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山を登って考えたこと

八ヶ岳に登ってきた。2日目は雨。体力も限界。7人で行って最後尾で少し遅れていたが安全も考慮しないといけない。冷たい雨が手袋越しに伝わってくる。いつの間にか僕は妄想の世界に逃げ込んだ。高校のサッカー部の準決勝。僕はFWとして逆転の1点を狙う。仲間が繋いだ最高の位置でのパスが回ってくる。だが僕はシュートをしない。出来るだけ相手を惹きつけて、味方の僕より小柄のだけど僕より遥かにコントロールの良い選手にパスする。そのまま彼がゴールを決めてチームは勝利する。ここまでが妄想。では現実はどうだったかというと、僕はそのピッチにはいなかったし、ベンチにもいなかった。正確には選手と同じ地面は踏んでいたが、それは部員としてではなく応援の生徒としてだ。僕が高校のサッカー部を辞めたのは高校1年生の秋。誰にも告げずに急に辞めた。成績が伸び悩んでいたからと親に退部を迫られていたからとか、監督や先輩と合わなかったとか色々当時は言い逃れしたけど、本当の理由は僕にだってわからない。試験期間の最終日、明日から再びサッカーができると思っていたはずなのに急に猛烈に行きたくなくなってそのまま辞めたのだ。今思えば甘く見ていた。サッカーを舐めていた。舐めると痛い目に会うと何度も何度もその身を持って経験したはずなのに、いつまでも僕は学習しないな。仕事だってそうだ。今回の登山だってそうだ。結局は仕事も登山もチームでやるものじゃないか。情報を収集して準備して行動して修正しての繰り返しだ。独りよがりに自己満足で目的を達成しようとしてかえって周りの迷惑になることだってある。サッカーと違って目に見える敵はいないけど、攻め方にパターンがないと守る方は守りやすいぞ。それをDF出身の僕はよく理解しているはずじゃないか。あの日僕が手放した以上に価値のあるものを果たして僕は手にいれることができたのだろうか。あの日退部を決断した僕が今の僕を見て何を思うのだろうか?山頂から自分が来た道を振り返ったり別の山から山全体を見て感慨深いものがあった。僕はこんな険しい道を登ってきたのか、そして僕が通ったはこの山を構成するほんの一部でしかないのか。おそらくこれからも僕は何度もケガをしてその度行動や思考を修正していくと思う。それを成長と呼んだり丸くなったと入ったり、荒んだといったりするのだと思う。人がどう見るかはさておき、そうしてもがいてきた自分自身やこれから先の自分が誇れるような少なくとも背中を推せるような振る舞いをしたいと思った。

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