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『3.0 / 5』 第10話


どうも、昨日夢の中で面白いストーリーを思いついて「これはイケる!!」とすぐにメモをして、後々読んだら全然おもんなくて地味にショックを受けている上神です。

今日はオリジナル脚本『3.0 / 5』の第10話です。


▼前回(第9話)までのあらすじ

就職活動中の大学生・黒羽透は、同級生の美咲奈々が気になる存在。しかし、思うように自分の気持ちも伝えられず、就職活動も上手く行っていない状況。
透と奈々の距離もだんだんと近付いてきたある日、透の親友の泉海斗がなぜか元気が無く……


▼第1話はコチラから読めます


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『3.0 / 5』 第10話


※第9話の内容が一部含まれています。読みやすいように、あえて改行しています。


◯三田大学の教室・廊下(日替わり)

透、香とばったり会う。
香「おはよう」
透「あ、おはよう」
香「ちょっと、あんたさぁ……」
透「な、何?」
香「(ニコッとして)やるじゃん!」
ドン、と透の肩を押す香。
透「う、うん……?」
香「今回の件は褒めてあげるよ」
透「(首を傾げて)どうも……」

◯三田大学の教室・中

大勢の生徒がいる教室。
教室には会話をする生徒、レポートを書く生徒、スマホをイジる生徒がいる。
奈々、教室に入ると、透と香が会話している所を目撃する。
奈々、二人に近付きながら。
奈々「おはよう〜!」
透・香「おはよう」
奈々「何その珍しいツーショット」
透「まぁ、確かに……」
奈々「私が学校いない間に、二人デキたの?」
香「そんなバカなことあるわけないじゃない。こんな根暗で量産型みたいなヤツと」
透「いや、ストレートすぎるわ」
奈々「確かに、それはないか……」
透「え、まさかの美咲さんまで」
奈々「ハハハ、うそうそ」

海斗、教室に入る。
透、海斗を見つけて、海斗を呼ぶように。
透「お、チャラ男が来た!」
海斗「(戸惑いながら)お、おう」
透「……?」
奈々「泉くん、久しぶり!」
海斗「うん、久しぶり」
香「どうしたの、海斗?何かゲッソリしてるけど」
海斗「いや、別に」
透「(海斗をジッと見て)……」
奈々「そういえば、最近忙しいの?ユーチューブ、動画アップしてないけど」
海斗「ん、まぁちょっとね……。あ、俺、トイレ行ってくるわ」
海斗、トイレに向かう。
不思議そうな表情の奈々と香。
透「ちょっと俺もトイレ」
透、海斗の後をついていくように、トイレに向かう。

◯三田大学のトイレ・中

海斗、小便器で用を足す。
海斗の隣に来る、透。
透「そういえばさ、明日何限から?」
海斗「明日?3限から」
透「じゃあ、久しぶりに飲み行く?」
海斗「ん〜、疲れてるからパス」
透「知ってる?酒飲んだら疲れも何もかも吹っ飛ぶんだぜ」
海斗「いや、クスリみたいに言うなよ」
透「俺が奢ってあげるからさ」
海斗「ん〜…、それなら行こうかな」
透「まぁ金ないから1杯だけな」
海斗「(苦笑して)おい」
透「とりあえず、また連絡するわ」
海斗「おう」
透、トイレから出る。
海斗「(フッと笑って)……」

◯三田大学の外の喫煙所

ベンチに座る、海斗。
海斗、左手でタバコを吸いながら、右手でスマホを操作する。
スマホの画面には「ユーチューブ」が表示されている。
イヤホンをつけて自分の動画を視聴する、海斗。
海斗、スマホを下の方にスクロールすると、コメントが表示される。
コメントには「今回も良かったよ!でも昔の方がうまかった!笑」と書かれている。
海斗、そのコメントにいいねを押す。
スマホをポケットに入れ、タバコを吸いながらぼんやりと遠くの方の景色を眺める海斗。
海斗「……」


◯居酒屋・店内(夜)

カウンターの席に隣同士で座っている、透と海斗。
店員、透と海斗に近付く。
店員「ご注文はどうされますか?」
透「じゃあ、ビールで」
海斗「じゃあ、僕もビールで」
店員「ご注文は以上でしょうか」
透「はい」
店員、二人から離れる。
タバコに火をつけ、タバコを吸う海斗。
海斗「でも何だよ、お前から飲みに誘うとか、気味悪いな」
透「実は嬉しいことあってさ……」
海斗「(からかうように)もしかして美咲さんと付き合ったとか」
透「惜しい、実は美咲さんの家に行った!」
海斗「はぁ?何で?」
店員、二人に近付き、ビールを渡す。
店員「はい、ビールです」
海斗「あ、どうも」
透「(店員の方を見て)あの、料理の注文は後にします」
店員「かしこまりました」
店員、二人から離れる。
透「とりあえず乾杯するか」
海斗「お、おう」
ビールを乾杯して飲む、透と海斗。

海斗「で?最後までやったの?」
透「いや、何もしてないけど」
海斗「(強い口調で)はぁ?何だそれ」
透「うん、手料理をいただいたぐらいかな」
海斗「いやいや、どういう状況だよ。家に誘ったのお前だろ?」
透「(首を横に振り)向こうから」
海斗「(え?って表情で)……何か、それも驚きだな」
透「ホント、何かのドッキリかと思ったわ」
海斗、吸っているタバコの火を消しながら。
海斗「でもさ、それで何もしてないって逆に失礼だわ、お前」
透「え?そうなの?」
海斗「そうだよ、普通家に誘ったんなら、あっちもそういうの前提だから。98パーぐらいオッケーだから」
透「(動揺して)いや……え?マジ?」
海斗「うん、マジ」
透「まさかやらかしたの、俺?」
海斗「完全にやらかしたね、甘い球見逃して三振って感じ」
透「(残念そうに)そうか……。でも、やっぱりこういうの海斗に聞いて良かったわ。ムダに経験豊富だからな」
海斗「(目を細めて)それ褒めてんのか?」
透「う〜ん、微妙なとこだね」
海斗「(クスッと笑って)何だそれ」
透、海斗、ビールを飲む。

透「で、海斗の方は何かあったの?」
海斗「(動揺したように)え?何で?」
透「いや、何となく」
海斗「ん〜、ここだけの話だけど、実はさ……」
店員のいらっしゃいませ、の声が聞こえる。
2人組の女性のお客さん、お店に入る。
透、そのお客さんをチラッと見ると、奈々と香に似た人を発見する。
透「え、美咲さん?」
海斗「(透が見てる方を向いて)え?」
奈々「(指を差し)アレ、黒羽くんと泉くんじゃない?」
香「ホントだ!あっち座ろうよ!」


<第10話、終了>

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この『3.0 / 5』は、6月いっぱいで最終回を迎えようとしてます(予定)。が、果たしていつ結末を迎えることになるのか。初の試みすぎて、どんな感じで終わらせたらいいのか分からない感じで、7月までやるかも、って感じです。何かそんな感じです。フワっとしてて、すみません。

来週は小説の第2話を更新します(予定)。



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