカメラマン、ドラゴン山岸さんと言う方と

カリフォルニアを旅をした時の話です。


良い波と上手いサーファー、カリフォルニアの持つかっこいいサーフィン文化に出会いたかった僕たちは、南のサンクレメンテから北のサンタバーバラまで、約2周間のサーフトリップをしました。


僕たちは、当時世界1と称賛されていたワールドツアーサーファー、”デーン・レイノルズ”を生で見たくて、デーンのホームポイント周辺を探索していました。


”ベンチュラ”という街に、デーンの属しているサーフショップ、ベンチュラサーフショップ(その名の通り)と言うサーフショップを見つけ



『デーンがボードに書いてる(ステッカーがないのかデーン自身のボードに”Ventura Surf Shop"とマジックで書かれていた)サーフショップだ!』
と言って、2人でテンション上がってそのままショップに入って行きました。


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«写真↑はデーン・レイノルズのサーフボード。真ん中のボードにVentura Surf Shopとマジックで書かれている»




僕は、サーフ用品はスポンサー様からサポートしてもらっているので、サーフショップに行ってもこれといって購入する物はないのですが、

現地でしか売ってない様なものには興味があるので、そこでしか売ってないものを探していました。


そこに、一人の(現地の)アーティストがデザインしたステッカーが何周類か売ってありました。


もう10年前のことで、他にどんなステッカーがあったかは全く覚えてないのですが、一枚のステッカーに衝撃的な言葉が書かれていた。



If you are thinking. You are not surfing.



直訳すると、


もしあなたが考えていたら、あなたはサーフィンをしていない。



衝撃的な言葉だった。


1サーフィン競技者として、カリフォルニア滞在中も、”どうすればうまく波に乗れるか?” を考えながらサーフィンしていた僕には刺ささるものがあった。


僕には、サーフィンのコーチがいなくて自分でサーフィン上達のヒントを探すしかない。
陸ではもちろん、海の中でも、どのようにボードに立ったらうまく乗れるのか?を考えながらいつもサーフィンをしていて、毎度サーフィンするたびに悩み、頭を疲れさせていた。
それに、海の中で考えている事でストレスを感じる事が多く、それが故に身体に力みも生まれて、結局良いサーフィンができない毎日を過ごしていたのです。


海から上がってもスッキリしない。


子供の頃に感じてた純粋な、サーフィンを楽しむという感覚が、その頃の僕には薄かった。


だから、そのステッカーに書いてある言葉を見た時、


今の俺の為にある言葉だ”


と本能的に思い、すごく嬉しい気持ちになった。


ステッカーは、同じものを2枚書いました。


 これまでサーフィンの練習をしてるつもりだったけど、サーフィンしてるつもりでサーフィンしてない。


海から上がってもスッキリしないあの感覚。


今の俺はサーフィンをしてないんだと思った。


どうやら、競技サーフィンにに執着している内に、大切な事を忘れてしまっていた様だ。


そう気づいて、そのステッカーと出会ってからの残りの旅は、海の中で考えるのをやめて



もっと気持ちよく、楽しく何も考えずに、まずはサーフィンをしよう 


と、気持ちを切り替えることができ、それからのサーフィンは本能的になれた。



身体は、考えながらサーフィンしてた時よりも動きが良くなり、トリップ終盤ではエアーも決まる様になった。


映像を見ても身体の動き方に違和感がなく、自分のサーフィンに自然な動きが生まれた。


そして、何よりもサーフィンをしていると言う気持ちの良い感覚を得れる事ができた。


サーフィンの本質を頭で理解しながら身体で体感することができた。


If you are thinking. You are not surfing.


このカリフォルニアで出会った言葉が、僕のサーフィン哲学として今日も生きている。


後日談になりますが、この言葉からヒントを得た僕は、その後カリフォルニアから帰国して2日後に開催された日本のプロサーフィン大会で優勝をしました。


この事は僕にとって初めての感覚で特別なものなので、また後日記事にしたいと思います。


話を戻します。



陸で考え、海では本能で


カリフォルニアで得たサーフィン哲学から生まれた

『陸で考え、海の中では本能でというスタイル』


よく楽しくサーフィンする事が上達に繋がるとか言うけど、まされにそれです。


経験上、考えながら行うサーフィンで良いサーフィンができたと言う感覚を覚えたことはない。もしかしたら、映像にはよく写ってる自分がいる場合もあるかもしれない。だけど感覚的に良いサーフィンができた!と思えた事は中々ない。


サーフィンはフィーリング。考えるものではなく感じるもの。


サーフィン上達には、もちろん何か考えてやる必要があると思います。ですが、曖昧な考えを海に持ち込まない事が大事だと思います。


海に入る前に、今日はここを意識しよう!とか最初に決めてやるのが1番良い。


だから僕は陸で考え、陸でイメージして、陸でイメトレをして身体に覚えさせ、海では本能でサーフィンするのが1番だと思ってます。


今回の記事で、僕が一番言いたい事は、


今、もし上達に悩んでいる人がいるなら、一度海の中で考えるのをやめて、


”とにかく気持ちよく楽しくサーフィンする事”をしてみて欲しいです。


きっと良い動きができ、気持ちよくなれて自分のパワーが上がると思います。




なぜならそれがサーフィンの本質だからです。



最後まで読んで頂きありがとうございます!



次は、僕がサーフィン上達の為に行なっている三つの事を書きます。

今回の記事を深堀りする内容も含まれます。

タイトルは『サーフィン上達について』にします。

有料記事になると思いますが、僕のサーフィン論にご興味を持ってもらえる方だけに読んで頂きたいと思っていますので、よろしくお願い致します。


田中英義







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