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マネージャーとして既存チームにどう入っていくべきか、とあるアイドルに教えてもらった話

先日 AKB48 を卒業した柏木由紀(ゆきりん)が、情熱大陸の TVer 限定インタビューのなかで心に刺さることを言っていました。

みんなと和気あいあいとやるのはもうさすがに無理だ。ちゃんと先輩をやる方にシフトチェンジしてから楽しくなった。
友達がいないというよりかは、かわいい後輩がいる。

17年間も AKB48 に在籍しているなかで30代にもなり、10代や20代の後輩と同じステージに立ち続けた彼女。10才以上も離れた後輩と歌って踊り続けた中での苦労や悩みは並々ならぬものだと思います。

それをどう乗り越えたか。ひとつの解が、前述の言葉に現れていました。
17年間アイドルを続けてきた彼女の思いは情熱大陸本編でも描かれていますが、考えさせられるところは多かったです。

※放送後1週間のみの限定公開なので、もう見れないインタビューです

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私はこの4月に中途入社し、エンジニアリングマネージャー(EM)として既存の開発チームにジョインしました。

20代や30代のエンジニアメンバーが主体であり、40代は私を含めて数名。幸いなことによいチームで、コミュニケーションに難しさを感じることは全くありません。

ですが、自分がこのチームのなかでどうあるべきか、年長者としてどうバリューを出していくか、当然考えざるを得ないですし、焦りさえも抱きます。

さらに自分は EM という役割です。すでにできあがっている開発チームと開発プロセスに対して、マネージャーとして自分がどのように入っていくか。この1ヶ月間、つねに探っていました。

破壊的な改革をマネージャーに就任したからといって断行したい欲求はありません。自分の思い描くあるべき形にチームを方向づけるようなことは積極的にはしたくはなく、むしろ可能であれば現在進行系の開発プロセスやプラクティスはそのまま継続してもらいたいです。

とはいえ、みんなと同じ視点で、まるで一人のメンバーであるかのように、雑用や管理を引き受けるだけの役割に収まるのも違っています。即戦力として EM という役割で採用されたのですから、それなりのバリューは出さないといけません。

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じゃあ、どうするのか。チームとの関わり合い、チームと自分との距離感をどう設計するか。

正解を得られない中で迷っていたときに、ゆきりんのインタビューに出会いました。

みんなと和気あいあいとやるのはもうさすがに無理だ。ちゃんと先輩をやる方にシフトチェンジしてから楽しくなった。

エンジニアの先輩として、ビジネスパーソンの先輩として一線を引いて接するという選択をする。これは明快だと思いました。経験値が多いことはプラス α な要素ではなく、そのことが明確な違いである。そして、自分はチームのなかで経験者という役割であると認識する。

現職においてはまだひよっ子であり、ドメイン知識は不足していて、使用しているプログラミング言語も未習得。キャッチアップするべきことは山ほどあります。

一方で、それ以外の汎用的で、応用可能な経験が山ほどある。そして、それらこそ、1年や2年そこらでキャッチアップされるようなものではない。自分の強みとして誇るべきものだし、その知見をうまく後進に伝播していくものなのだ。そう思えるようになって、少し肩の荷が楽になりました。

「先輩になるシフトチェンジ」がうまくいくのか、検証していきたいと思います。

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