トヨタ内部留保について考えたこと

トヨタ内部留保と全般的な賃金低下をいかにも関係があるかのように格差問題として論じるのは、雑な説明の一言ですね。
トヨタ内部留保は、あくまで、トヨタが雇用する労働者からの搾取、又は、取引する系列企業への不当な価格ダンピングが内部留保の原因としてある。あくまで、トヨタ企業との関係性から生まれる。全くトヨタと無関係な企業に勤める低所得労働者は、トヨタから搾取されていないから、内部留保を賃金に回せ、とか、吐き出す、とか、発言する権限はない。
だが、トヨタ内部留保は、トヨタ労働者からの搾取、又は系列企業への不当な価格ダンピングだけでは、膨大な内部留保は蓄積されない。
そして、内部留保蓄積の源泉は、トヨタ経営陣によるトヨタ労組への不当な支配介入である。最優先に、トヨタ内部の労働者を抑圧すること、そのためのトヨタ労組への不当な支配介入である。
内部留保がトヨタ労働者への搾取、又は、系列企業への不当な価格ダンピングだけでは説明できないのである。蓄積原因には、もう二つの原因があるのではないか。税からの収奪と投機である。
一つには輸出企業へは、消費税還付金という制度があり、その制度が内部留保蓄積を加速した。
そして、投機が内部留保蓄積を加速した。
トヨタを単なる産業資本の自動車メーカーと見るのは、間違いである。
トヨタは、もはや、金融資本でもある。
だが、金融資本であり、税からの収奪であることを、客観的に検証できたら、トヨタと無関係な低所得労働者も、内部留保蓄積は、私たちが支払った消費税がトヨタという一企業へ回っていることは、不当ではありませんか、と言えるが、だが、もっと強く発言できる主体が存在する。
消費税とは、消費者が税務署へ税を支払っているのではなく、あくまで、消費者は消費税が上乗せされた価格の商品を購入しているだけであり、税そのものは、事業体が支払っている。ということは、全くトヨタと無関係な事業体がトヨタへ、見えない形で、貨幣を流したことになってしまったのだ。

その企業の資本は、全くトヨタと無関係な労働者からの搾取である。
トヨタ内部留保を説明するには、資本論第2巻以降を使わないと説明できないし、理解できない。
ただ、搾取されている、と言っているだけでは、説明できないのである。

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