角川ソフィア文庫版の『東方見聞録』を読んでの感想

角川ソフィア文庫版の『東方見聞録』を読了する。ソフィア版は抄訳と解説という本であるのを知らずに買ったのだが、マルコ・ポーロを知るにはうってつけの本である。私は、本書を読み、初めて知ったが、マルコ・ポーロは故郷ヴェネツィアへ帰り、その後、ヴェネツィアとジェノヴァの戦争に参加し、ジェノヴァの捕虜となってしまったのだ。とはいえ、マルコ・ポーロは釈放される。マルコ・ポーロの遺産は、人並みといったところでした。
とはいえ、マルコ・ポーロが残した『東方見聞録』はその後の世界に多大な影響を与える。コロンブスは『東方見聞録』を熟読し、「黄金の国」ジパングへの熱い思いを抱いていたようだ。
スヴェン・ヘディンも『東方見聞録』を参考にしたようだ。
ここで、反実仮想、歴史のifを書くが、『東方見聞録』が著されていなければ、コロンブスは西への大航海をしただろうか。そうなると、アメリカ大陸は発見されなかったということになる。
しかし、『東方見聞録』が存在していなくても、大航海時代は起きたのではないか。
ヘーゲルの『歴史哲学講義』にも『東方見聞録』は紹介されている。話は脱線するが、ヘーゲルの『歴史哲学講義』は、ヘーゲルの哲学としての歴史が論じられているのだが、歴史の具体的な事実に寸評をくらわすヘーゲルは、歴史トリビアにしか見えない。
『東方見聞録』は楽しい読書でした。といっても抄訳と解説本ですがね。

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