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名古屋駅で買える天むすを食べ比べてみた


きっかけ

名古屋出身東京在住の私は、帰省の際に名古屋駅でよく天むすを買って帰ります。天むす好きなんです。同じような方が大勢いるのか、夕方以降にお弁当売り場で天むすを探すと売り切れていて買えない…ということもよくあります。そんな時は東京駅で買います。そう、名古屋の「地雷也」という天むすは東京駅にも売っているのです。なので私の中で天むすと言えば、長い間「地雷也」でした。

ところが先日、友人から「天むすと言えば千寿だよね」という話を聞いたのです。名古屋出身でありながら、私は「千寿」なる天むすを食べたことはおろか存在すら知らず…友人が太鼓判を押す天むすをぜひ食べてみたいと思い、次回帰省する際には必ず買おうと心に決めたのでした。

しかし、調べると「千寿」の天むすは2種類、2社別々で存在するようなのです。友人もそのことは知らなかったようで、さて2つの「千寿」はどう違うのか?地雷也との違いは?どれが一番美味しいんだい?ということが気になったので、今回3つを購入して調べてみました。

3つの天むす

左から「元祖天むす千寿」、「天むす千寿」、「地雷也」

2つの「千寿」は包装紙の色こそ違いますが、大きさや手書きのロゴもほぼ一緒です。ロゴに「元祖」の記載があるか無いか…細かい違いしかありません。

価格は税込で、以下の通り。
「元祖天むす千寿」 780円
「天むす千寿」 810円
「地雷也」 756円 (どうせなら758円にすればいいのに!)

2つの千寿

「元祖天むす千寿」の食品ラベル

「元祖天むす千寿」の製造は「日本ダイニングサービス(株)千寿本店名古屋製造所」となっています。

「天むす千寿」の食品ラベル

一方「元祖」が付かない「天むす千寿」は、「(株)藤森時計店(天むす本店)」が製造者になっています。時計て。

どちらも「本店」を名乗っていて訳がわからないのですが、どうやら「元祖」が付かない「天むす千寿」の方が、「元祖天むす千寿」からの暖簾分けのようです。そして天むすそのものは「元祖天むす千寿」が文字通り発祥で、その本店は三重県津市にあります。名古屋名物として浸透している天むすは、実は三重県発祥のものだったのです。

この辺りの事情は、名古屋のテレビ局「東海テレビ」がわかりやすく取材しています。

現在、名古屋駅で買える「元祖天むす千寿(三重)」は名古屋市中村区で製造されていて、「天むす千寿(名古屋)」は名古屋市中区大須で製造されているようです。ややこしいですね…前置きが長くなりましたが、中身を見ていきましょう!

見た目の違い

「元祖天むす千寿(三重)」の中身

「元祖天むす千寿(三重)」の包装紙を開くとこんな感じです。「本店 津市大門」の住所と電話番号の記載があります。このカードの色が「天むす千寿(名古屋)」の包装紙の色に近いので、ややこしさマシマシです。

「天むす千寿(名古屋)」の中身

こちらは、「天むす千寿(名古屋)」の中身。こちらも商標登録と書かれています。「元祖」の有無で別々に登録できたのでしょうか…

「地雷也」の中身

「地雷也」は包装紙の中におしぼりが入れられています。天むすは天然の竹の皮に包まれています(2つの「千寿」は竹模様のプリント)
「地雷也」のウェブサイトによると、

「竹の皮は風情があるだけでなくおにぎりの余分な水分は吸収しつつ、程良くおにぎりを保湿する優れた性質があります」

地雷也 http://www.jiraiya.net/ より

とのこと。

「地雷也」の食品ラベル

「地雷也」は名古屋市東区で製造されています。

「地雷也」は袋ごと加熱OK

それでは、天むすそのものも見ていきましょう!

「元祖天むす千寿(三重)」の天むす

「元祖天むす千寿(三重)」の天むすです!丸々と大きく、海老天がしっかりご飯に包まれています。5つ入りです。

「天むす千寿(名古屋)」の天むす

こちらは「天むす千寿(名古屋)」
こちらも海老天をしっかり包むスタイルで、「元祖天むす千寿(三重)」そっくり。同じく5つ入り。

「地雷也」の天むす

こちらは「地雷也」
2つの「千寿」とは異なり、海老天を露出するスタイル。天然の竹皮効果を活かすためアルミホイルはありません。こちらも、やはり5つ入り。

3つを並べてみた

3者を並べてみると、「地雷也」だけ方向性が違いますね。大きさも「地雷也」だけ小ぶりに見えます。

重さを計ってみた

「元祖天むす千寿(三重)」の天むす1つの重さ

「元祖天むす千寿(三重)」は46g

「天むす千寿(名古屋)」の天むす1つの重さ

「天むす千寿(名古屋)」は54g
見た目は「元祖天むす千寿(三重)」と同じですが、「天むす千寿(名古屋)」の方がやや大きいようです。

「地雷也」の天むす1つの重さ

「地雷也」は44g
やはり3者の中では一番小ぶり。でも、「元祖天むす千寿(三重)」とは僅差です。

海老天の大きさと味

「元祖天むす千寿(三重)」の海老天

海老天も見ましょう。「元祖天むす千寿(三重)」は、こんな感じです。

「元祖天むす千寿(三重)」の海老天の重さ

海老天は7g 味は3者の中で一番あっさりしています。

「天むす千寿(名古屋)」の海老天

こちらは「天むす千寿(名古屋)」の海老天。海老と一緒に三つ葉も揚げられています。写真には写っていませんでしたが、「元祖天むす千寿(三重)」も三つ葉が入っています。

「天むす千寿(名古屋)」の海老天の重さ

海老天は衝撃の21g!
個体差があるのかと思いましたが、総じて食べ応えのある海老天が入っていました。味は「元祖天むす千寿(三重)」と同じくあっさり系ですが、海老天が大きい分、こちらの方が濃い味に感じました。

「地雷也」の海老天

「地雷也」の海老天は乗っかってるという感じですね。小ぶりなので3者の中で一番食べやすい大きさです。

「地雷也」の海老天の重さ

重さは8gなので、やはり「天むす千寿(名古屋)」の海老天が大きさでは突出しています。 味は見た目でもわかるように、タレがしっかり染みているので、3者の中では最も濃い味付けになっています。

とはいえ、3者とも味付けは、ちょうどいい塩梅で小腹を満たしてくれます。

改めて3者の勇姿

いゃ〜天むすって本当に良いですよね!

(おまけ)きゃらぶきの違い

左から「元祖天むす千寿」、「天むす千寿」、「地雷也」のきゃらぶき

そうそう、天むすと言えば、きゃらぶきを忘れてはいけません!
こうして並べると、「元祖天むす千寿(三重)」の量が少ないことがわかります。でも味はダントツで美味しかった!柔らかく味がよく染みています。きゃらぶきに関しては、「元祖天むす千寿(三重)」1強でした。

ちなみに天むすにきゃらぶきを付けるのも「元祖天むす千寿(三重)」が発祥とのこと。初代の旦那さんが沢庵が苦手で、きゃらぶきを添えるようになったのだとか。「元祖天むす千寿(三重)」では、きゃらぶきのみ単体でも販売しているそうです。


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