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とある理由から「暗殺者」をやめ、立派な一般庶民を目指すことに決めたアカマ。そのために、凄腕の美人暗殺者にある依頼をする。 はたして彼は、普通に生きていくことができるのだろうか? 文字数:約8000。読書時間目安:14分弱。 1 決意? 今日から俺は、一般庶民だ。もう、殺しはやらない。 うらぶれた路地を歩きながら、アカマは何度も自分に言い聞かせた。 数時間前、トムに最終連絡もした。 もう俺には依頼しないでくれ、と……。 アカマは暗殺を生業としていたが、悪
事件を起こして逃亡したプロボクサー、富樫巧。 しかし、それには事情があった――。 文字数:約8000。読書時間目安:14分弱。 小説投稿サイト「エブリスタ」に公開中の「First challenge」を改題し、多少手を加えています。 1 富樫巧 逃亡 目を覚ますと、すでに明け方になっていた。遠くの空が白んできている。 富樫巧は、慌てて上体を起こした。 狭く汚い公園のベンチだ。逃げまわってたどり着き、一休みするために腰掛けたのだが、つい寝入ってしまったらしい。