映画を観た記録23 2023年3月18日   アイヴァン・セン『ミステリー・ロード/欲望の街』

Amazon Prime Videoでアイヴァン・セン『ミステリー・ロード/欲望の街』を観る。

オーストラリアのクイーンズランドにある架空の街・masasacre州が故郷のアボリジニの刑事・ジェイがシドニーからの研修に戻ってきたら、街は、荒れ果てていた。麻薬と売春、暴力がアボリジニを特に覆っていた。そして、白人至上主義者が犯罪に手を染めていることがジェイにわかりかけてきた。ジェイは街にはびこる腐敗の根を見つけ出すために一人で捜査に乗り出す。

本作品は明白に植民地主義以降の新しい映画のスタイルと見てよい。

映画は白人の専売特許の産物と思われていた。その専売特許の片隅にアジアの香港、日本、中国、台湾などが居させられたような文化形態であることには間違いない。
だが、『ミステリー・ロード/欲望の街』は監督がオーストラリアの先住民であるアボリジニのアイヴァン・セン(監督だけでなく脚本、撮影、編集、作曲も手がける異才である。)が手掛け、主演はアボリジニのアーロン・ペダーゼンである。アーロン・ペダーゼンは本作品のassociate producerでもある。
本作品が、映画を白人の専売特許から羽ばたかせる契機にもなる。
だが、映画の形式それ自体は、白人が作り上げた形式から免れない。

ちなみに、ジェイや同僚の刑事が着ているネル・シャツやダンガリーシャツとジーンズ姿がかっこいいなと感じた。どうやらWranglarが提供しているようである。私も欲しくなった。

本作品は続編の『ミステリー・ロード2/悪徳の街』があるようだ。Amazon Prime Videoで観られるから、今度、観ることにする。

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