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タコピーの原罪 テーマ考察&感想


ジャンプ+で連載中のタコピーの原罪。
テーマの考察と感想です。※ネタバレ注意

目次
1.タコピーと親がハッピーになりたい話。
2.問題の本質は、助けてあげて自分がハッピーになりたい人にある。
3.必要なのは寄り添う味方。
”おはなし”とは”お喋り”と”物語”のダブルミーニング

まず、誰が見ても分かる通り、タコピーはドラ○もんのアンチテーゼです。
土管のある空き地・未来から来た便利な道具を出すタコ・しずかちゃんという名前
真っ向から喧嘩を売っています。

ドラ○もんの世界は親や学校は正しいもので、その中で、テストの点が悪かったり、ジャイアンのいじめを道具で”助けます”。

タコピーの世界では道具では助けられません。
タコピーは子供同士のいざこざとしか捉えていないため、その場しのぎで道具を渡し、結果問題が悪化していきます。
タコピーには「問題の本質が分からない」のです。

では問題の本質とは何でしょうか?

1.タコピーと親がハッピーになりたい話 

・タコピーはしずかの笑顔を見てハッピーになるために道具を渡して助けようとします。

同様に…
・東直樹が100点をとって一番喜ぶのは直樹自身ではなく母です。
・まりな母は、まりなに父の悪事を共有し、肯定してもらうことでハッピーになります。
・殺人を示唆する我が子を生まれた状態にしてハッピーになるのはタコピー母です。

子供のためを思ってしたことは、実は親がハッピーになるための行動です。

13話より

・直樹がしずかを助けたいのも直樹自身がハッピーになりたいからです。
直樹はそのことに気付きます。

14話より


そして何よりこの物語を読んで登場人物を助けてあげたいと思った人がタコピーそのものです。

つまり

2.問題の本質は、助けてあげて自分がハッピーになりたい人にある。

ではどうすれば良いのか。この物語で1つの答えは、直樹の兄です。
彼は”助けてあげよう”とするのではなく、”話を聞く、寄り添ってあげる”姿勢を示しました。

10話より

本人 と 寄り添う味方 という関係性は
しずか と チャッピー
まりな と タコピー にも当てはまります。

まりなが母を殺した後、最後まで寄り添うタコピーに「名前くらいつけてやればよかった」と言います。まりなはタコピーを引き留めるために名前が必要でした。
つまり、そばにいてほしかったのです。

13話より

寄り添う味方とは、兄や犬やタコピー、
そして絵の中のタコピーを思い出すという記憶のことも指します。

16話より

3.必要なのは寄り添う味方。
”おはなし”とは”お喋り”と”物語”のダブルミーニング

最終的にタコピーはこの世にいない空想のキャラになりました。
しずかとまりなは絵になったタコピーのこれまでの”おはなし”について”おはなし”することで仲良くなります。
絵になったタコピーの”おはなし”とはマンガ「タコピーの原罪」の象徴です。

”おはなし”として面白く、話題になって人々の”おはなし”の材料となる漫画を作り出したタイザン5先生は、タコピーを体現しました。

今後も漫画家として”おはなし”のきっかけとなり、寄り添う味方となる作品を生み出していくという決意表明のように私は感じました。

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