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「はい、という訳で始まりました。島田正平のお怪談チャンネル。司会の島田正平です。今日のゲストはなんと！　犯罪撲滅系動画で今話題のこの方に来て頂きました」
「はいどうも、こんにちは。ヒデキングチャンネルのヒデキングです。よろしくお願いします」
「いやーついに。この番組に来て頂く事が叶いました。知ってる人も多いかとは思いますが、ヒデキングさんは痴漢とか盗撮を捕まえたり、詐欺案件に突撃取材をされている方です。詳しくは詳細欄にリンク貼っておきますのでよかったらチェックお願いします」「お願いします」
「そんなヒデキングさん。今日はなんと怪談をお話頂きます。よろしくお願いします」
「はい。では早速。えっとこれはですね、こないだ動画撮影の時におきた話なんですが……」
「はい。聞かせて頂きましょう」
「えっと、こないだオレ詐欺の被害者に直撃するという企画で、ただ直撃するんじゃつまらないからと、リアルにオレオレを仕掛けてみる事になったんですね。それで引っかかった人に、これは詐欺ですよ。気を付けてくださいね、って話しようと」「ほう、なるほど」
「スタッフが知り合いの半グレから仕入れてきた名簿に片っ端から電話しました。オレだよ、オレオレって。そしたら三件目くらいの電話で簡単に引っ掛けられちゃうんですよ。お婆ちゃん、オレだよ。会社の金を電車に忘れちゃって、みたいな。そんなに簡単なの？　って」
「えーマジですか」
「で、オレは今動けないから代わりの人間が行くからって駅前で待ち合わせすることにしたんですよ。で、行ってみるとそこに居たのは突撃系ユーチュー婆の志摩子さんだったんです」
「ええ！　っとここで知らない方に解説しておきますと、志摩子さんて現在８０歳で健康食品とかセミナーとかの会員になったりして突撃取材されているユーチューバーですよね」
「そうなんです。それで逆にあんた詐欺師でしょ。とか詰められちゃって笑」「あはは」
「でこっちも撮影なので企画を説明したりしていたら、急に志摩子さんが腰を抜かしてアワアワ俺の背後を指刺すんですよ」「ほう」
「後ろ振り返ったら、もろ貞子ですね。汚れた白いワンピースに黒髪ロングで下向いて、両手はゾンビみたいに肩の高さまで挙げて、そんな女性がこちらにゆっくり歩いてきました。俺も一瞬腰抜かしそうになりましたね。
俺たちが固まっていたら、その女性がすぐ近くまで来て髪をかき上げるとなんと、ノーブラ散歩でお馴染み、まこちゃんだったんです」
「ええ！　ここで知らない人に解説すると、ノーブラでお散歩しているユーチューですね」
「したらまこちゃんが、あれ？　ヒデキングじゃん！　何してんの、こんなとこでってなって、こっちも撮影だよって言ったら向こうは、ハロウィンだから貞子のコスプレでノーブラ散歩の撮影だって言って去っていきました」
「やかましわ笑」
「そしたら、まこちゃんの後ろから挙動の怪しい中年男性が着いていくから注目していたら、歩道橋に差し掛かったときに、バッグからカメラみたいのを取り出して明らかにスカートの下へ向けたんで、こっちは動画を回しつつ追い掛けて取り押さえました。手に持っていたのはやっぱりカメラでしたね」「撮れ高えぐいな！」
「したらその犯人、俺が警察に電話しようとした途端急に走り出して道路に飛び出したとしたところでトラックに撥ねられました。でその時亡くなった中年男性の霊が……」「うんうん」
「以来その歩道橋で盗撮を繰り返しているという……」

　了