【映画ベスト10】2017年新作映画ベスト10
2017年に公開され、映画館で鑑賞した映画から渾身の力をこめて選出し、自信を持ってお勧めするベスト10です。
2017年を振り返って言えることは、この年は何と言っても『マリアンヌ』だろう。ロバート・ゼメキスの最高傑作だ。国家の政治的目標である戦争に従属させられる戦争機械であった二人が「戦争ではなく、創造的な逃走線を引く」(ドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー』)、国家に抗する戦争機械=恋愛機械に生成し、自分の生を生きる過酷な逃走=闘争の記録だ。
そして、『ラビング 愛という名前のふたり』。人種による分断を突破する、黒人女性と白人男性の大人の愛の傑作だ。静謐で素晴らしいクローズアップシーンがあるので、絶対に見逃さないでほしい。
『散歩する侵略者』『LOGAN/ローガン』『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』『パターソン』『カフェ・ソサエティ』『エルネスト』は私の大好きな映画作家たちの著名が刻印された、必見の作品だ。
『ゲット・アウト』はレイシズムへの強烈な批判が織り込まれた不気味で痛快なエンターテインメントの怪作だ。今後の活躍が期待できる新星だ。
『立ち去った女』はフィリピンの鬼才、ラヴ・ディアスのモノクロ映像の大作だ。驚異的なフィックスの長回しを堪能したい。
1.マリアンヌ(ALLIED ロバート・ゼメキス/2016)
2.ラビング 愛という名前のふたり(Loving ジェフ・ニコルズ/2016)
3.散歩する侵略者 (BEFORE WE VANISH 黒沢清/2017)
4.LOGAN/ローガン(LOGAN ジェームズ・マンゴールド/2017)
5.ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN ティム・バートン/2016)
6.ゲット・アウト(GET OUT ジョーダン・ピール/2017)
7.パターソン(PATERSON ジム・ジャームッシュ/2016)
8.カフェ・ソサエティ(CAFE SOCIETY ウディ・アレン/2016)
9.立ち去った女(ANG BABAENG HUMAYO/THE WOMAN WHO LEFT ラヴ・ディアス/2016)
10.エルネスト(阪本順治/2017)
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